5.《ネタバレ》 主人公のバスシバに男たちにもてまくるほど魅力があるとは思えないが 【草のつるぎ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-03-10 19:22:09) |
4.《ネタバレ》 序盤の羊全滅シーンのど迫力ですでに度肝を抜かれますが、その後も、エセックスの広大な風景を存分に生かしたシーン満載で、大風呂敷メロドラマを映像が十分に支えています。その中でも、天気はひたすら曇天・雨天、唯一晴れているのは、フランクの入水の場面。だからこそ、なかなか前に進まないじわじわした展開が生きています。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-24 02:37:18) |
3.ポランスキーの『テス』に心ふるわせた人間なんで、同じトマス・ハーディ原作、同じ堂々とした上映時間ってのに期待して見たら、ただ長いだけだった。原作知らないんで、罪がハーディにあるのか脚本にあるのか分からないけど、登場する人物がキチンと像を結んでくれない。とりわけヒロイン、パキパキしたはりきり娘かと思うと、アレーッと淑女のように気絶したり、隣人にバレンタインカード送るいたずらしといて、でも言い寄られると「困るわ」って言う無責任ぶり、そのことを映画は非難しているようにも見えない。してたのかな。偶然の皮肉がこの世を動かしていくってのが「テス」の根本思想だったが、出世作らしい本作でも、このいたずらや結婚式場間違えたりが、ドラマを動かしていた。そこらへんハーディのドラマとして筋は通っている。女中ファニーの物語は「テス」の原形のようでもある。T・スタンプが「テス」のアレックだ。ちゃらんぽらん男とクソ真面目男に挟まれたヒロインの物語として、本作は『テス』と同じ構造になっている。ただテスでは男によって女が不幸にされたが、こっちは女が周囲の男に不幸を撒き散らしていた。これが映画化された60年代ってのは女性の地位向上が叫ばれており、原作読まずに勝手に想像するのだが、ストーリーの「小娘が農場主をやる」って部分を拡大して脚色しイビツになったのではないか。浜辺の祭の場なんかは面白かった。それにしてもこの題名は何を言ってるんだ? 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-12-19 10:23:31) |
★2.《ネタバレ》 基本的にメロドラマなので、途中休憩を挟んで3時間近くもあると、さすがに途中で飽きてきました。しかし後半は怒濤の展開で、引き込まれます。 そもそもヒロインのバスシバが世間知らずの上、(あまりそうは見えないものの)感情的なもので、メロドラマとしてはあちらへフラフラこちらへフラフラと、見ているこちらも落ち着きません。彼女を誘惑する軍曹(テレンス・スタンプ)も同じタイプで、口で言っていることと本心とがけっこう違っています。これが大きな悲劇を生む元で、本作を見ると、人間というのはずいぶんいい加減なものだと思えてきます。ある種の業のようなものをメインの3人が体現していて、そのあたりがメロドラマでも文芸的だと感じさせるところです。こういう部分がなければ、最後まで見られなかったかもしれません。 これに対してガブリエルが理性派代表のような立場にいます。結末を見るとそれが最後に勝利するということかもしれませんが、しかしあれはちょっと納得しかねるところも。「愛情がなければダメ」と言っていたバスシバ、あっさり結婚しすぎでは……。 農民の生活が活写されており、風景も美しくそこは見ものでした。民謡を生かした音楽もよかったと思います。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-17 21:42:25) |
1.《ネタバレ》 原作は『テス』で有名な英国の文豪トーマス・ハーディが若いころに執筆した小説。トーマス・ハーディの小説と言うとヒロインがボロボロになる暗いお話しが多いけど、まだ若いころに書いた小説なので『テス』や『日蔭者ジュード』とはだいぶ作風が違います。ジュリー・クリスティが伯母の遺産である農場を相続したヒロインです。彼女と求婚してきた三人の男たちとの波乱万丈の物語というわけで、ひたすらに農場を守ろうとするジュリー・クリスティの姿は『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラに似たところもある。このヒロインが実は大変に困ったちゃんで、男性や恋愛に関する感覚が自己チューすぎるのです。 映画が開幕してわずか5分あまりで振られてしまうアラン・ベイツはしょうがないとしても、お隣の農場主であるピーター・フィンチから求婚されても、なかなか返事をしない。ぐずぐずしてるうちに女癖の悪い騎兵軍曹テレンス・スタンプと出逢ってこいつとあっという間に結婚しちゃう。可哀想なピーター・フィンチはその後も彼女に翻弄され、ついに人生を破滅させられてしまうのです。 ある意味元祖ハーレイ・クイン・ロマンスみたいなお話しですが、英国南部の美しい田園風景が丁寧に映し出されていて、インター・ミッションまである長さも不思議と退屈せずに観れちゃいました。きっとオスカーにノミネートされたリチャード・ロドニー・ベネットの音楽が良かったせいでしょう。 まあ元が大した小説でもないので(失礼)、映画化するにはもっと大胆な脚色が必要だったかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-06 20:53:08) |