★1.《ネタバレ》 福岡のローカルアイドルグループ「LinQ」(リンク)のプロモーション映画のようなものらしい。 最初のところで皮肉な顔の運営スタッフが出てきて突然解散を宣言するが、しかし実在のグループをネタにして解散だとか真顔でやられても茶番にしか見えないわけで、解散を回避するためメンバーがさんざんいろいろやった後、結局は解散が撤回されて普通に前向きな形で終わるのは拍子抜けだが当然である。ただ一応のハッピーエンドになってからも運営スタッフの態度が変わるわけではなく、どうやら運営側には茶番のつもりはなかったらしいという印象が残るのは意外感があった。成果が出なければ本当に解散だ、と冗談めかして脅しをかけて、それを何とかするために、ファンもいい加減な気持ちではなく本気で応援してもらいたい、というのがこの映画のメッセージかという気もする。 アイドルである以上は走り続けるしかない、というのはご苦労様なことで、若いうちなら頑張ってくださいと部外者としては言うしかないが、本来はそれぞれ人生全体の構図を頭の中で意識しておくことも必要だろうと思われる。しかしそんなことはみんなわかって迷いながらやっているわけで、あえて言うのは野暮と思えば少しコメントが難しい映画である。また人数の多いアイドルグループでは自分の存在意義を見出しにくいメンバーもいるだろうが、劇中ではそういう存在を取り上げて、博多ラーメンにからめて気の持ち方を語っていたのが少し面白かった。
ところで登場人物としては、この時点でのメンバー25人の名前を読み上げる場面があったので全員出たという建前だろうが、映像上はみな揃ったようでも実際は微妙に人数が少なかったようである。主人公の新木さくらという人は万人が可愛いと思いそうなタイプで、博多ラーメンでいえば麺に喩えられていたのもわかるが、個人的には特におーばちゃんを応援したい気になった。 また主人公のママ役の いとうまい子という人は30年前のアイドルであって、今も変わらず可愛らしい、と言いたいと思ってこの映画を見たわけだが、残念ながらこの年にしては可愛らしい、という程度の表現にとどまるのが実態だった。それでも昔の面影を十分残した(思い切っていえば昔のままの)姿でこのように出るのは嬉しくなくもない。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-11-01 23:16:06) |