★1.《ネタバレ》 原作付きのTVドラマである。2011年時点で45歳の女性3人が、17歳の高校生だった1983年に戻ってやり直す話になっており、役者としては鈴木保奈美・高島礼子・坂井真紀の3人が、高校時代では志田未来・桜庭ななみ・山谷花純になる。ちなみに鈴木保奈美と志田未来は同一人物には全く見えず頭が大混乱する。 45歳はともかく高校生の3人は可愛らしいと言いたいところだが、実際はみな言動が微妙におばさんっぽいので何ともいえない。当時まだ15歳の山谷花純さんもおばさんらしく頑張っていたが、出演者インタビューで同級生役が15歳と聞いた志田未来がちょっと目を丸くし、桜庭ななみが「若っ!」と言っていたのは面白かった(両者とも当時満19歳)。
物語としては立場の違う自分が見てもそれなりの内容で、恐らくは制作側の目論見どおりサプライズの場面が泣かせどころになっている。実生活でそんな都合のいいことが起こるわけないと劇中人物も思ってはいたようだが、しかしこのエピソードを通じて、不満足な現状の中にも「しあわせ」が内在していることを、可能性の形で示してみせたのは現実的で巧妙ともいえる。 それを含めて結果的には三者三様の悟りがあったようだが、いったん昔に戻ってやり直す、という荒唐無稽な設定がなければ知り得なかったことかというとそうでもない気はする。ただ、全くやらずに終わってしまえば悔いが残るがやって失敗したなら納得できる、というような話は、確かにやり直したからこそ実感できることだったかも知れない。
なお参考として原作も読んだところ、原作に比べてこのドラマはかなり簡素化されてラストの充足感も十分とはいえないが、これはTVの視聴者にとって現実感のある内容として再構成したということかも知れない(専業主婦向けの印象が強くなったか)。原作の方は、立場の違う自分としても痛快な指摘と思われるところが多々あり(性差というより世代の関係で)、また最後の一文には泣き笑いさせられた。 【かっぱ堰】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-09-18 23:27:06) |