1.《ネタバレ》 ムムム…質感はB級以上A級未満、といった感じでそこそこ予算が取れてそーな感じなのですが、脚本のレベルの方はハッキリ言って激・稚拙なのですよね(=粗が凄く目立つ)。でも「心霊現象をダシにしてカルト宗教を組織する+その舞台がボロい団地」というコンセプト自体は、シンプルにワリとありそうでもあるしホラーとしても結構怖く出来そうだし(=イヤ~な描写を色々思いつきそう)そしてどっちにしろ和ホラーならでは…という質感のモノにも為りそうだし、で確かに相当な良アイデアにも思えるのです。加えて、萩原みのりちゃんは絶賛売出中、筒井真理子さんもゆーてホラー・スリラーと親和性ごく高そうだし、で実は結構期待してたのです…ケドも……
結論、結局はナニに一番不満が在るかとゆーと、敵ってよりはむしろ味方、つまり主人公パーティの行動のチグハグさなのですよね。卒業制作の取材とゆーて別に半分遊びに近いよーなコトだってのに、明らかに状況が不穏→不審→不可解・危険と急激に悪化してゆくにも関わらず基本的には団地から逃げようともせずにノンビリ留まっては謎解きの真似事したり(乳繰り合ったり)仲間割れオッ始めてみたり、他方で団地の見るからに怪しい連中に対する態度もまるで一貫しなかったり…てな具合の支離滅裂さでありまして、ですね(終いにゃ友達2人はいつの間にやら洗脳されちゃってるし)。巷では日本版『ミッドサマー』とも言われてるよーですが、確かに(悪い意味で)終始緊迫感が無い→どーにもホラーになり切れていない、というコトではあるかと思いますね(加えて、そーなってる状況・理由のつくり込みも『ミッドサマー』よりは大いに雑で)。
また、この不自然さはある種「意図的」なモノかとも(ふと)疑ったのですが、私の見たトコロ残念ながらコレはおそらく監督(兼脚本)の力量がポンコツなダケですね。何故なら例えば、みのりちゃんは事あるごとにしきりに「カメラ回して!」と(高圧的に)叫んでくるのですが、だから多分POVのホラー描写をどっかで入れてくるんだろうな…と思って観てたのですケド結局そんなシーン一個も無くって、要はつまり、コレに関してカメラ回す意味(=必然性)なんて殆どドコにもナニも見当たらないのですよね。こんな感じで総じてどのシーンにも確固たる理由・意図とゆーのがあまり見受けられなくって、つまりは全体的に細部までの方針検討・取捨選択までは出来てない…というコトだと思われるのです。コレ、ワリと初歩的なハナシだと思いますね。
もう一個だけ、ホラーにおいては不可解さ・不自然さとゆーのが時としてスパイスとして効果し得る…とは(常々)思ってます、が、基本的にはソレは敵の行動原理や敵の能力の発揮度合(・効果範囲・発動条件)等のカテゴリー内にごく限られるモンだとも思います。殊に、味方の行動が支離滅裂とゆーのは(ソッチはソッチで)基本的には許されないし、許されるとしたらその部分には何らか合理的な理由・説明がチャンと在る…というコトでないとダメかな、と(単にバカだから、とかは論外で)。そーでないと結局は、主人公がどーなろーが(そのうち)どーでも好くなってしまう…と思いますよ。主人公がどーなろーがどーでも好い、はもうホラーとは言えないですよね。