10.《ネタバレ》 間違いなくシリーズの、いやスパイ映画の、いやいや娯楽映画の最高峰。
これほどまでに娯楽という言葉に命を懸けた映画が昨今あっただろうか。
本格的な作戦開始を告げる怒涛のHALO降下を皮切りに、死ぬ気満々の超絶シーンのつるべ打ち。
おっさんを気絶させるだけのミッションかと思ったら、トムとヘンリー・カヴィルの変則タッグを圧倒する謎のアジア人は強さの何たることか。ファイトシーンも熾烈で良い!ヘンリー・カヴィルのヒゲ騒動も納得(?)である。
(カヴィルは本作撮影中に「ジャスティス・リーグ」再撮影の要請を受けたが、髭剃りの許しが出なかったので、CGでスーパーマンのヒゲを消すハメになった)
続くパリのバイクチェイスシーンは、一バイク乗りとして「頼むからトムを止めてくれぇ!」と身を乗り出して、冷や汗をかく僕をしり目に、凱旋門の環状道路をひょうひょうと逆走しちゃうトム。ってやっぱり事故ってんじゃねぇか!
クライマックスのヘリを駆っての追いかけっこなんてもうどういう事なんですか、トムは死なないの?大丈夫なの?
容赦ないヘンリー・カヴィルとの死闘死闘死闘。
やってることが凄すぎて、ラストのロッククライミングに至っては造作ない通常業務に見えてきてしまうもんだから苦笑い。
「リアルに見えるのはそれが本物だからさ」と豪語するトムの通り、今回もトムがやりたかったチャレンジ企画が目白押しで飽きさせない。
前回から登板したマッカリーの手腕も見逃せない。
「アウトロー」から続いてのクラシックで渋めの演出が心地良い。
トムのアクションを除けば、描かれるのはチームプレーと裏切りの物語。この作品はとても古風なスパイサスペンスとしても楽しめるのだ。
アクションシーンをストーリーを添えて描く手法も、この監督のいいところ。
例えば護送車を襲うイメージの後で、今度はその護送車群が集結する様を描写することでスリルが格段に増している。
こういったマッカリーの好演出のおかげで、トム一辺倒のアクションの羅列になっていない。だからスリリングで、ときに感情的で面白い。
監督も俳優も音楽も撮影も、この映画に関わる全ての人が、そしてトムが。
金曜夜に、仕事終わりでヘトヘトになった僕を。
会員価格1000円で友達とノコノコ劇場に来た僕を、全力で楽しませようとしているではないか。
今、僕は間違いなく最高の映画を観ているっ!!!!そんな満足感。これぞ娯楽映画。
鑑賞後も友達との会話が盛り上がること。盛り上がりすぎて、帰り道でトムの真似して背中を負傷。これぞミッション・インポッシブル。
ありがとうトム!くれぐれもお体にお気を付けください。