88.《ネタバレ》 非情に、厭な後味の残る、快作ならぬ怪作ですね。作者の狙いどおりだと思います。冒頭、荒野でおばちゃんが変な踊りを踊り出したのには、どうしたものかと思いましたが、これが後で、どすんと効いてきます。最初の方は、ベッタベタな笑いを入れてきて、どうしたものかと思いましたが、こなれてきて、便器の蓋が当たるあたりではクスリときました。この作品を見終わった後で、気づかされたのは、これまで、私は登場人物の生きざまの中にある美学が好きで、それを見出しては感動して泣いたりしていたのだなぁということです。本作品の登場人物の行動は、衝動に任せるままで、自分をコントロールすべく信条を、美学をまったく持っていないように写るので、行動は凄まじいのですが、共感はしないし、カタルシスもない。あえて共感するとすれば心の闇のみ。結果、いや~な後味だけが残るのだと思います。この手の変化球を投げた場合、ベースの技術がしっかりしていないと、へなちょこボールになってしまうのですが、そこのところはしっかりとしていて、なかなか、うまいです。妥協がありません。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-09-09 18:35:17) |
87.《ネタバレ》 むむ、これは推理物としてあなどれない面白さがある。始めはどうでもよい思わせぶりな描写が多く気疲れする。見る事を後悔し始めたちょうど中間から意外な展開でなぞ解きを畳み込む。うまい作りだ。終わってみれば、なぞ解き以外の要素は飽くまで風景程度のものでありあまり考えなくて良いと思った。 【ほとはら】さん [DVD(吹替)] 7点(2024-04-09 09:28:48) |
86.《ネタバレ》 いや見て良かった。 てっきり冤罪の息子を救ってちゃんちゃんかと思ってた。 ただ点数となるといただけないのが、「視聴者にはトジュンが犯人じゃないことを見せている」にも関わらず実は犯人でしたーってところ。 そんなんズルいやん。それなら酩酊していて途切れ途切れになるとか、石飛んできて避けたところでぶつ切りにするとかあったろうに。 明らかに何もなかった一件を、主観でなくわざわざ俯瞰で見せたにも関わらずそれはないわ。 ミステリーとして見ちゃいけないんだろうなって言う感想でこの点数です。 けど面白かった。 彼はそもそも知的障害じゃないのか、はたまた思い出して治ったのか。どっちにしても救われない話。 ちなみに自分もあの娘はいとうあさこに見えたし、今「母なる証明」でググったらサジェストにもいとうあさこが出てきてさすがに笑うしか無かった。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 4点(2022-10-31 23:36:06) |
85.ラストに突きつけられる衝撃。 殺人シーンも容赦ない韓国映画だけど、筋立ても容赦なかった。 トジュンは、最初から母に鉄屑業者を殺させるつもりだった。 お前は幼い俺を殺そうとしたんだから、それぐらいやって当然だろ。 鍼箱落とすなんて危ないじゃないか。まさかと思って犯行現場を確認しに行って良かったよ。 息子を愛し、かつて手にかけようとした後ろめたさを引きずる哀しき母の映画。 |
84.《ネタバレ》 友達が真犯人で息子に罪をなすりつけてたといった展開であればどれだけ良かったか。息子を助けるために自らの手を汚す。それが母の愛なのか。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2021-07-12 20:04:30) |
★83.《ネタバレ》 成人の息子の母親が主人公というのも珍しい。その母親が謎を解いていくという今乗りに乗っているポン・ジュノの前の作品。やっぱり彼独自のナラティブは引き込まれるし、謎解きも物語の推進力として機能し、最後までダレずに見ることができる安定の実力。彼の作品ってなんか登場人物に得も言われぬおかしみがあるんですよね。ダウンタウンの松本が言うように悲惨さの中にある笑い(彼が具体例で挙げた父親がブリーフに「お父さんの」と書いて銭湯で笑われるというエピソードが非常にわかりやすい)。個人的に微笑ましく感じたのは自分を容疑者にしようとした母親を何事もなかったかのよう助けてあげるジンテとか。やっぱり独特の世界観がある人の作品は強い。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-09-22 22:37:05) |
82.《ネタバレ》 知能に遅れのあるっぽい青年が、殺人の疑いをかけられて逮捕されますが、溺愛する母が収監を防ぐために息子を庇って奮闘するというお話。 ポン・ジュノは殺人の追憶、パラサイトと見てこれで3つ目ですが、ハズレがない! 最初から、ああ、あれは伏線だったのねと繋がっていく感じが快感です。 ラストは割と衝撃でしたが、それと同じくらいオープニングの変な踊りをするお母さんにも衝撃でした。 息子が、ところどころ頭良かったり悪かったりと、ストーリー的に都合の良い動きだったのが気になるところではありました。 【アーウーマンデ】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-08-17 13:20:23) |
81.決して愉快な映画ではないですが、映画の熱量が物凄いんですね。作り手の熱さが伝わってくる映画でした。最後はインド映画? 【東京ロッキー】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-22 15:21:41) |
80.知的障害のある息子を溺愛する母が、息子の無実を証明してハッピーエンド! とはならない…一筋縄ではない作品。 想像の斜め上を行く展開。こうゆうパターンもあるか…と関心。 誰が監督かな?…ポンジュノかいっ!と更に驚き。 あの「ツボ」かホントに効果があるならば、いつか自分も使う日が来るかもしれない。。 【tonao】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-05-16 10:11:51) (良:1票) |
79.《ネタバレ》 知的障害を持つ我が息子がある日、女子高生を殺害した罪で逮捕された。かなり深酒した息子が、夜道を歩いていた見ず知らずの少女を廃屋へと引きずり込み、暴行を加えようとしたが反撃された末の犯行だという。「こんなことあり得ない。あの子は虫も殺せないような優しい子なのよ」――。息子の潔白を信じて疑わない母親は、無罪を求めてそう世間に訴えかける。だが、出てくるのは息子に不利な証拠ばかり。警察も弁護士もマスコミもほとほと役に立たない。追い詰められた母親は、独自に調査を開始するのだった。泥酔しその夜の記憶が曖昧な息子、息子とは腐れ縁の地元のチンピラ、奔放な生活を送っていた被害少女、そして少女に弱みを握られていたという地元の有力者たち。少女を殺したのは、果たして誰なのか?事件に隠された深い闇へと踏み込んでいった母親は、やがて衝撃の真実を知ることに……。外国語映画として初めてアカデミー作品賞を受賞し今、ノリにノッているポン・ジュノ監督の代表作と言えるそんな本作、今更ながら今回鑑賞してみました。終始陰鬱で観れば観るほど気が滅入るようなお話ながら、なかなか完成度の高いダークミステリーの逸品に仕上がっていましたね、これ。二転三転するストーリー展開、母親役を演じた女優のナチュラルな演技、回想シーンの中で妖艶な魅力を放つ被害少女と、監督の才気溢れる演出にラストまでまさに一気呵成。中盤以降、もはや誰もが怪しいとしか思えない中、最後に明らかにされる衝撃的な真実。後味は最悪ながら、かなり濃密で充実した映画体験をさせていただきました。自分の子供のために母親が本当になすべきこととは何なのか?貧困の負の連鎖は永遠に続くのか?誰もが何かしら思わずにはいられない極めて深いテーマを扱った、良質の社会派ミステリー。この監督の他の作品も観てみようと思います。 【かたゆき】さん [DVD(吹替)] 7点(2020-02-23 00:03:22) |
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78.《ネタバレ》 盲目的な母親の愛情を描いた映画だけど、当然それだけで終わるわけもなく、えぇーそういうオチか!ってのが楽しめる一本だった。 【おとばん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-19 22:16:51) (良:1票) |
77.「殺人の追憶」並みに重く、やるせない話だった。 しかも、こちらはユーモラスなシーンなど微塵も無く、常にシリアスな展開な為余計に疲れてしまった。 テーマ的には母親の子を思う気持ちというか、究極の親バカ映画というか、モンスターペアレント映画というか。 ポン・ジュノ監督らしい理不尽さと底辺に生きる人々がもがいて行く様は一貫してどこまでも不快にさせてくれる。 ふとした視点の転換により、作品のジャンルすら自在に操る様は相変わらず只者ではないと感じさせてくれる。 【ヴレア】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-12 19:22:15) |
76.《ネタバレ》 本作のやりきれなさは、本当の真犯人はジョンバルではないかもしれない、トジュンを信じ切ることができないということではないでしょうか。親は因果な商売です。【追記】詐話師の鉄くず屋の親父さんを、不必要に殺してしまった話かと思っていました。他の方のレビューをみて、愕然。そういう筋だったのですね。さらに、やりきれない。+2点。恥ずかしいけど、このままにします、 【なたね】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-30 21:38:23) |
75.《ネタバレ》 熱い脂ぎった映画。女の母としてのダークサイドを見せられた映画。嫌い。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 4点(2019-01-25 22:15:32) |
74.《ネタバレ》 この鬱陶しさ、盲目さ。 まさに母親そのものが描き出されている映画でした。 それも母親の嫌な面、見たくない面を まざまざと突きつけられたような不快さが見終えて しばらく経っても心の奥にわだかまっているようです。 例え殺人を犯してでも、我が子を守る。 母親故の狂気とでもいうか。 ただし、ポン・ジュノは上手い。上手すぎる。 あまりに理路整然とした物語構成のせいで、ご都合主義的な タイミングで新情報がポンポンと出てくるので、随所に作為を 感じてしまうのが残念な部分。 とはいえ、韓国映画の泥臭さ、脂臭さが ギトギトと漂う名作です。 結末や真相は視聴者の想像に委ねる、などという甘さはこの映画に 存在しないので、体調が良く、体力が充実している時に見るのがお勧めです。 【kirie】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-03-17 23:01:37) |
73.もう10年近く前に映画館で鑑賞しましたが、本作品を越えるサスペンス映画に出会っていません。 韓国映画の底力を見せつけられた名作です。 【ジョウオンズ博士】さん [映画館(字幕)] 10点(2018-02-24 19:47:11) |
72.《ネタバレ》 母親の一方的な愛にとんでもない不快感を抱く。 終始不安な気持ちを抱かせる独特な雰囲気を醸し出すことに成功している。 それにしても、この作品のカメラワークと母親を演じたキムへジャには拍手喝采。 最後、狂ったように踊る母親をブレブレのカメラで必死にフレームの中に 捉えようとするシーンにはとんでもないパワーを感じた。 【鈴木】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-30 17:43:14) |
71.素直にこれは許せないと思う気持ちもあり 向こうでも賛否両論あったそうだけど観ておいて良かったと思います。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-08-25 01:31:50) |
70.《ネタバレ》 奇妙な踊りからポン・ジュノの世界に引き込まれる。 知的障害の息子から目を離せず、薬草どころか自分の手まで刻みそうになる。 その息子の冤罪を晴らそうと奔走していくうちに、そこに"母"という呪縛をかいま見た。 一見ひたむきに見えるが、ある意味で他人の迷惑も顧みない。 貧困だからこそお互い助け合うはずが、自分たちの保身のために平気で蹴落とす現実。 かつて無理心中に巻き込まれて知的障害を患った(かもしれない)息子は、 もしかしたら母を試そうと"演技"していたのではないかと思ってしまう。 衝動的に少女を殺してしまったが、母が自分を見捨てて血の濃い関係から解放されたかったかもしれない。 しかし彼女は助けた。 エゴで完結された世界から抜け出すことができなかった。 そして針で全てを忘れて、息子のもとへ帰るまでひとときの非日常で踊り続けるしかないのだ。 |
69.《ネタバレ》 知ってはいたが気持ちよい映画ではない。 バカと言われればやり返せと母に教育されたトジュン。 悪意なくやり返した結果、少女は死んだ。 息子を救うために必至に犯人捜しをした結果、息子が犯人だった。そして罪のない第三者が捕まる。 シナリオだけで言えばなかなかのサスペンス。息子への異常な溺愛は韓国の文化なのかこの家族だけなのかわからないが、自分たちさえ良ければ良いという感覚、生ぬるい愛情は嫌悪感しか覚えなかった。この映画のツボは記憶を消すツボのようにはならなかったね。 |