★146.《ネタバレ》 “Driving Miss Daisy”『人使いの荒いデイジーさん』。アカデミー作品賞受賞作。 当時映画に興味を持ったばかりの私は、アカデミー作品賞とは『その年の数ある(アメリカ)映画の中で優勝を勝ち取った映画』が受賞するモンだってイメージを持っていました。優勝って、つまり一番すごい作品が勝ち取るモンだと。すごい問題作。すごい壮大な作品。すごい話題作… なのに、俳優もテーマも地味なこの作品が、大きな大事件が起きるわけでもないこの映画が、しかも前年のレインマンとちょっぴりイメージが被るロードムービーが、何で優勝したんだ??何だろ?アカデミー作品賞って?って、謎が膨らむきっかけとなった作品です。
この映画、歳を重ねる度に好きになっていきます。たった99分の作品なのに、デイジーとホークの半生が、ゆったりとした心地よい時間とともに流れていきます。のちのち笑い話になったであろうサケの缶詰事件。デイジーのツンデレっぷりが可愛らしいクリスマスの贈り物。恐怖、アラバマの路上で一人ぼっち。安らかな日常生活のまま穏やかに迎えたアデイラの死。老後のドラマとしてこのくらいのハプニング、事件が丁度いい、これくらいが良い。
デイジーは食卓で食事をし、ホークはキッチンで食事をする。それが主従関係。アラバマの道中もデイジーは車内、ホークは外。それが彼らの立場。人種の壁が生んだ立場。明らかな差別を受ける黒人と、目に見えぬ差別を受けるユダヤ人。二人の間に徐々に生まれる友情。ホークがデイジーと同じテーブルに座り、パイを食べさせるのに要した時間は30年。 このゆっくり、ゆったりした映画、人種間の見えない壁。生まれた時から知らずに出来ていた壁。それが壊れていくのに必要な時間を解りやすく観せてくれる。30年だって。 SDGs?2030年までに実現可能?ハァ?だよね。
あ、私にとってアカデミー作品賞の基準って、今でも謎です。多くの受賞作品を観るたび、むしろ謎が深まってます。 【K&K】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2023-03-28 22:17:29) |
145.《ネタバレ》 ジェシカ・タンディ目当ての鑑賞。ロンメル夫人役での気品、気骨ある姿が39年後80歳での本作でも見受けられ、オスカー受賞が眩し過ぎます。戦後ディープサウスを舞台に職質警官「ユダヤ婆さんと黒人爺さんって(嘲笑)いい取り合わせだな」が示す生き辛かったであろう世の中で片や遮二無二片やしなやかに生きて来た二人が主従関係を超えた間柄になってゆく物語。しみじみさせられている時に不意打ちを食らいました。手が震えるデイジーに代わってパイを口に運んであげるホーク「もう一口」 アカン・・ 堪える間も無くボロ泣きとあいなりました。ハンス・ジマーもいい仕事をしており作品賞文句なしの傑作です。 |
144.人種差別とか老老介護といった重いテーマを扱ってはいるが、役者のうまさもあってか 落ち着いて観ることができた。 ホークの家庭を全く描かないところは、仕事に私情を持ち込まないというのを描いているのかな? 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-29 16:34:55) |
143.《ネタバレ》 アメリカの黒人ラッパーには、この映画が大嫌いだと公言するのが多いそうです。まあ彼らの言い分も判らなくもないです。たぶん、出てくる黒人キャラはみな従順でいかにも50年代に南部人が理想とする黒人像でしかない、と文句を付けているんだろうと思います。たしかにキング牧師は話の中に出てくるけれども、従順ではなかった黒人たちが戦った公民権運動については全く触れられてはいません。というか、30年に及ぶストーリー展開でも政治に関する描写はほとんどなく、それは脚本家があえて選んだストーリーテリングじゃないかと思います。その代わりにミス・デイジーと彼女を取り巻く限られた人たちだけの小宇宙にストーリーを限定した脚本、そしてホークが運転する車の変遷を巧みに織り込んで南部黒人社会の歩みを観客に理解させる巧みさは脱帽です。知的ではあるがユダヤ人としてのアイデンティティに頑なに固執する母親、宗教には無関心でキリスト教徒と結婚して一緒にクリスマスを祝うリベラルな息子、とジェシカ・タンディとダン・エイクロイドの親子関係も緻密に計算されています。聞くところによると南部のユダヤ系白人は伝統的に黒人差別意識が強かったそうでミス・デイジーはその類型からはちょっと外れているようにも見えますけど、黒人使用人に接する態度は日本人にはとても尊大に感じます。たとえが悪いかもしれませんが、それはまるでペットや家畜をしつけるような感じで、そんなデイジーが最後にはホークを大切な友人として慕うまでになる、これはミス・デイジーの成長物語でもあるわけです。 映画の出来は別にして、アメリカ南部を舞台にした映画には不愉快な気分にさせられることが多いのですが、本作では「人間っていいなあ」としみじみ感じることができました。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-03 23:14:23) |
142.《ネタバレ》 ほのぼのと暖かいツンデレストーリーでした。 モーガンフリーマンの演技が光ってました。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-05-28 13:17:19) |
141.淡々と進む超ヒューマン系。 いい映画だとは思うけど退屈過ぎた。 デイジーの頑固さの中にも人を想う優しがあり逆に美々しい。元教師も麻雀やるんだ。あの形式は中国式? フリーマン、あんたは何の映画でも画になる最高の助演。 息子さんはママのワガママに振り回されるが口喧嘩することもなくママに愛を持って接している。本当によく出来た息子さんだわ。 |
140.べ、別にクリスマスプレゼントなんかじゃないんだからね! 【Jar_harmony】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-04-18 19:03:12) (笑:2票) |
139.ある一定のテーマを持って作られているようだが、何をテーマにしているのかは分かりにくい。 老い、人種差別、裕福、とかいろいろとあるが、古き良き時代(良いとは言えないかもしれないが)を表現したものとして淡々と続いていく。だからこそ、この作品に接する時の自分の状況によって観方が変わる、そういったちょっと不思議だが良い映画。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-30 22:28:48) |
138.《ネタバレ》 劇場で観たときは若かったせいか、この映画の魅力がわかりませんでした。今回、20年ぶりの観賞で、これほど可笑しくて感動した自分を発見でき、心底良い映画を観たなぁって思っています。 冒頭のお婆ちゃんが、車をバックさせてしまうところから、掴みはOK! モーガン・フリーマン演じるお爺ちゃんも、あの独特な嫌らしい笑い方には、こちらも笑いを誘われてしましました。 ジェシカ・タンディ演じる、お婆ちゃんが、3個1ドルのサケ缶が一つ無くなっただけで、大騒ぎするところは爆笑してしまいました。 黒人の老人とユダヤ人の夫人のアラバマ旅行、私は最近「アラバマ物語」を観ていたので、夜のシーンは怖かったです。 アカデミー・メイキャップ賞を獲っただけのことはあります。ジェシカもモーガンもダン・アイクロイドも、どんどん歳を取っていく。 車が変わっているのにも気が付きました。 劇場で観たとき、モーガン演じる運転手が字が読めないのに新聞を読んでいる(見ている?)シーンが印象的だったけど、それは今回も同じだった。 家も売却され、お婆ちゃんもいなくなったと思ったら、そこまで終わりにさせなかったところで、エンドマークを打ったところも感動を呼びました。 現在、DVDも入手不可能ですが、いつかブルーレイで、完全吹き替えとボーナストラックをつけた状態で再発してもらえることを、切に願います。 小ネタてんこ盛りの最高の映画です。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-05-21 16:20:30) (良:1票) |
137.《ネタバレ》 静かで穏やかな物語。 口うるさい偏屈なお婆さんがとてもリアルに描かれている。 気のいい黒人運転手を徐々に受け入れていく様子が微笑ましく温かな気持ちになるが、ストーリー的に起伏がなく盛り上がりには欠ける。 【飛鳥】さん [ビデオ(吹替)] 5点(2014-04-11 20:24:07) |
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136.徐々に距離が縮まっていく2人の関係を、様々な重い問題を堅苦しくなく織り交ぜながら、素敵に描いた良い作品です。シンプルな話なのに飽きることもなく、意外な展開もないのに目が離せませんでした。見終わったあとは、心が成長したような気分でした。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-28 20:52:42) |
135.《ネタバレ》 ユダヤ系未亡人と黒人運転手の友情を描いたこの映画、確か大昔に一度見たことあるはずなんだけど、こんなにステキなお話なのに全然印象に残ってなかったってことは…当時のアタシが若すぎたのね、きっと。 「あなたは一番のお友達よ」っていうセリフも感動するんだけど、アタシ的にはじんわり響くラストシーンが一番のお気に入りよ。 実の息子をさっさと厄介払いしてホークとの時間を楽しもうとするMissデイジー、大昔の会話とまったく同じやりとり…25年の歳月をかけて少しずつ心を通わせていった2人の絆の深さがホントよくわかるわ。 偏屈ばあさんに根気よく付き合ったホークも器がデカくてとっても立派だし、口ではなんだかんだ言いつつも実は人種関係なく本質をしっかり見てたMissデイジーも、あの時代のアメリカ南部の老人にしてはずいぶん進んでると思うのよね。 それにしても当時80歳のジェシカ・タンディ! 痴呆症にかかってからのMissデイジーなんて、ほんとにジェシカ・タンディ自身がボケちゃったんじゃ…って周りも気が気じゃなかったに違いないってくらい迫真の名演技だし、モーガン・フリーマンの大らかな雰囲気も相変わらず味があってとってもステキ。何気にダン・エイクロイドもいい仕事してるし…ホントよくまとまった感動作よね。 もうちょっと年とってからまた見てみたいわ。 【梅桃】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-14 17:50:13) (良:1票) |
134.《ネタバレ》 決して破綻する事の無い、抑揚の効いた場面をキメ細やかに紡いだ良心的な作品。 初観賞は23年前の映画館、23年間の年月を経て、私の本作に対する感想は「外国のとあるお祖父さんとお祖母さんの話」から、「自分に置き換えたらどうなるか?」と言うこれからの自分自身の人生を考えさせるものに変わっていた。 一本の作品に対する感想は年月を経て確実に変化する。それは対象となる作品が素晴らしいものである程、自分自身が驚く位に。 これぞ映画の醍醐味。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-07 13:52:39) (良:1票) |
133.人種差別やユダヤ人に対する偏見、老後問題などを扱いながらも、大上段に振りかざさず、静かに淡々と進む流れがとても良い。その効果を高めているのがハンス・ジマーの音楽だ。時にはなつかしく、時にはさびしさを交え、実に印象的。そして何と言っても主役の二人、ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンの演技のうまさが光る。もはや演技というより、デイジー老婦人と運転手ホークそのもので、実にぴったりとした役作りだ。映画全体もすばらしく、何気ない小さなシーンの連続だが、見終わった後の感動がしみじみわいてくる映画だ。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-12-15 08:03:07) |
132.《ネタバレ》 ユダヤ人のお婆ちゃんと黒人運転手の交流を描く、それもかなりの歳月に渡る物語なんだけど、お婆ちゃん役のジェシカ・タンディ80歳、最初から最後まで“お婆ちゃん”なので、歳月を表現する手段がどうしても「禿げていくダン・エイクロイドの頭」となってしまう(もちろん、特殊メイクなので、「何か、変」と言いたくなるけれど、これは言わない約束です)。でまあ、お婆ちゃんの方もお婆ちゃんなら、運転手の方もそれなりのお歳、その交流はどこか、子供同士のように、意地を張ってみたり妙に暢気であったり。人間、外見は大人になっても中身なんて成長しないもの、中身は子供同然。それを隠そうとするのが大人、隠す必要がなくなったのが老人。二人の間に挟まれる息子の立場が大変なんだけど、しかも彼のキャラ、ちょっとイイ人過ぎなんだけど、その息子の役をダン・エイクロイドがあくまで道化役として演じているのが良いですね(髪型が変だけど。しつこいってか)。そういう、人と人との交流を描く映画、それも人種差別などの社会問題を織り交ぜた映画なんですけれども、一方で、花や木々の緑といった風物をうまく取り込んでいるのも見逃せません。誰もいなくなり、売りに出された「家」の中の、ガランとした映像も忘れられません。で、お婆ちゃんは老人施設に入り、こちらもすっかり老人となった運転手との間には、もはや息子の介在は必要とせず、しっかりとした絆で結ばれている。二人並んだ時のお婆ちゃんの表情はますます子供のように、初恋の少女のようになっていく。人生の最後を「始まり」として描く、何と素敵な作品ではないですか。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-08-12 08:06:30) (良:3票) |
131.《ネタバレ》 人種差別。貧富の差。老い。 様々なテーマを抱きながら、デイジーとホークの人間関係の在り方は、そういった諸問題をあっけなく超越していきます。 二人の関係は、最も単純な人と人との関係。 その関係を象徴するデイジーの「あなたは友達よ。」のたった一言のせりふ。 泣きそうです。 難解になりそうなテーマに、起伏の穏やかなストーリー。 にもかかわらず、堅苦しくならないのは、ひとえに二人の役者さんの演技がすばらしいのと、脚本なのかなぁ、と素人ながらに感心。 お墓のシーンやラストシーンは特にぐっときます。 もはや運転手ではないホークに、「あなたはまだお給料をもらっているの?」と尋ねるデイジー。 真偽のほどはともかく「はい。」と答えるホーク。 ああ、この人はたとえ車を運転していなくても、ずっとずっとデイジーの運転手なんだと気づきました。 もし本当にお給料をもらっているのだとしたら、ブーリーもなんて素晴らしい息子なんだ! 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-06-02 12:20:55) (良:1票) |
130.人生ってシンプルでいいんだ。運転手を必要とする者と、仕事を必要とする運転手がいれば雇用成立。最初のBと最後のRが分かれば、バウアー解読。感謝祭にはサンクスギビングパイを食べる。それでいい。それが人生。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-23 17:46:48) |
129.淡々とした優しさ、さりげなさにあふれたしみじみ良い映画。年老いてから良い友人に恵まれたミス・デイジーが羨ましい。ラストシーンにはしびれました。 【tottoko】さん [地上波(吹替)] 7点(2012-03-24 01:51:06) |
128.決してドラマチックな展開があるわけではなく、淡々とした流れなのに面白い。 頑固おばあちゃんと穏やかな性格の雇われ運転手との交流シーンは、よもすればコミカル、 かつほっくりとさせてくれて、最後まで飽きることなく鑑賞できた。主役二人の俳優さん、 ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンはまさに適役。一応人間ドラマなんだろうけど、 堅苦しさやアクがないのでとても観易い。さりげなく描かれた不思議な友情が、 静かな感動を与えてくれる逸品。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-21 04:30:10) |
127.悪い人が一人も出てこない映画がだった。 こういう友情もきっとあるんだな。 読み書きを教えながら仲良くなっていくのかと思ったらそうでもないし、 どこかがすごく盛り上がるわけでもないけど、 アラバマに入ったあたりの雰囲気はとてもよかった。 もっと年をとってからまた観てみたい。 |