3時10分、決断のときのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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3時10分、決断のとき

[サンジジップンケツダンノトキ]
3:10 to Yuma
2007年上映時間:122分
平均点:6.95 / 10(Review 82人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-08-08)
ドラマサスペンスウエスタンリメイク小説の映画化
新規登録(2009-06-20)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2017-07-31)【+】さん
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監督ジェームズ・マンゴールド
助監督ニコラス・マスタンドレア(第1助監督)
キャストラッセル・クロウ(男優)ベン・ウェイド
クリスチャン・ベール(男優)ダン・エヴァンス
ローガン・ラーマン(男優)ウィリアム・エヴァンス
ベン・フォスター[男優](男優)チャリー・プリンス
ピーター・フォンダ(男優)バイロン・マッケルロイ
ヴィネッサ・ショウ(女優)エマ・ネルソン
アラン・テュディック(男優)ドク・ポッター
グレッチェン・モル(女優)アリス・エヴァンス
ダラス・ロバーツ(男優)グレイソン・バターフィールド
ルース・レインズ(男優)ウェザース保安官
レニー・ロフティン(男優)グレン・ホランダー
ジョニー・ホイットワース(男優)ダーデン
ケヴィン・デュランド(男優)タッカー
ルーク・ウィルソン(男優)自警団 ジーク
山路和弘ベン・ウェイド(日本語吹き替え版)
檀臣幸ダン・エヴァンス(日本語吹き替え版)
桐本琢也チャーリー・プリンス(日本語吹き替え版)
有本欽隆バイロン・マッケルロイ(日本語吹き替え版)
小林さやか〔声優・1970年生〕アリス・エヴァンス(日本語吹き替え版)
原作エルモア・レナード(原案)
脚本マイケル・ブランド
デレク・ハース
音楽マルコ・ベルトラミ
撮影フェドン・パパマイケル
製作キャシー・コンラッド
ライオンズ・ゲート・フィルムズ
製作総指揮スチュアート・M・ベッサー
美術アンドリュー・メンジース(プロダクション・デザイン)
衣装アリアンヌ・フィリップス
編集マイケル・マッカスカー
録音ポール・マッシー[録音]
その他スチュアート・M・ベッサー(ユニット・プロダクション・マネージャー)
アレクサンダー・マッケンドリック(サンクス)
あらすじ
「3時10分発、ユマ行き」の列車で、刑務所へと護送される事になった悪名高き強盗団のボス、ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)。200ドルの報酬で護送役を引き受けた貧しい牧場主ダン(クリスチャン・ベール)。護送の道中、それまで全く異なる道を歩んできた二人の男の間には、次第にある種の連帯感が芽生えてゆく。ベンの手下たちは、ボス奪還を狙い魔手を伸ばす。列車到着時刻午後3時10分まであと僅か。二人が下した「決断」とは?デルマー・デイヴィス監督異色秀作ウエスタン『決断の3時10分』(1957)のリメイク。
ネタバレは禁止していませんので
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82.《ネタバレ》 何という素晴らしさなのだろうか。正に、視線の、まなざしの映画だ。
何よりも、人々が向けるまなざしを見ているだけで、すーと吸込まれてゆきそうで、そしてそこから伝わってくる彼らの気持が体内に染込んでくる。だからこそ、単純なカットバックが幾度となく繰り返されるのだが、それだけでも充分なくらいの物語が構築されている。

ラッセル・クロウ演じるベン・ウェイドがクリスチャン・ベール演じるダン・エヴァンスに馬乗りになりながら首を締め付けるのだが、ダンの、金ではなく妻や息子たちに自分の誇りある姿をもう一度示したいのだ、という本心をベンは知り、物語はそこから一転し、彼らが屋根の上を伝いながら、ユマ往きの汽車が滑り込んでくる駅舎まで駆け抜けて行く様などは、もはや涙なくしては見ていられない。この瞬間、善悪などというものなど一切断切れ、あえて言うのであれば、それは絆や友情、そして誇りというものを懸けて、男ふたりが激しい銃撃のなかを駆け抜けて行く。このふたりが何かひとつのものを目指して共に駆け抜けて行くということなど、映画の中盤からでは想像だにつかない。にもかかわらず、ひとつのフレームの中でふたりが駆け抜けて行く姿たるや、見事という他ないだろう。

ラスト、息子のウィリアムがベンに銃口を向ける。この時の彼のまなざしの変化がまた素晴らしい。彼はベンと知り合ってからベンを憧れのまなざしで見つめていた。しかし、この時のまなざしは怒りそのものであり、いつ引金を引いてもおかしくはないのだ。しかしウィリアムは、無法者ベン・ウェイドをユマ往きの列車に乗せた父を心から誇りに感じた。だから撃たないのだ。何故なら、彼はまたその誇り高き父の継承者だからだ。
ただ、ふたりが対峙した瞬間、ベンはウィリアムにまなざしという拳銃で撃たれていたのだ。
だからこそ、そのまなざしを受けたベンのまなざし、この素晴らしさには計り知れないものがある。
ベンは誇りという絆で結ばれたダンの敵を暴力に任せ解決してしまうのだが、また同じく父と漸く誇りで結ばれたウィリアムはその暴力を自ら抑制する。ダンはその時思うだろう、誇りという事の尊さを。
そしてダンとの絆、あるいは彼の誇りに懸けて、ベン・ウェイドは、3時10分、ユマ往きの列車に自ら乗り込んで行くのだ。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 9点(2009-08-10 02:46:54)(良:3票)
81.《ネタバレ》 オリジナル「決断の3時10分」(9点)はモノクロで地味な作品ながら、これまで観たウエスタンの中でも五指に数えるほど大好きな映画。それがリメイクされたと聞くや否や、封切日が待ち遠しくてたまらず、公開日初日仕事の後、都内唯一の封切館「新宿ピカデリー」最終回に足を運んだ次第。興奮さめやらぬまま、映画館近くのネットカフェに駆け込んでこのレビューを書いてます。うん!!これはオリジナルと殆ど謙遜のない優れた出来栄えのウエスタンっす!!歩んできた道は違えど、確固たる自分の論理に従って生きる男二人の、丁々発止の心理戦のやり取りが全編にわたって繰り広げられています。ストーリー展開はオリジナルをほぼ踏襲。大きく異なる点、居たか居ないか覚えてない位の薄い存在だった牧場主ダン(ベール)の息子が、活躍の場を大いに与えられている事。これによって、息子の成長がサブストーリーとして大きなウエイトを占める事に。次に、対立しながらも奇妙な連帯感で結ばれていく主役二人の人間性が、より深い次元まで掘り下げられている事。演じる俺様ラッセル&クリスチャン・ベールは、どちらも大人の男の色気満点で惚れ惚れしてしまいました。そしてそして、最後に問題になるのが・・・ラスト結末の処理・・・。これがオリジナルとリメイク版最大の差異なのかなと。全体としては甲乙付け難いけれど、う~ん・・・、ここの部分についてだけは・・・、残念ながら俺はオリジナル支持ですね。悩みつつも8点に留めたのはそれが理由。進学、就職、転職、帰郷、結婚、離婚etc、人生「決断のとき」を眼前に突きつけられ選択を迫られつつある(←自分もその一人)ある程度、人生経験を重ねた男性諸氏に観てもらいたい映画。女性観客なんてハナっから当てにしてないぜっていう、クールなタッチの演出に痺れました。いい素材と役者さえ揃えば、優れたウエスタンをまだ作る事が出来るって自分は確信しました。ウエスタンっていうジャンルをこのまま死なせる事がないように・・・。
放浪紳士チャーリーさん [映画館(字幕)] 8点(2009-08-09 00:14:11)(良:3票)
80.《ネタバレ》 オリジナル『決断の3時10分』は未見(TSUTAYAになくて...)ですが、西部劇は大好き。言うほど観てるわけじゃないのですが。アメリカでは興行的にも批評的にも最近の西部劇としては異例の大ヒットとなった本作、決して一般ウケするものではない西部劇で大成功をおさめたのは、きちんと“今この作品をリメイクする事の意義”を考えて作られた作品だからではないだろうか。今や全くと言っていいほど受け入れられなくなった西部劇。
そこで本作のオリジナルの大ファンだというジェームズ・マンゴールド監督は現代に通ずる、求められているテーマを盛り込んできた。
まず、娯楽要素満載の派手なアクション。冒頭からガトリングガンをかまし、早撃ちもあり、アパッチ族に襲われ、中国人労働者がつくるトンネルを駆け抜ける。この辺監督自身もかなり楽しんでる気がする。
何よりも、劇中饒舌なまでに語られていくウェイドとダン、そしてその息子ウィリアムの関係。
息子に何を伝えられるのかを模索し、己に誇れるものを求めるダンと、その姿を見届けようとする息子の父子の物語であり、強盗団のボスながらも、誰一人として信頼しないウェイドが初めて信頼に足る男と向き合ってみる物語なのだ。
また面白いのは、ウェイドが聖書に取り憑かれながらも無神論者、という所。何事に対しても心から楽しんでる様子ではなく、どこか『暴力脱獄』のルークのような自由奔放な性格を思わせる。
終盤、ダンはウェイドを護送する必要性をどんどん失っていく。牧場には雨が降り始め、200ドルもらって逃げ帰る事も出来たし、ウェイドはユマの刑務所から2度も脱走を遂げていると言う。しかしダンはもはや完全に吹っ切れている。例えここで死ぬ事になろうとも息子が誇れる父の姿を伝えよう、何より自分の誇りを取り戻そう、と。
その姿にウィリアムもウェイドも心を動かされていく。
ラスト、ウェイドはダンよりも遥かに付き合いが長く従順なチャーリーたちを撃つ。彼にとっては、ダンこそが自分と初めて向き合った人間だからだ。
まだまだ西部劇も捨てたモンじゃねぇぞ!と思わせてくれる傑作でした。
Sgt.Angelさん [映画館(字幕)] 9点(2009-08-08 22:36:10)(良:3票)
79.《ネタバレ》 本作中のラッセル・クロウを形容するいい言葉が思いつかないのだけれど、あえて言うなら人格者だろうか。決して品行方正で道徳心に溢れた人物ということではない。他者の気持ちを汲み、時にはそれに応えることができる度量のある人物という意味です。私の中では、モンキー・D・ルフィなんかもこのタイプに入ります。父親は息子や家族に対して、一家の主としてのスタンスを築きたかった。今回の護送も正義感の申し入れではない。家族に尊敬されたいが8、借金の足しが2、くらいの割合だろう。妻や息子が悪人に対して憧れに似た興味を持っていることは感じており、その悪人と対等に渡り合う仕事が失地回復に繋がると思料した。悪人は取り引きを持ちかける。400ドルも積めばなびくと思われた父親は1000ドルでも首肯しない。父親が欲しかったのは「誇り」。それは札束では買えない価値で、父親は命を賭してもそれが欲しかった。父親の心情は悪人を刺激する。その背景には、恐らく悪人の両親との辛い過去が関係する。悪事を重ねることで自分の「誇り」を築いてきたことも関係する。金銭価値とは無縁の「誇り」だからこそ、悪人を揺り動かしたのだと思う。ラストシーンで悪人が仲間を撃ち殺したのは、父親の敵討ちではなく列車に乗るためだ。父親の仕事を完遂させ、息子に贈りたかったのだ。その為に自分を助けに来た仲間を皆殺しに出来るのも、この悪人の特殊な人格ゆえだろう。本作は父親が「誇り」を獲得する物語。その価値を評価し尊重する役割を、奇しくも護送される悪人が担う。対照的に思えた二人の男の価値観に接点が生まれた時、テーマが浮上しました。他者の奥底の想いを汲み取る行為は尊いです。
アンドレ・タカシさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-11-25 00:57:13)(良:2票)
78.《ネタバレ》 南北戦争後、鉄道網が広がり、資本家が大手を振り出し、悪玉も善玉も一匹狼は時代遅れになってきつつある。ベンは徒党を組んではいるが一人で判断していくボスの孤独があり、ダンも孤独な家長。その滅びゆく一匹狼同士が、ひそかに友情を感じあうってとこが何よりの眼目で、ラストの二人になるまでのいささかもっさりした展開は全部序幕と思っていい。駅近くの一室の場からが本番。じわじわと買収に掛かるベン。妻の尊敬を受けられるぞ、などと弱みをしっかり狙っている。でも陰湿さが感じられないのは、すでにダンへの肯定的な興味を持っているからだ。番長がまじめなクラスメイトに気の合うものを感じてしまい、遠回しに悪ぶりつつ友情を告白しているような照れすら感じられる。そこに護送の保安官たちがやってきて、これがいかにも人格者的な風貌をしているのが、その後の展開の効果を挙げている。ベンを救出に来たならず者たち、簡単に買収される群衆って設定が怖くもうまい、ここで群衆とダンが対比される。駅に走る二人、ダンがベンを護送しているのか、ベンがダンを護衛しているのか。途中の小屋で「もうせがれは見てないぞ」と言うベンに、ダンが脚の傷の原因を言う。ここらへんたまらない。粗筋だけ取り出すと、臭い話と思われてしまいかねない展開を、シナリオが丁寧なので、ベンの心情が表情の変化だけで実によく理解できる。おそらく生まれて初めて尊敬できる友情を感じたのだろう(聖書に描かれたスケッチ)。だからその後の行動が不自然でない。友人を殺した者に対する憎しみは、仕事仲間としての感情に勝るのだ。まるで撃たれたいように立ち尽くすベンもいいが、ダンの仕事をきちんと完了させてやってから鳴らす口笛が、粋にキマっている。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-14 12:07:18)(良:2票)
77.《ネタバレ》 西部劇は苦手なんです。劇場で西部劇見たのがたぶん、バック・トゥ・ザ・フューチャーだと思うくらい、昔。でもクリスチャン・ベイルに釣られて見てしまい。号泣しました。タオルハンカチがヨレヨレになるくらい。西部劇って画面を見ているだけで乾燥肌と喉が乾きそうになるのですが、これは違ってました。なんせ格好いい。渋い。実に男の美学なんですね。物語自体は案外簡単ですが、まぁーラッセル・クロウのジトッ湿った演技に感動してしまい。終盤の新しい仲間と・・・なんてセリフあたりからもう号泣してました。yumaという地名が印象的になりなんだか西部劇ファンになりました。こんな良い映画はもっとPRするべきです!
成田とうこさん [映画館(字幕)] 9点(2009-11-20 23:17:43)(良:2票)
76.《ネタバレ》 名作のリメイクだそうだが、こりゃ正統派な西部劇ではなかろう。カオスだ。なんてカオスなシナリオなんだ。
【以下思いきりバレ】
私はウェスタンについてまったく無知なのだが、いったい何をもって名作とされたのか。まさかキワモノとしてではなかろうか、と思えるほど、私は感動とは別種の感興を得た。
連行される途中でクロウが護衛の保安官をフォークで殺すのだが、殴られただけでたいした制裁も受けず普通に連行され続けるところがまず変だ。さらにクロウがまた一人殺し脱走しかけるのだが、にもかかわらずまだ手錠されただけの措置であるのがまた変だ。この映画は容疑者人権保護の喧伝のために作られたのか(この調子でもし護衛が一人もいなくなったらどうしようと思ったが、さすがにそうはならなかった)。
極めつけはクライマックス。何十人を相手に銃撃戦をするというカオスな破目に陥った主人公は、なぜ自分が逃げずに良心を貫き通すかを説明するのだが、状況が状況なだけに無理ありすぎである。そしてそれを聞いて納得した(?)クロウは銃弾の飛び交う中、なんと自分を獄中へ連行する列車へ自ら走り出すのである。ひと言「やめろ」と叫べばすむことなのに。さらにラスト、結局主人公が射殺されると、クロウは自分を救った手下たちをいきなりぶち殺す。ああ、なんてカオスな。このカオスさを乗り越えて何かを感じることは私にはできない。
つーかまあ、殺人鬼に対して一種のヒロイズムを感じることを強いるというひどい作品なのであるが、なんか徹底しているのでB級でも名作と感じる人は感じるのではないかな。
アンギラスさん [映画館(字幕)] 5点(2009-08-16 19:40:05)(良:1票)(笑:1票)
75.《ネタバレ》 個人的には狙ったわけではないが、「3時10分」から始まる回を鑑賞。
劇場の方は完全に狙っているだろう。
世間一般でも絶賛されている本作だが、なぜか上手くハマれなかった。
オリジナルを見ていなければ、もうちょっと高い評価をしたかもしれない。
予習用にオリジナルを見た直後に鑑賞したのが完全に裏目に出たようだ。
人間ドラマに焦点をあてて、西部劇らしからぬ西部劇だったオリジナルの良さに惚れこんだが、派手でありがちな西部劇に変化させてしまったことが引っ掛かってしまった。
オリジナルでは、冒頭の強奪の際に双方に多くの死傷者が出るほど派手な銃撃戦はない。
アパッチ族も出てこなければ、トンネル爆破もない。
護送中にベンが護送をしている者を殺すこともなければ、金目当ての住民から撃たれることもない。
派手さを“時代”が要求しているのかもしれないが、そういったことをしなくても良作ならば、観客は付いてくるのではないか。
派手な撃ち合いがあること自体に対して非難するつもりはないが、ベンという男に対して“感情移入”を妨げるような結果に繋がっているような気がする。
オリジナルでは意外と紳士だったベンは、このために極悪非道ぶりを露呈せざるを得なかった。
油断したといって仲間を殺したり、ブチ切れて次々に殺したり、訳の分からない奴に恨みを買われたり、助けに来た仲間を殺したりと、彼には“良心”がなく、はっきりいって好きにはなれないキャラクターだ。
ダンの“名誉”のために最後の列車には乗ったものの、馬を呼んで脱獄する気が満々というのもいかがなものか(これでは皆が無駄死になる)。
このような無法者の犯罪者と貧乏な牧場主では“友情”や“絆”は築かれないのではないかと思う。
オリジナルではベンはダンの姿に、成れなかった自分を投影していたが、ダンの“名誉”を守るほどの関係性がオリジナルほど深まっていないような気がした。
オリジナルではそれほど出番のない息子をクローズアップして、「自分に対する誇り」というテーマを重要視している。
そのテーマには惹かれるが、名誉ある“死”が心の中で上手く整理することができず、“感動”に繋げることができなかった。
自分自身に対する“満足”、自分に対して軽蔑の念を抱いていた息子や妻へ“自分の生き様を刻み付けた”という意味のある“死”ではあるが、ちょっとすっきりしないオチでもある。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 6点(2009-08-16 01:50:22)(良:2票)
74.《ネタバレ》 なんてこった号泣だ。なんといってもジョン・ウェイド演じるR・クロウの演技が白眉。彼は凶悪犯なのだけど、キレて手に負えない人物ではなく(この辺は手下のチャーリーが一手に引き受け)話はきちんと通じるしむしろ知識・経験が豊富で器の大きさすら感じる。おまけに笑顔がチャーミングでつまり人間としての魅力に溢れてる・・んだが、自らの中で整合性がとれるといきなり隣の人間を惨殺する道徳の無さ。そのウェイドがおそらく人生で初めて敬意に近い感情を抱くのがダン。ダンが息子のために人間としての矜持を示そうと決意した場面から涙腺決壊。究極の状況の中、ぽつぽつと心の一番痛い箇所を告白するんだけど、その話もいちいち泣かせるんだ。始めは14才らしく、不良なことに憧れてたお兄ちゃんが、世の中の黒いも白いも勉強させられて成長していく姿も良い。最後に銃口を下に向けたお兄ちゃん、あっぱれです。ああもうハンカチ乾いてるとこない。忠犬のごときチャーリーが哀れといえば哀れ。
tottokoさん [DVD(字幕)] 10点(2011-08-26 18:20:42)(良:1票)
73.理屈じゃないんだよ、漢が漢に惚れるのは!
長谷川アーリオ・オーリオさん [DVD(吹替)] 9点(2011-06-03 02:45:15)(良:1票)
72.《ネタバレ》 多額の借金を抱えた上に長引く干ばつによってその返済の目途も立たない、さらには鉄道会社に大事な土地を奪われそうな状態にあり、身体的には戦争で足を不自由にし、長男からは腰抜け、嫁からは負け犬と思われていて、おまけに次男は重病持ち、、、主人公ダンの境遇はいくらなんでも酷過ぎるでしょう(笑)。そんな切羽詰まったお父さんが、家族を幸せにするため多額の報酬を得られる囚人護送に参加する物語なのですが、家族のためならお父さんはいくらでも泥にまみれるし、身の危険だって厭わない、無口なダンの背中から漂うそんな思いにはグっときました。お父さんというのは奥さんや子供が思っている以上に家族の幸せを願い、もし家族が幸せでなければ自分を責め、そして家族の幸せのためならいつでもわが身を危険に晒すことができる健気な生き物なのです。そんなお父さんの律儀な思いがこの映画では十分に表現されていて、それだけで涙が出そうになるくらいに感動します。毎年父の日には、日曜洋画劇場でこの映画を放送して欲しいと思ったほどです。また、凶悪犯ウェイドを目の当たりにして危険な仕事であることを認識したダンの奥さんが、旦那に対して「護送団からは降りるべきよ」と言う場面も妙にリアルでした。毎日仕事でボロボロになって帰ってくる旦那に向かって「そんな辛い仕事なら辞めちゃえば」と言うアレです。家族を養うというのは、身近にいる奥さんですら想像できないくらいに大変なことなんですね。。。カッコ悪くても家族のために必死で仕事をするお父さんと、派手に生き、金と自由を謳歌するアウトローとの対比が前半で描かれるのですが、後半になると映画は男と男の物語にシフトします。牧場には念願の雨が降り、さらには護送を完了しなくても200ドルやるという提案までなされ、ダンがこの仕事に命をかける理由がなくなります。家庭人であれば、このまま金を受け取って帰ってしまえばいいのです。しかし、ダンは男として息子に情けない姿を見せたくない、そして自分自身のプライドを取り戻したい、自分は負け犬ではないことを証明したいという思いから、この大仕事を最後までやり遂げようとします。その思いに乗ったウェイドとともに大勢の敵が待ち構える駅へ走り出す様は男泣き必死の名場面で、盛り上がるドラマ、高鳴る音楽、腹に響く銃声、良い映画を見たな~という気分を存分に味わうことができます。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 9点(2010-09-18 20:40:29)(良:1票)
71.《ネタバレ》 西部劇を劇場で観るのは初めてだったと、気づかされた。幼少期に出会ったジョン・ウェインもイーストウッドも「金曜ロードショー」のTV画面の中だ。
本作のオリジナルは当然未見。
「生きている限り、人を殺めてしまう生地獄を味わう男」の葛藤を、ラッセル・クロウが見事に表現している。本来は悪役が似合わないであろう彼が、「悪党になりきったはずの善人」を演じる事で、観客はラストに向けての展開に胸ときめかせる。果たして彼は、親子を見殺しにするのか否かと。
その彼の生地獄に一筋の光明をもたらしたのが、生い立ちは違えど幼少期の自分に瓜二つの少年であり、彼はその魂に“救い”を賭けた。
西部劇にスターは一人で良い!とにかくカッコよければ良い!ベン・ウェイドという男の物語として、すっかり私は取り込まれてしまった。
痛快・衝撃・落涙のラストシーンに、昔の「シェーン、カムバック!」以来の感動を呼び戻してもらった。
つむじ風さん [映画館(字幕)] 10点(2009-11-16 03:31:04)(良:1票)
70.オリジナルほどの男同士のせめぎあいに見られる緊張感を持ってはいなくとも観客が喜びそうな派手なガンアクションは見せてくれる。この安易な展開になぜか心躍るのである。「西部劇」を新作で見る。ただそれだけで嬉しいと思わせてくれる。主人公が信念を貫こうとする源泉に「家族」がいる。オリジナルはその中でも「妻」こそにこの男気を見せようとする。リメイク版ではそれが「息子」に変わる。ただ変わるだけでなく息子が帯同することから生まれるドラマが加わる。このあたりはいかにも現代の映画だなと。正直くどい。主人公の無謀な行動を観客に納得させるためのあれこれを匂わせているのだが、元来「西部劇」の衰退は、何故殺すのか、何故奪うのか、何故決闘するのかをいちいち説明しなくちゃならない現代の映画環境のせいというのもあるんじゃないかと思ってるんだけど、いくらその説明をさりげなくやったとしてもそれは「父と息子」のストーリーを面白くさせるだけで映画が面白くなるわけじゃない。一方ラッセル・クロウの描き方がいい。何をするにも説明がほとんどされない。されなくてもなんの問題もない。また悪党として魅力的な顔をしている。何はともあれこれを切欠に絶滅したはずの「西部劇」が復活してくれたら嬉しい。
R&Aさん [映画館(字幕)] 6点(2009-10-26 17:35:54)(良:1票)
69.《ネタバレ》 タイトルから近代的なアクションサスペンスを想像して観始めたら、なんと西部劇。

前半は、それ特有と言うべきか、展開にスピーディーさを欠き、
少々退屈な感じがあった。

ただ、後半、特に終盤にかけては、一転、なかなかに目まぐるしい展開。
まさか両者の形勢が逆転するとは思ってもみなかったし、食い入るように見入ってしまうほど。

主役2人が対極にありながら、それぞれ強い信念を持ちつつ、
最終的には互いに認めあっていく。

個人的にラストに関しては、後味が悪すぎず、かといってご都合主義になりすぎない、
あの感じが一番しっくり来て、ベストなのではないかと思った。

ベンが自分を助けに来たはずの味方を問答無用で撃ち殺し、自ら列車に乗り込んだのも、
それだけダンの信念・勇気・行動に心を突き動かされたからであって、違和感はあまりなかった。
ベンはそういう人間。

主役2人の演技は両方良かったと思うけど、
特にラッセル・クロウが、役柄も良かったと思うが、かなりいい味を出していた。

鑑賞後、リメイクであることを知りましたが、よくできていたと思います。
2年で12キロさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-25 22:02:00)
68.何の予備知識のないまま見たのですが、非常に面白かった。
もう、西部劇というと、用心棒だったりがドンぱちやるくらいのイメージしかなかったのですが、こちらは全然違ってました。
まあ、ある意味現代風の刑事物とかそいうのの設定を西部劇に置き換えただけと言ってしまえばそれまでなのですが、
これなら西部劇にアレルギーを持っている人でも楽しんでみることができると思うような面白い作品でした。
シネマファン55号さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-01 00:05:25)
67.《ネタバレ》 オリジナル版は未見。地味そうなので見るのをためらっていましたがついに鑑賞。結果的には想像していたよりもかなり楽しめました!ただし難点もチラホラ見られるので、皆さんがおっしゃるように惜しいなといった印象も強く残ってしまう残念な映画でした。

まず、ダン・エヴァンス(クリスチャン・ベール)が男前なのでダメ人間に見えない。そしてベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)はやっぱりイイ人に見える。いや、実際にはリアルでは性格にかなり難アリの問題児だそうですが、見た目から意外とインテリジェンスが感じられて悪そうに見えないのがちょっと残念でした。反面、チャリー・プリンス(ベン・フォスター)が一見するとチャーミングな愛されキャラに見えて、油断していると実は極悪非道という二面性をウマく表していて素敵でした。
キャラの見栄えの問題もさることながら一番は脚本の詰めの甘さです。ピーター・フォンダ扮する賞金稼ぎ(探偵)に関しては「俺を生かしておいたら後悔するぞ」と言っておきながらあさっり無駄死にします。また、女性陣がやたら美しい割りにただのお飾りにしかなっておらず意味深なセリフのみで非常に勿体なかった。そして最も残念だったのが皆さん同様にラストです。アレではせっかく今まで貫いてきた知性のウェイドもただ気分屋の変態に成り下がってしまいました。彼の気持ちは理解できますが、それでもわざわざ助けにきてくれた部下をああもアッサリ・・ これは無理があり過ぎました。そもそもホテルの部屋から「お前らは一切手を出すな、ボスの俺に任せておけ!」で済んだ話ですよっと。

全体的に見渡してみると、息子ウィリアム(ローガン・ラーマン)とダンとの物語は非常に良かった。文句のつけようがなかった。そしてウェイドの佇まいと迫力、絵と聖書の伏線も素敵だった。しかしラストがねぇ・・ 以下略。
アラジン2014さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-29 11:50:07)
66.《ネタバレ》 -3:10 to Yuma-“ユマ行き3時10分発”。列車の時刻だった。タイトルから西部劇だとは思わなかったわ。
序盤のガトリング・ガン搭載の荷馬車が面白い。実際あんな馬車ってあったんだろうか?それにしても、護衛も無しに単独輸送は、弱点晒しすぎだ。
囚人入れ替え作戦(なるほどウマい)。一人、また一人と命を落とす護送メンバー(この人がそこで死ぬのか)。トンネルを作る中国人労働者(へぇ、この時代に…)。ついつい興味が湧いて観続けてしまう面白さがある。
街について保安官も加勢して、ホッとしたのも束の間、街の人間が金でアッサリ寝返る展開は絶望感があった。

さて、元狙撃部隊所属で連隊イチの腕前。今は足の先を失って、子供にも見下されるような負け犬農夫のダンが、いつスナイパーとしての腕を発揮してスカッとさせてくれるかと見守っていたけど、ついにそんな活躍は無く…
弱い普通の人が、逆境の中勇気を出して、歯を食いしばって頑張る姿を息子に見せる。父親の威厳、本当の格好良さを魅せてくれたのは、逆に好感が持てた。

一方で常に人間の大きさを魅せるベン・ウェイド。とても魅力的な人物だけど、正直何を考えてるのかよく解らなかった。ダンの男気に共感しての、列車までの逃避行。目的は自分を刑務所に移送する列車まで届けること。自分らを襲うのは自分の部下たち。考えてみたら変な状況だけど、それでも勢いがあって楽しめる。そして最後、あれだけベンのために尽くしてきたチャーリーたち部下全員を、あっさり撃ち殺してしまうんだもの、やっぱり何考えてるか解らないわ。
でも、優しい音色の口笛に呼応して、ベンを追いかける愛馬の画は、とてもカッコ良かった。
K&Kさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-11-26 00:46:24)
65.せっかくあれこれ凝った設定をしているのに、テンポが悪くて全然スリルを感じない。ラッセル・クロウは驚くほどウエスタンに合っていない(多分この人、どんなコワモテの役をやっても、「実はいい人」感が最初からにじみ出ているのだろう)。それと、この展開で長男役の俳優が大根なのは致命的なのでは?唯一光っていたのは、自然な冷酷さをどの画面でも全開にしていたチャーリー・プリンス役の人くらいでしょうか。
Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 3点(2021-11-20 00:45:32)
64.《ネタバレ》 クリスチャン・ベールとラッセル・クロウありきの作品という感じ。まあ2人がカッコいいだけで十分なんですが、ストーリー的にいささか無理がある気がしないでもありません。特に最終盤、ホテルから駅へ逃げながら走るラッセル・クロウは、なんだか身体が重そうで、それまでの凄腕の悪党のイメージとはちょっと違います。それにこのとき、当人はどういう決着を予想していたのか、すべて想定どりなのか、ぜひ聞いてみたい気もします。
ただ、イラストにまつわる前フリと回収は、ベタとはいえいいシーンだったなと。
眉山さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-11-09 02:03:08)
63.《ネタバレ》 西部劇は好きだけどこれはいまいちかな。
なんか雰囲気が軽い。

ラッセルクロウの行動も納得できない。
折角助けに来た仲間を撃ち殺す理由が希薄すぎる。
最期は馬呼び寄せて脱出したんだろうけどじゃあ今までの流れはなんだったんだ?
Dry-manさん [インターネット(字幕)] 4点(2021-04-05 00:14:20)
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【点数情報】

Review人数 82人
平均点数 6.95点
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100.00%
200.00%
333.66%
433.66%
51214.63%
61315.85%
71417.07%
82328.05%
91113.41%
1033.66%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.14点 Review7人
2 ストーリー評価 6.88点 Review9人
3 鑑賞後の後味 6.87点 Review8人
4 音楽評価 7.00点 Review6人
5 感泣評価 6.33点 Review6人
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【アカデミー賞 情報】

2008年 81回
作曲賞(ドラマ)マルコ・ベルトラミ候補(ノミネート) 
音響賞ポール・マッシー[録音]候補(ノミネート)(音響調整賞)

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