2.《ネタバレ》 なかなかの青春絵巻なんですね、プロムいいですね。
そんな楽しそうなプロムの場面は良しとしましょう。
たぶん彼らにとっては、人生の中で一番楽しい日なんでしょうね。
彼らとっても輝いてます。
「仲の良かった俺たちもこれからはみんなバラバラの人生」「今日を最高の思い出にしようぜ!!」的な。
そこには様々なカップルがいて、それぞれの思いがあるのでしょう。
そんな人生で最も輝いている中で変態スラッシャーが現れます!
って、そんだけの内容だったと記憶しています。
人生の最も輝いている瞬間に殺人鬼を投入して惨殺映画を作るなんて、
よっぽど監督製作者たちが、そういった楽しそうな青春野郎どもに対して嫉妬の念を抱いているんでしょう。根暗さのレベルがまるで窺えそうですが、実際のところはどうか分かりません。
おいおいそれは自分の事だろうと、書いている自分がB級ホラー映画を見るのもそれとほぼ同様の理由なんだろうと思いました。
だいたい「テメーらそんなに仲良く青春ごっこしやがって」「何を楽しそうな仮面被ってみんな一緒に旅行になんか行ってんだ、そりゃ楽しい青春物語の主人公にでもなった気分だろうよ」的な非常にダークな嫉妬の念も抱けば、「●んだらええのに」
なんて思っちゃった暗黒青春時代もあったもんです。
そんな嫉妬心がキャラ化したものがスラッシャーなんでしょうね。空想の中の代行者です。
殺人鬼は突然何も無いところから生まれるものではない。
美しい人や成績の恵まれた人間の影で暗い青春を生きる。
まるで“楽しい青春”は競争率の高い奪い合いであり、姿形の美しい人間、性格の美しい人間(要領のいい人間)、成績のいい人間(特にスポーツが出来る男)どもが剥奪し、貴いとって、それを喰い散らかす。
残った敗者はその残飯の程度の青春を不味そうにすする。栄光などはあたらない。
暗い青春を送った人間の心の闇が熟すと、やがて美しい青春を送った人間の「美しい部分」を喰ってしまいたくなる。そいつの楽しかった思い出を丸ごと奪ってしまいたくなる。
殺人鬼は普通すぎてなんだかなぁ。怖くないし、最後の方は僅かに不気味ではあるが
まったく地味な印象。ただのストーカーじゃん。
彼女の今後の精神状態は心配ですが、それ以前にレビューを書いている自分の精神状態が心配になりました。