1.《ネタバレ》 イタリアかスペインか最初の5分くらい決めかねた。この2国の区別って日本人には難儀だ。しかしスペインの女の人って「放り出す」ようにしゃべるのよね。そこが韓国語と似てると思う。
それでこれですが、全体通してそう悪くはない。
冒頭は「ゴシカ」にちょっと似ているが、あんな駄作ではない。
オチが読みきれない。観客の揺さぶり具合も、「かなりずるいかも」と思いつつ、身を委ねてこのまま揺さぶられていようかな、てな作品です。
「?」と思うつっこみどころが最初からいろいろ出てくるが、
「なんで医者なのにいつもハイヒールのサンダルはいてる?仕事する気あるのか?」
「スカウトされるほど優秀な精神科医にしては若すぎないか?」
「なんでいつも挑発的な服装なのか?」
「いくらワンマン経営とはいえ、そんな適当に患者を選んで新任に任せていいのか?しかもサンチェズ先生は、『この患者は私が見る』とかすぐ言うし、本当にベアトリスを使う気があるのか?」
「建物が無機質すぎて現実味がなさすぎないか?」
「患者と一緒の階に医者の寮があるとは変ではないか?」
「セラピーするのになぜあんな明るい照明なのか?」
などと思いながら見るわけだが、「まあそういう手抜きのうえアカぬけた映画のつもりなのかなあ」と思ってしまったよね途中まで。
知る人ぞ知る山岸涼子の短編「スフィンクス」の映画拡大版といえる。「ゴシカ」を見るならこちらを見たほうが時間を損した気になりにくいそんな作品かな。