3.《ネタバレ》 原作は花村萬月の芥川賞受賞作品。
花村萬月らしい暴力、エロス、背徳感が漂う。
主人公は殺人、暴力、姦淫など聖書に反することを重ね、神の存在を試す。
そこには何の罪悪感もない。
ただ神の裁きを待っている。
未来の罪を告白し赦されることで、その罪を犯す免罪符を得る。
宗教や神の矛盾を突いた恐れを知らぬ行動は、まさに神への確信犯的冒涜だ。
その世界は決して嫌いではないのだが、映画化が成功したかは疑問。
一番気になったのはテンポの悪さで、間延びするためにダレてしまう。
内容的には過激なものを含んでいるのに、静かで暗いトーンで覆われていることもあって少々退屈。
このテーマ、素材では、映画化は難しくて向いていないのかも。
テーマ自体は面白いのに、もったいない。
人によっては不快に感じる映像も多いので、受け付けない人も多い気がする。
少年に性的奉仕をさせる修道院長の石橋蓮司は、独特の存在感を発揮。
主人公と綺麗でエロティックな濡れ場を演じた早良めぐみも印象に残った。