1.《ネタバレ》 邦題だけ読むと勘違い必至です。この映画においてベルリンフィルはそれほど大事じゃありません。ベルリンフィルと共演することになった子どもの日々がメインです。「やればできる」をそのまま映像化して諭した教育指南書のようでもありますが、どこか斜に構えた態度の恵まれない境遇の子どもたちをそっと見つめ、それぞれの心のモヤが晴れる過程を静かに追う姿勢に好感が持てました。終盤「ルームメイトができた。」と喜ぶナイジェリアの少年も、作られていないかわいらしさ、愛おしさを感じます。ベルリンフィルの監督やダンスコーチの真摯な姿はさすがに地位を感じさせる風格で、言葉のひとつひとつが胸に刺さりました。学ぶことの多い、とても良質なドキュメントです。