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容疑者Xの献身

Suspect X
2008年【日】 上映時間:128分
平均点: / 10(Review 178人) (点数分布表示)
ドラマサスペンスシリーズもの犯罪ものミステリー刑事もの小説の映画化TVの映画化
[ヨウギシャエックスノケンシン]
新規登録(2008-07-24)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2017-03-16)【イニシャルK】さん
公開開始日(2008-10-04
レビュー最終更新日(


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監督西谷弘
キャスト福山雅治(男優)湯川学
柴咲コウ(女優)内海薫
堤真一(男優)石神哲哉
松雪泰子(女優)花岡靖子
北村一輝(男優)草薙俊平
金澤美穂(女優)花岡美里
益岡徹(男優)葛木修一郎
林泰文(男優)柿本純一
渡辺いっけい(男優)栗林宏美
長塚圭史(男優)富樫慎二
品川祐(男優)弓削志郎
ダンカン(男優)工藤邦明
真矢みき(女優)城之内桜子
鈴木卓爾(男優)
三浦誠己(男優)
八木亜希子(女優)キャスター
リリー・フランキー(男優)草野球の監督(友情出演)
石坂浩二(男優)コメンテーター・有薗文雄(特別出演)
林剛史(男優)村瀬健介
伊藤隆大(男優)森英太
桐本琢也(男優)
小松彩夏(女優)平原瑤子
原作東野圭吾「容疑者Xの献身」(文藝春秋刊)
脚本福田靖
音楽福山雅治
菅野祐悟
作詞福山雅治「最愛」/「99」
作曲福山雅治「最愛」/「99」/「vs.~知覚と快楽の螺旋~」
編曲福山雅治「最愛」/「99」/「vs.~知覚と快楽の螺旋~」
主題歌KOH+「最愛」
挿入曲福山雅治「99」
撮影山本英夫〔撮影〕
さのてつろう(撮影応援)
製作亀山千広
フジテレビ(「容疑者Xの献身」製作委員会)
S・D・P(スターダストピクチャーズ)(「容疑者Xの献身」製作委員会)
企画大多亮
プロデューサー清水賢治(エグゼクティブプロデューサー)
細野義朗(エグゼクティブプロデューサー)
臼井裕詞
配給東宝
特撮大屋哲男(VFXコーディネーター)
美術部谷京子
録音藤丸和徳
西尾昇(デジタル光学録音)(光学録音アドバイザー)
照明小野晃
あらすじ
愛では物理現象は説明できない。だから物理学者の湯川は愛には興味がない。しかし湯川の大学同期で二流高校で教鞭をとりながら今でも数学理論に挑み続け不可解な殺人事件の被疑者となった美人女性の隣に住む石神に再会した時、湯川は感じた。「石神は恋をしている。」そして天才数学者には完全犯罪など容易なのだ。人は愛のためにどこまで自分を犠牲にできるのか。天才物理学者と愛を抱いた天才数学者の知恵比べ。
ネタバレは禁止していませんので
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178.原作未読。とにかく、生活感や既視感あふれる舞台での、複数の人間の人生交差。重い氣分にはなりました。堤真一さんは現時点で、知的で重厚で高貴な志を持った狂人を演じさせれば右に出る者無し。
役者の魂さん [地上波(邦画)] 5点(2016-11-12 11:42:55)
177.《ネタバレ》 何しろ原作は大ベストセラーですから、当然原作既読でこの映画を観る人も多いわけですが、そういう観客からすると原作の魅力をあまり損ねていない映画だったかと思います。
主演陣の演技には引き込まれるものがありましたし(特に石神役の堤真一)、個人的に「???」と思ったのは映画オリジナルの山登りシーンくらい。あれって必要性あったんでしょうか?

さてこの映画、内容以前に好き嫌いで語られる事がときどきあり、それは「愛する女性を守るために何の罪もない人を殺す」事の是非が理由です。
「どんなにかっこつけてても、その行為自体がそもそも許せないし嫌悪感しか抱かない」という意見ですね。

ここで面白いのは「同じことをしているにも関わらず原作小説においてはそういう批評はほとんどなかった」という点です。

これは原作はミステリというジャンルであり、ベストセラーとは言え、読んでいるのは主にそのジャンルを好きな人。
そういう人にとってはその行為自体には特に問題には感じないわけです。
なにしろこのジャンルにはこれよりひどい内容の小説なんかごまんとあるわけで、この程度でとやかく言っていてはミステリは読めないですから。

しかし映画化される事で、より広い客層の人が映画を観る事になり、結果としてミステリ慣れしてない人がそこに嫌悪感を抱くのではないかと思います。
特にこれは人気ドラマとなったガリレオシリーズの劇場版ですし、ガリレオシリーズはわりと軽めの話が多くこの原作が異質ですから、まぁ、これはなるべくしてそうなったと言えるでしょう。

さて私のこの映画に対する点数は低めなのですが、これは先に小説を読んでいてトリックとかを知っていたからです。
この映画、「替え玉殺人トリックだと思わせておいて実は時間差トリック」だという深い構成になっていて、そこがミステリとして高く評価されているゆえんなんですが、すでに小説を読んでいる人間からすると一番のキモであるそのトリックはすでに知っているわけで、映画で観ても「一番キモの部分に何の驚きもない」わけです。
これはある意味構造的な欠陥で、どうにも回避しようがない問題。
この映画には罪がない事ですし役者陣の演技も素晴らしかったのですが、しかし「オチを知ってて謎解きミステリを観る」以上、どうしても一定以上の面白さを得る事ができません。

そういう意味で謎解き主体のミステリ映画の映画化は難しいのかな、と思います。
あばれて万歳さん [地上波(邦画)] 6点(2016-11-08 11:17:39)(良:1票)
176.「事実は小説より奇なり」と言うが、しかしながらありきたりの世間で言う真実の羅列のみでは「サスペンス映画としては面白味に欠ける」という矛盾が有るからある程度の味付けが入っていなければ「泣いて楽しめる悲劇の映画」にならない。

この映画はその映画的な味付もそうくどい訳でも無く良い感じに上がっていると思う。サスペンス映画の弱点は皆もご存じの通り「犯人は必ず描写されなければならない」という点である。映画の中で全く描かれない人間が急に犯人になるという事はあり得ないのであるからこの点はどうしようも無い。そういう点で良く出来たサスペンス映画だと思う。

だから意図的に監督はそういう点をさらりと流し、湯川と石神と人間的なやりとりに焦点を変えて心理的なやりとりや、石神の敷く附箋を湯川と共に一緒に観客に解き明かしていくという手法に切り替えた所がこの映画が結構高評価を得ている原因だと思う。

結局は映画は見ている人の大部分が求める結末になったが、これが一番妥当で納得し感激の涙を誘う事になるのだからコレで良いんじゃないのかなあ?
アマデウスga好きさん [地上波(吹替)] 8点(2016-09-21 21:35:56)

175.《ネタバレ》 この作品の争点は石神が取ったトリックが本当に意味があったのか?と言う点。
まず正当防衛について。遺体の状況からコードで首を絞められている事に娘が荷担していることが明らかなことから
明確な意思がないと難しい犯行に殺意があったと思われても仕方なく正当防衛を主張するのは難しかったと思います。
加えて、親子共に逮捕される事になれば仮に正当防衛が認められても開放されるには数年がかかるでしょう
裁判費用、あらぬ噂により親子は今まで通りの生活を送る事は困難と思います。
また他の犯罪を犯さずとも"現時点"でバレてないじゃないか
シンプルに最初の遺体をバレないように処理した方が早いとの考え方もありますが
確かに犯罪組織のように完全に遺体の出ないやり方があり確実でしょうがそれ言ったら物語になりません。
処理をする特別な環境を持たない一般人が短時間に、かつ自分一人の力で遺体を処理できる方法考えるなら
遺体をバラバラにし海や山に捨て時間稼ぎをするぐらいが落とし所でしょう。
時が流れ遺体が発見された時、腐敗が進んで居れば殺害日や殺害方法は判別できない可能性が高い。
しかし科学捜査から遺体の身元が割れる可能性は否定できず、もし身元が判明すれば
交友関係や行方不明当日前後の行動からいつか、あの親子に捜査の手が忍び寄る可能性は完全に否定出来ない。
そうなれば意思が弱く自供するかもしれない、それではあの親子を守る事ができない。
だからこそ石神は、あえて新たな殺人を犯し"最初から"自分が出頭する事で完全にあの親子を守る策を練ったって事です。
つまり親子には一定期間捜査追及から逃れるだけのアリバイを与え、その間に自分は計画通りに出頭して
罪を認め裁判の一審で上告せず罪を受け入れ一事不再理により、あの事件で親子が法で裁かれる
可能性を完全に無くす事ができる。一度死んだも同然の命。残りの命をあの親子の為に捧げる決意の犯行。

つまり最初の段階でどうにか隠せば逃げ切れる可能性が高かったねって話では無く
犯罪から逃げ切れる可能性の追及よりも、自ら罪をかぶり親子を完全に守ろうとする話なんです。
ただ、そこに湯川や花岡親子の心など微妙なバランスの上にしか成り立たないこのシナリオは最後に崩壊を迎える。
それがこの物語の大筋ではないでしょうか。

石神はなぜ人生に絶望していたか、それは具体的には語られて居ませんが華々しい活躍をする湯川とは対照に
好きだからやっていた数学とは言え有り余る才能を受け止められる受け皿はなく
誰にも才能を評価されず、誰も彼の本当に語りたい事に耳を傾けない環境は
孤独と絶望の灰色の世界で生きていたのだろうと容易に想像する事ができます。
人との繋がりが無い世界は自分の存在価値を消し去る理由になり得るでしょう。
そんな中、隣に引っ越して来てくれた親子が自分に少しだけ接してくれた。
弁当を買うとき不器用な自分に声をかけてくれる、屈託のない生活の物音が
それまで孤独で灰色だった世界に、ほんの少しの色を与えてくれた。
もちろん親子は石神に普通に接しただけで特別な事は何もしていない。だが、その事が生きる上でどれほど大きいことか…
そんな僅かな色を与えてくれた環境が、殺人により終わりを迎える事が解った時
せめて、この親子だけは色を失わずに居て欲しくて、自ら捕まる事で
自分一人が、また色のない環境に彼は戻って行く決意をしたのでしょう。
留置所の天井の傷やシミで四色問題を解くシーンは秀逸です。
もう親子と会うことは許されず、また色のない世界で孤独に色を付ける作業だったのではないでしょうか。

湯川は冒頭で愛などと言う非論理的な物は誰にも解けない。考えるだけ時間の無駄だと。
石神と再会した時、若々しさを羨ましがる彼は「恋をしている」そう導いたが求める答えにはほど遠い。
本来、犯罪動機に興味のない湯川が始めてそれに向き合い苦悩する。雪山で事件について石神に迫った時
「本当は最後まで証明できていないんじゃないか?」と問われ答えられない湯川。
後日、取調室で雪山で出来なかった話の続きを始めるが
「なぜそこまでして彼女を守る…」と問いかける湯川に石神は答えずドアを閉めて出て行く。
学者である湯川には非論理的難問を最後まで解くことが出来なかったように思える。
そして、それは石神もまた同じ。完璧だと思った計画は花岡の心によって破綻する…。

「石神は罪を犯してしまうほど深く人を愛せた」と語る湯川に内海は「石神は花岡靖子に生かされていた」とそっと呟く。
それを聞いた湯川の表情は、ようやく真の答えに一歩迫る事が出来たように思えた…。
デミトリさん [DVD(邦画)] 10点(2016-05-30 16:51:22)(良:2票)
174.《ネタバレ》 これは原作が駄目です。
好意の対象としての女性で、DV被害者を助けるために、出来る事いっぱいあるのに・・
この天才?は、無関係のホームレスに嘘のアリバイ工作を指示した挙句、殺して身代わりに
するという暴挙に出ました。
どこに、こんなアホな事する天才が居るかって、爆笑しました。
単に死体を完璧に処理すれば、事件が無かったことに出来るのに、もう一人殺すという選択。
原作がアホだと、どんなにいい映画を造ろうとしても結果は同じです。

原作はミステリーの何かを受賞してますが、その時の審査員がこう言ってます。
「指摘はあるが、推理小説は、道徳的である必要は無い」
ミステリー読むのが恥ずかしくなるエピソードでしたね
グルコサミンSさん [DVD(邦画)] 3点(2016-04-04 21:59:28)(良:4票) (笑:1票)
173.私は推理小説ファンで、いつも原作を先に読んでから映画版を観るわけですが、そうなるとほとんど「原作の方が良かった」という感想になってしまうわけです。それはミステリーというジャンルの宿命というべきもので、いままで何十本もみた推理小説原作の映画で、これは原作を越えたと思ったのは「砂の器」くらいなものです。で、この作品ですが、やっぱり原作の方が深みがあって良い。が、原作と違うところも多少はあるもののかなり忠実に映像化されており、ミステリー原作の映画としてはかなりの高水準だと思います。特に堤真一の存在感が映画としてのクオリティを上げている。原作を読んだ者にはちょっと男前過ぎるんじゃないかと感じますが、演技力でそこらへんをカバーしているところはさすが。
すらりんさん [地上波(邦画)] 7点(2016-03-21 09:28:09)
172.《ネタバレ》 天才数学者の絶望とか希望の思いがイマイチ分かりませんが、すり替えトリックの違和感以上に献身レベルが凄すぎです。ラストのクライマックスもとても切ないですが、変な雪山シーンのない原作の方が深みがありました。
ProPaceさん [地上波(邦画)] 8点(2016-03-20 00:26:35)
171.《ネタバレ》 思ってたほど面白くなかった、かな? 異様にテンションの低い堤さん、役柄とはいえ暗~い堤さんは違和感あるな~。確かに献身っぷりはすごいけどちょっと気持ち悪いレベルかも、とか思ったり。ホームレスの人たちを軽視してるところもどうなんでしょ? まぁ独特の雰囲気はあったかとはオモイマス
Kanameさん [DVD(字幕)] 3点(2016-02-01 12:37:08)(良:2票)
170.《ネタバレ》 「好きな人を助けるための殺人」を美談にした物語ではない。これは、「好きな人を助けるための殺人」をしてしまった男の悲劇の物語であることを見逃してはいけない。     石神は合理的思考を持った天才数学者。普段の彼なら、もし知り合いが殺人を犯してしまったら迷わず「キミの場合自己防衛で無罪になる確率~%だ。もし有罪でも懲役~年の確率が~%だと思われる」と冷静沈着に判断していただろう。しかし相手は片思いの女性。しかも、自殺をおもいとどまらせてくれた恩人とまで思っている相手。どんなに合理的思考を持った石神も、”恋する女性”を前にすれば、非合理的手段にすら出てしまう・・・そう、この映画は、どんな者でも”恋に落ちてしまった人間”は、倫理的に、あるいは法律的に、軌道を外れた行動に突っ走る可能性を秘めていることをこの作品で伝えているのだ。”恋に落ちてしまった人間”の愚かさを、描ききっているのだ。       湯川は「彼は合理的に考えるひとだから殺人は犯さない」と当初言っていた。しかし湯川は石神の恋心を察知する。湯川は、石神と一緒に靖子の弁当屋さんに立ち寄った際、靖子のキャバ嬢時代のお客のオッサンが入ってきて靖子となれなれしく話している時に、石神が「なんだよなんだよ・・・親しげに。どこの男だ・・・」と、いたたまれないようなイジケ顔をしていたのが鏡越しに見て「あれ?」と思うのだ。そのとき、湯川は「いつもの石神なら殺人などありえない。しかし恋をしてしまってる石神なら・・・」と思ったに違いない。  ホームレス殺人については、それを肯定するものでも否定するものでもなく、ただ、合理的思考の石神が”恋”をしてしまったために、犯さないはずの殺人をしてしまった、ということであり、それ以上でもそれ以下でもないのである。そして、”恋”をしていたがために、ルートを誤った(自首をすすめず、罪を隠すほうを選んだ)ものの、その誤ったルートにおいて一番”合理的”な隠蔽工作を画策し、それを実行するにあたってホームレスが一番適当(消えても誰も探さない上に、カネを出せば言うことを聞いてくれる)だったからホームレスを殺害したということであり、それ以上でもそれ以下でもない。 恋してしまった石神の”誤ったルート”によって、「罪をかぶせてしまった」と靖子も不幸になった。無関係なのに殺されちゃったホームレスも不幸になった。この事件を解明した湯川も「靖子を守りたかった石神の気持ちを、すくいとってあげるわけにはいかない・・・」という、葛藤と自責の念にかられ不幸になった。そして何より、自分が罪をかぶることで靖子の幸せな人生を守れると思っていた願いも崩れ去り彼自身も不幸になった。 不幸な悲劇の歯車がグ~ルグル・・・なのである。    そして「隣あう色はけして交わってはならない」という4色配列は、まるでアパートの隣同士である石神と靖子は、この殺人隠蔽作戦によって、どんなに密接に関わりあえる関係になったとしても、けしてそれ以上に交わり結ばれることはない・・・ということを象徴しているのだろう。逮捕された石神が靖子の登場で「ふぁぁ・・・どうして!?どうして・・どうして!?むぁああああ~~ああああああ!」と号泣県議並みのガチ泣きする場面はこちらまでもらい泣きしてしまった。
フィンセントさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-11-02 13:49:57)
169.「石神は人を殺さない。殺す前に殺さなくてもいいように解決策を見つけるだろう。」という湯川。一見幾何の問題に見える関数の問題にはまってしまったんですね。全編を通じて堤真一の演じる不器用な数学者の演技にはまってしまいました。でももし石神が数学者ではなく、昨今の法律家大量生産のせいで仕事にあぶれて安アパートに住むしかない弁護士だったら落ち着いて「靖子さん。あなたがやったことは正当防衛。それが立証されれば無罪。悪く転んでも過剰防衛で微罪ですよ。」とアドバイスしたはずなんですけれどね。こんなこと法律の素人のわたしでも言えるけれど数学者には言えないのでしょうか?どんなに好きな相手でも正当防衛以外で人殺しをしたら百年の恋も冷めるし、逆を言えば恋が冷めないのなら優秀な弁護士に依頼して無罪を勝ち取る余地が十分にあるはずです。最初のニュースと爆発現象を説明する湯川のかっこよさ、雪山から見る広大なパノラマ、そして堤真一の好演のせいで点数は甘めです。
かわまりさん [DVD(邦画)] 8点(2015-06-22 07:02:47)
168.《ネタバレ》 西谷弘の映画は、TVドラマの延長とは思えない完成度の高い作品が多い。完全に独立した一つの映画なのだ。特にこの「容疑者Xの献身」は彼らにとって最高の1本ではないだろうか。

ドラマから入った者は冒頭のニュース映像で「あ、見覚えのあるシーンだ(詳しくは「ガリレオ」第一期を締めくくった湯川教授の嬉しそうな表情をご覧下さい)」と素直にワクワクする。
一方、初見の者はあのニュース映像に未知の領域に踏み込む不安と好奇心を覚えるのだ。カメラワークにしても、「パッチギ!」や「県庁の星」にも参加した山本英夫の手腕が如何なく発揮されています。

ニュース、海上事故の映像から既にこの映画を彩る“海”や“船”が登場する。
アナウンサーが語る“謎”を、次の瞬間には観客のために親切に解き明かしてしまう謎の男。それを見守る謎の女。鉄球、船の模型、そしてド派手な実験と“証明”!何と素晴らしいスタートダッシュだろう。


そこから場面は、この物語のもう一人の主人公ともいうべき男の朝の風景に移っていく。
母娘らしき二人の会話を聞いて目覚める薄暗い部屋。橋の上をとぼとぼと歩き、密かに思いをよせるパン屋の女主人と“挨拶”を交わす。マフラーで口元を覆うのは、この男なりの照れ隠しだろうか。そんな誰にも感情を出さない男が、愛してしまったが故に彼なりの“恩返し”をはじめ、唯一感情をさらけだせる友人と再会する。
二人の男は杯を交わしながら、友人からの“挑戦”を静かに受け取り、互いが隠す“謎”を暴こうと探りを入れ合う。押入れの中の“謎”、ひっかけ問題、カメラ、銃、凶器、写真、箱の底の真実と手紙、何時の間にか消えたホームレス・・・それぞれの表情で事情を察するやり取り。

草薙はいつも誰かを見守っている。友人とはいえ、自分を追い詰めるであろう人間すら彼はただ黙って見守るのだ。湯川も黙ってその男を救い出そうと必死に動き続ける。
何処までも孤独に描かれる草薙と、何だかんだ言って慕われる湯川の対比。二人とも余りに頭がキレて、余りに美人に弱くて、誰よりも優しすぎる悲しみを背負う。

山の斜面を危険を冒してまで歩く二人の男たち。親交を深めるためでも、互いのハラを探るためでも、殺し合い死ぬためでもない。そこに追い求める“答え”を出すために二人は黙々と山を登るのである。

嘘は映像で描かれずに語られるだけ、真実は映像によって観客の眼に焼き付けられる。
子供たちの歌は卑怯だ。天井に夢を描くように、すべてを受け入れた男の表情。それが椅子に座って待っていた男に揺さぶられ、愛した者との思いがけない再会で崩壊してしまう瞬間。互いに泣き叫び絶望する。
扉の先に希望を見た者と、扉の先に消えていく友人に「何もしてやれなかった」と黙ってうなだれる者の対比。
この男たちを含め、劇中の人物は絶えず橋の上や、椅子の上に上がったり座ったりして何かを“待っていた”。友人や希望を。

追い討ちをかけるように海から浮上する“凶器”が、物語を締めくくる。
すかあふえいすさん [DVD(邦画)] 9点(2015-06-02 20:05:33)
167.これこそが日本映画として世界に出しても劣らない名作でした。
白い男さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2015-01-02 11:46:56)
166.《ネタバレ》 石神哲哉を演じる堤真一の演技が染みる作品。孤独しかなかった男が、最後は感情を爆発させてむせび泣くラストはしびれる。冒頭の事件シーンが甘っちょろいものではなくリアル志向で良かった。ホームレスが消えていることに気付かなかったので、まだまだ伏線を読み取るのはこれからのようです。
カジノ愛さん [映画館(邦画)] 8点(2014-12-07 18:50:36)
165.絶対面白くないと思って見たから以外だった。
2時間のテレビドラマではなく、ちゃんと映画だった。
miumichimiaさん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-13 23:02:59)
164.《ネタバレ》 皆さんの倫理観の高さに驚き。「愛の為に人は罪を犯す」がテーマなのでホームレス殺しが許せない事に関心がいってしまう人は作品との相性が悪いんだろうな。
突っ込み所満載の安っぽい謎解きミステリーがメインになってしまって、人間ドラマが希薄になってしまったのが難点か。石神の献身も独りよがりなものでしかないし、湯川が暴露するとか、花岡靖子が白状するとか、「人の心は計算できない」という事がわかってない事が、石神の最大の問題点ではあるのだが。その割には人生に絶望とかしてるわけで、「人の心は計算できない」事に気がついての自殺未遂ではないのか?その辺の絶望の背景や石神の挫折や屈折等々の心情・人間性がよくわからなかったのでモヤモヤしたかな。
東京50km圏道路地図さん [地上波(邦画)] 6点(2014-07-07 13:44:11)
163.《ネタバレ》 なんと言っても堤さんの好演。実写版を観た後に原作を読んだが、すんなり石神=堤さんで脳内再生された。観ている側は殆ど気づくことは出来ないトリックだと思うけど、よくこういう設定が思いつくなーと感心した。タイトル内の「献身」と言う単語が良い。実写版を観終わった後も原作を読み終わった後も、「献身」という言葉が沁みてきた。
ネフェルタリさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-06-18 14:22:10)
162.この映画で初めて松雪泰子好きになった。弁当屋の美しい店長さん、過去もありげで惚れるキャラだった。しかしなんといっても堤の演技は秀逸。

ミステリーとしての魅力もあるが、物語の魅力にひきつけられた。主要登場人物の活躍だけに頼らない良質邦画。映画化したスタッフに感謝。
JFさん [地上波(邦画)] 8点(2014-06-17 16:06:21)
161.《ネタバレ》 「好きな人を助けたいなら殺人OK」と推奨する映画。
なぜなら、主人公による殺人を「美談」にしてるから。
私はホームレスは嫌いで、近くにいたら息(呼吸)を止める。
でも殺してもいいとは思わない。だって同じ人間じゃないか(棒読み)。

ところで、ゴダイゴのヒット曲『ビューティフルネーム』が好きだ。「♪なまえ、それは、もえる、猪木」。
たぶん石神は、殺したホームレスの「人の名前」を知らない設定。
「愛する女性を救うため仕方がないんだ。あんたが誰か知らないが、悪いが死んでくれ!」
「はァ?」

今敏監督の映画『東京ゴッドファーザーズ』が好きだ。
ホームレスといってもね、色んな境遇の人がいると思いますよ。挑戦して大失敗、保証人で夜逃げ、家出など。

殺人は起こる。だって人間だもの。
でも、人を道具扱いして殺した男の物語を「美談」にしてるこの映画はね、やっぱりね、ダメですよ。
★文句無しに0点!

【追記】
サム・ライミ監督作『スペル』の主人公の女性は、死の宣告を他人に肩代わりしてもらえる人を探す。たとえばホームレスを見るとき、迷い、罪悪感を感じる。
だが、この映画の主人公の男は、愛する女性が逮捕されないためにホームレスを殺し、罪悪感がない。テレビ放送ではそう思ったし、主人公はホームレスの人生を完全に無視していた。それが人間の現実かもしれない。だが映画でそれは困る。
パルプンテ未遂さん [地上波(邦画)] 0点(2014-06-16 06:20:37)(良:2票)
160.《ネタバレ》 前に有料チャンネルで観て、たまたま民放で放送していたので再見しました
ドラマの方は観たことありません。でもTVドラマの映画化としてはかなり良いデキだと思います。テーマと脚本のデキも良いのだと思います。
どうせ・・・なんて思いながら暇つぶしの初見時、いい意味で期待を裏切られた作品です。
焦点をタイトル通り容疑者に絞っているのがいいです、そして堤真一の演技です、素晴らしい!特に表情、メソッドというのかな。情感があってこちらにジワジワ伝わります。
堤真一の演技と存在感なくしては成立しなかったんじゃないかな。
点数のほとんどは堤真一に対してです。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-14 23:26:57)
159.《ネタバレ》 テレビのほうは全く見たことなかったのですが、そういう一見さんでも存分に楽しむことの出来る内容になってました。やはりシナリオが良いんですよね。刑事や湯川たちの立場から話が進むんじゃなく、最初は花岡さんと石神の目線から話が始まる。花岡さんはいつも夫からひどい仕打ちを受けていて、あの殺人のシーンを見ても、ちょっと同情してしまうわけですね。花岡さん一家をかばおうとする石神の気持ちもよくわかるし。でもやっぱり、いかなる場合でも人殺しはいかんわけで、当然彼らには悲しい結末が待っている。誰も幸せにはなれない。それが切ない。堤真一と松雪泰子はとてもいい演技してました。
あろえりーなさん [地上波(邦画)] 8点(2013-11-10 21:15:41)
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【点数情報】

Review人数 178人
平均点数 6.68点
021.12%
121.12%
231.69%
342.25%
442.25%
51910.67%
62815.73%
75631.46%
84525.28%
9126.74%
1031.69%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.84点 Review13人
2 ストーリー評価 7.23点 Review21人
3 鑑賞後の後味 6.11点 Review18人
4 音楽評価 5.85点 Review14人
5 感泣評価 6.00点 Review17人

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