1. 彼女を見ればわかること
独特の語り口で淡々とストーリーが進んで・・。結論は見た者の感性に委ねて・・。残るのは余韻と内なる静かな充実感・・。と行きたいところだったのだろうけれども,むしろそれがあざとい演出に感じられて,私には感情移入や共感に程遠い代物となってしまった。それにしても,キャリスタ・フロックハートはこうした少々汚れた役しかできなくなっちゃったのだろうか。キャメロン・ディアスも老けたし・・・。女性の方々は,大いに共感されているようだけれども,男の私にはどうも・・・。悪いけど平均点下げます。 3点(2002-10-20 23:51:37) |
2. カプリコン・1
私もこれを見て,「本当にアポロ11号は月へ行ったのか」とか,「裏アポロ13か」なんて思っちゃいました。序盤の飛行中止とヤラセが宇宙飛行士たちに知らされるあたりからすっかり釘付けとなり,その発想の大胆さ・面白さに驚嘆しました。勿論,複葉機とヒューズの空中戦のシーンや,ラストシーンのスロー映像等印象的な「絵」があちこちに散りばめられており,万人にお薦めできる名作だと思います。不協和音の飛び交うJ・ゴールドスミスの曲は,いつもながら大変聴き映えがします。DVDとサウンド・トラックを早速探すことにしましょう。唯一の不満は,司令船回収の空母の艦載機が何故かF9Fだったこと。火星着陸ってことは少なくても70年代だろうから,F4かF14でしょうが。そういや序盤にA4飛んでたっけ。初代Zは出てくるし,時代設定はいつなんでしょう(ま,どうでもいっか)。それにしても,大国のエゴってのは,本当に恐いものですね。闇に葬られた事実って,きっといっぱいあるんでしょうね。 9点(2002-03-16 22:45:48) |
3. 海底二万哩
約50年程前のディズニーの実写ものの傑作である。SF小説の元祖とも言うべきヴェルヌの原作を基に,当時としては目一杯の特撮技術を駆使している。巨大イカがノーチラス号に絡みつく有名なシーンは圧巻だが,何よりも銛打ちネッドを演じるあまりにも若々しいカーク・ダグラスの姿が印象的だった。メカニカルなディテールのみが強調された近年のSF作品と違い,古き良き時代とも言うべき19世紀の香りをたっぷり感じさせる逸品。 8点(2002-02-08 21:27:31) |
4. ガントレット
蜂の巣じゃないか,よく生きていたな,というのが第一印象。良くも悪くもクリント・イーストウッドの個性を感じた。「ペイル・ライダー」も似たような感じだった。 5点(2001-11-15 20:26:18) |
5. カットスロート・アイランド
テンポ感が良く,見せ場もふんだんにあり,演出もド派手。でも何も残らない・・・。曲は,ジョン・デブニーだったかな。聴き映えがした。きっと「海賊ブラッド」(誰も知らないか)のイメージがあったのだろう・・・。 5点(2001-11-01 22:52:48) |
6. カサブランカ
何年ぶりかで見ました。今見ても新鮮ですね。占領下でアメリカ国歌を演奏するトロンボーン吹き,ラストシーンでの男二人の会話,一つ一つのエピソードが実に魅力的でした。曲は,確かマックス・スタイナーでしたか。メインタイトルは,エキゾチック且つドラマティック,「ラ・マルセイエーズ」も自然に聞こえる名曲です。新しい録音だと実に聞き映えします。 9点(2001-10-05 23:45:55) |
7. 眼下の敵
海の男同士の手に汗握る死闘である。戦争という人類最大の犯罪行為に対して,褒め称えるつもりは全くないが,死力をつくして戦い抜く姿は感動的ですらある。ラストシーンも気持ちがよい。戦争映画かく在るべし,というお手本のような作品。 9点(2001-08-27 17:39:45) |
8. 風とライオン
ショーン・コネリーがすっかり007から脱皮し,汗くさいアラブの族長ライズリを見事に演じきっている。ラストの戦闘シーンで短銃を構えたドイツ(だったか?)の将校が銃を下ろし,騎士の対決のような見事な一騎打ちを演じる。最終的に有利な体勢に立ったライズリが,彼を討たず高笑いしながら立ち上がる。まさに侍である。そして,彼に父性を感じてきたアメリカ人少年から銃を受け取り,颯爽と馬上の人となる。ジェリー・ゴールドスミスによるブラスの効いた楽曲が高らかに鳴り響き,全編を通じてもっとも印象的なシーンとなった。帝国主義と民族の自立の間に立つ女の生き様と圧倒的なライズリの存在感。香気立ちのぼるような逸品だ。 9点(2001-07-16 21:38:36) |