1. CUBE2
今度のCUBEは四次元迷宮! 前作「CUBE」があまりに有名。同名類似作が数多く量産され続け、ようやく正統的な続編が5年間のブランクを経て登場。何の説明もなく唐突に始まるオープニングは本作でも依然、強烈なインパクトを維持。前作はサバイバルゲームなストーリー展開が小気味よかった。この謎を解かなければ死ぬ!みたいな。それに比べると本作は大人しい印象を受ける。CUBE自体も暗い閉塞感が一新されて、明るく眩しい空間が演出されている。ラストに明かされるCUBEの謎も次回作(3?)への暗示で終わる。全体的に飽きさせる要素はなかったが、斬新さや衝撃度は確実に薄れていた。本作の魅力といえば実在し得ない「四次元空間」という設定。平行現実がいくつも展開され、主人公はそこからの脱出に挑む。四方八方に張り巡らされたトリックは都合よく配されていて、説得力に欠ける。投げ出されたままの謎も多い。出来の良い型紙から生まれた期待作でも未完成の妥協作では感動は生まれない。心残りは前作の監督「ヴィンチェンゾ・ナタリ」が本作も継投していたらどうなっていたのだろうか?なぜ凡作「カンパニーマン」などに走ってしまったのか?…今となってはむしろ、そんな平行現実を思わずには入られない。 5点(2003-12-29 17:42:04)(良:1票) |