1. 恐怖の岬
リメイク版を知らないのでまっさらな気持ちで見られた。期待しすぎたのか、特にハラハラドキドキもしない。視点が弁護士に行ったり復讐鬼に行ったり落ち着かないし、復讐の方法も理屈っぽくてわかりやすいので怖さが薄い。弁護士一家も本当に娘を心配しているのか怪しい。弁護士本人は家族を守るためというよりはプライドばかり気にしているように見えるし、母親は母親で、娘を一人にさせないために車で送迎しているのに危機感ゼロのムダなファッションでのんきにお買い物。盛り上げようという意図はわかるけど、娘を一人にするシーンを無理やり作り出してる感じだった。終盤は、復讐鬼がスプラッター・ホラーのモンスター扱いされるわ、復讐の方法は下世話だわでもう台無し。「ケープ・フィアー」見れば少しは慰められるだろうか。娘のナンシーの中学生っぽい微妙な色気はかなり心動かされました。 3点(2004-05-29 01:11:21) |
2. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 復讐劇のそもそもの発端が実はビルの復讐劇だったという、復讐という行為の真理をついたような展開。両方の言い分がそれぞれ分かるだけにやりきれなさが増幅し、心に響いた。そして行き着く先は男にとって最大最強の存在である母の愛。タランティーノ監督個人の内面世界を1、2通じてたっぷり堪能させてもらいました。 10点(2004-05-13 02:05:38) |
3. キル・ビル Vol.1(日本版)
監督の趣味はよく分からないのですが、多分現在の自分が好きなこと、やりたい事を全部ぶちこんだのだろうな、ということは分かった。見てるだけで痛くなるような残酷シーン(アニメ含む)は不愉快だったものの、一網打尽の作戦でも練るのかなと思った青葉屋の戦いを全て腕だけで戦い抜いたところに感動した。 8点(2004-04-26 01:17:40) |
4. 帰郷(1978)
くだらない戦争で心と体が傷ついた男たちの愚痴や甘えが満載。それがストレートな本音なだけに素直に伝わる。人間は基本的に反戦なのだな、と。傷ついた心を癒された男と、傷ついた心をさらに傷つけられた男とのラストの対比が哀しすぎる。名作。 9点(2004-04-23 00:30:29)(良:1票) |
5. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
実在の人物が実際に起こした事件や出来事を映画にするとき、社会的に見えやすい出来事を表面的になでるだけで話が進んでしまう恐れがかなりありますが、これはむしろ表面的な出来事をそこそこにして人間としてのフランクが細やかにしっかり描かれている。愛する父を同じように愛しているはずだ、と信じていた母が、実は自分しか愛せない人間だったと気づく過程が切ない。 9点(2004-04-14 01:12:16) |
6. ギャラクシー・クエスト
かなり甘い。それでも筋の噛み合わせが抜群に良く、見てるうちに乗せられてしまう。夢の無い現状に慣れきった登場人物たちが、段々気合を取り戻していく過程がとても爽やか。見終えた後、「アメリカの映画見たー」って感じになる。 8点(2004-03-21 20:40:25) |
7. ギルバート・グレイプ
妥協と絶望と無抵抗を綺麗にラッピングしたような映画。とにかく人物設定があざとい。まともな神経の人間とそうでない人間が嘘みたいに綺麗に分けられている。「サイダーハウスルール」を見た時も思ったが、とにかく下品。下衆。 4点(2004-03-14 23:33:30) |