1. ザ・ウォーク
深いことは考えず、気楽に見ることをおすすめします。点数は迷いましたが、映画としての描きっぷりというより実話であるということが面白いと感じたポイントだったので、映画としての面白さに従った点数としました。 作品全体として:6点 綱渡りシーンのみだと:8点 綱渡りシーンのえ、これ本当に実話なの!?度:10点 でした。 内容的には、 深み:× テーマ性:× 人間ドラマ:× 盛り上がり:△ 感動:× 政治色:× コメディ色:× エンタメ色:○ ぶっとび度:× 意外性:× 胸糞悪さ:×× 熱さ:× 後味:○ 恋愛描写:× 友情描写:△ 暴力描写:×× キャラクター:× スリル:○ 美しさ:○ オシャレさ:× BGM:○ テンポ:△ 凄さ(綱渡り自体の):◎◎ といった感じでしょうか。主人公が過去を振り返って喋る、という作り。また、実話というだけに淡々としており、演出的な盛り上げはほぼなし。まあ実際はそういうものなのでしょう。 なお3Dで見ましたが、3Dが際立つのはラストのワールドトレードセンタービルでの綱渡りシーン。ラストといっても、結構時間を割いてます。それまでは別に3Dでなくても問題なし。3Dお馴染みの、物がこちらに向かって飛んでくるビックリポイントが3~4箇所あるので、苦手な方はほんのりご注意を。そのうち1つは3Dさをあまり感じず警戒心が薄れた時にズバッとやってくるので、本気でビクッとなりました。割と回避不可。いと恥ずかし。 [映画館(字幕)] 6点(2016-01-28 21:54:50) |
2. ザ・エージェント
《ネタバレ》 こういう作品、大好きです。見直すたびに印象や評価は変わるかもしれないけど、それは高得点への変化であってほしいと自分に対して願うばかり。 仕事と恋愛、友情、ないしは男女の違いという永遠のテーマを、映画としての表現のメインを別に据えつつも、なおかつそれをおざなりにすることなく非常に上手く描いている、そういう作品です。 主人公(男)は仕事に対しては非常にハートがあるが、恋愛にはハートがない。元々仕事の繋がりだった友人(男)は、恋愛にはハートがあるが、仕事にはハートがない。ハートがないとはつまり理知的に行動するということですが、それだけでは互いに何かが不足している。それが何かを本音をぶつけ気づかせるのが友達であり、友情というものだ。 一方で、男は仕事をメインに据え、女は恋愛をメインに据え行動する。これは何も、互いが「そんなのは後回しだ」と思っているわけではなく、「でもやっぱりこれがなくては」「自分にとってはこれも大事なんだ」と思うが故の齟齬。互いが互いを尊重しているのに、どうしても生まれてしまう齟齬。 それを踏まえて本作の結論は、「君が僕を完全にする」、この一言に尽きます。自分にとっての人生、相手にとっての人生、それを誰にとっても完璧に、最高のものにするためには、仕事と恋愛、ハートと理屈、それらをどちらを優先させるかではなく、どちらも優先し、他方を自分にとってのプラスとすることで、1+1を3にも4にもできる、6:4を7:5にも8:6にも昇華できるんだよ、という、まさに「理想」を突きつける作品であるといえます。 では、そんなことどうやったらできるんだよといえば、本作で描かれたとおり、根本の根本は、「心の底から思ったよう、自分の信念を貫け」ということですね。主人公や奥さん、ロッドは皆そのように行動しています。ただし「提案書」のように、「自分にとっては完璧でも、それを絶対視しすぎるなよ」というのが前提で、要は、周りの意見にも耳を傾けろよ、ということですね。助言をくれる友人は大切。異なる価値観を教えてくれる異性は大切。う~ん、ループしますね。 最後に、トム・クルーズかっこいいですね。かっこよくて何やってもサマになってしまうのはずるいというのはさて置いて、「理知的」「野心家」「外見的にはかっこいい」が、実は寂しがり、という主人公のキャラクターを、見た目含めて雰囲気まで、見事すぎるほどに表現していたと思います。常に冷静で、それでいて妹を愛する姉さんも、全体バランス的な位置を含めて凄く良いキャラクターでした。 若干説明的な部分もありますが、ほんと、作りが上手い作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2015-12-26 05:02:17)(良:1票) |
3. 最後の酋長
タイトル的にインディアンの勇士を謳う作品か、歴史を淡々と描く作品か、対立を描き結局はアメリカ万歳!となる作品かのどれかかと思いましたが、いずれもイマイチしっくりこず。むしろ単純に、人間ドラマ・人間の熱さで魅せる作品かと思います。 フロリダはセミノール族が描かれますが、本作で特徴的なのは少尉の主人公とセミノール族の族長が親友であり、両者を取り持つのがヒロインという人間関係。プラスしてお馴染みの主人公と上官との意見的対立が加わります。それぞれのキャラクターが気持ちを吐露するシーンが多く、ジョン・フォード作品のような「この人の立場ならこう考える」という描きっぷりを堪能するところに本作の面白さがあると思います。 ただ難点はストーリー展開・演出ともにシンプルすぎて、この後どうなる、というのが読みやすすぎるところ。そこに目を瞑れば、私としては割と好きな作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-08 21:50:31) |
4. 三悪人
《ネタバレ》 DVDで視聴。画質は粗いし音も無い。字幕と映像は交互に流れ、動く小説を読んでいるよう。何というかもはや、別の芸術を見ているような感覚でした。ストーリーや伏線が特筆して良いかといえばそんなことはないし、アクションシーンが伝説的に凄いというわけでもない。しかしやはり素晴らしい、という感想を持つのは、もはやこの時代の西部劇を見れたこと自体、あるいはモノクロでサイレントだからこその味、雰囲気を感じられたことによるある種の感動?によるものなのでしょうか。 作品の内容としては、本作の目玉はやはり横一線に並んだ馬の疾走シーン。その迫力は言うまでもなし。また、とぼけたおっちゃん三人組のカッコ良さ。その熱さ。今となってはありがちなんだけど、台詞が画面を切り替えての字幕な故に、要所要所の一言にゾクリとするような感覚を覚えます。より台詞が際立つというか。この辺、本作のような作品ならではの魅力と感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-19 01:29:28) |
5. 砂漠の流れ者
《ネタバレ》 だめだ。こういう系の作品はどうも合わない。表面だけを見たって仕方がないことはわかるけども、その表面が滅茶苦茶すぎてぶっ飛んだ印象しか感じなかった。一目惚れ・・・ではあるが胸しかみてないホーグ、神父・・・ではあるが変態なジョシュア、復讐・・・ではあるが一人は生かすどころか後を継がせる、など、どれもこれも西部劇の鉄板パターンから中途半端に軸を外していてなんだかモヤッとする感じ。また、他の西部劇と比べてコメディ要素とエロ要素の割合が高いが、作風を抜きにもどちらも合わず。あの早回しはなんなのよw [DVD(字幕)] 3点(2014-03-08 03:03:08) |
6. 3時10分、決断のとき
《ネタバレ》 2周目視聴。やっぱ面白いですね~。まずさすが2007年に作られた西部劇というだけあってガンアクションシーンが凄い。主人公に弾は当たらないの法則はわかっていても緊張感がバリバリ伝わってきます。昔の西部劇のアクションシーンは撃たれて馬から転げ落ちたり馬から馬へ飛び移ったり個人の銃の扱いが凄かったりといった肉体的な凄さで魅せるのに対し、こちらはカメラワークや演出で魅せるものが多く、素人目にも映像技術の進歩ってすごいんだな~と思わせられました。 そしてテーマはやはり「男の誇り」。これは西部劇お馴染みですね。っていうかリメイクだからお馴染みもなにもないけど。 ダンは最初こそ200ドルを得るために護衛に志願するが、途中ウェイドから「1000ドルやるから見逃せ」と言われたあたりから、ほんとに欲しいのは金じゃないという意識を自覚し始める。「逃げても200ドルあげるし、誰も責めないよ」と言われても逃げ出さないのが決定的。さらには例えユマ送りに成功しても脱走されてしまうであろうことを知りますが、そんなことはもはや問題ではないのですね。ダン以外の周りの連中は皆自分の利益第一で、たとえウェイドを逃がしたって護衛を殺して金さえもらえりゃ良い、自分が死ななきゃ良い、という発想。もちろんそれも正しいっちゃ正しいのだけど、ダンは違う。そんなダンは金で何でも手に入るウェイドすら持たないモノ(誇り)を得ようとしており、そこに尊敬の念を抱き、最後のウェイドのあの行動に繋がるんですね。 ウェイドについては、女を優先してあっさり捕まる点や「生きてたほうが地獄」という台詞から、逃げられたら逃げられたで良いし吊るし首なら吊るし首で良いし、別に何でもいいや的な発想が強かったのでしょう。宗教的な思想はよくわかりませんが、その辺も関係あったのかも? [DVD(字幕)] 8点(2014-02-16 17:15:56) |
7. 砂塵
《ネタバレ》 いや~中々に面白かったです。まさにドタバタ西部劇という感じで、それぞれのキャラや会話、思惑ありきのやりとりを楽しむ映画ですね。コメディ要素もありますが、どちらかというと警察ものの娯楽ドラマ、というのが近い気がします。劇中サルーンで何度か舞台が行われ歌が入りますが、こちらもポップ。 本作では特に主人公のキャラが良かった。保安官なのに銃を持たず丸腰。しかし超凄腕。プライドを重んじる男らしさもなくゆる~い感じのスタンス。そして法を絶対的に重んじ、従う。それ故に理不尽に牧場を奪われたおっちゃんの味方ではなく、牧場の権利書を持つイカサマ野郎の味方をする。また、巧みな話術と合理的な方法で任務をこなし核心に迫っていくのも良い。自分がこう言えば相手はこうするだろうというのを先読みし、証拠を挙げる手腕がなるほど上手いな~と思いました。あと随所に挟まれる友達の話シリーズも好きです。 まあパターンですが、こういう系の映画のキーパーソンはやはり女性ですね。女は強し。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-13 00:39:04) |