21. ザ・フライ
着る物にあれこれ迷わなくて済むというわけで、まったく同じツィードのジャケットが数着吊るしてあるシーンや、転送実験でのジーナ・デイビスが片足立ちでヒールを脱ぐ色っぽさ等々、本来、ストーリーとはあんまり関係のないようなシーンがやけに強く印象に残っています。それだけに名作といってもいい程で、クロネンバーグ監督としても唯一明快な作品として仕上がってます。 7点(2000-10-19 23:23:29) |
22. サブウェイ・パニック
今は亡きウオルター・マッソーの代表作の一本。当時流行った沢山のパニック・ムービーの中では、他と一線を画する作品として記憶に留めておきたい。地下鉄という極めて日常化されている素材だけに、ごまかしがきかないわけで、その点本作は納得のいくように仕上げてあって、アイデアの良さを演出テクニックでさらに面白くするといった、ひとつの手本のような冴えを感じさせる。実際、全編のほとんどが地下鉄車両と構内、そしてコントロール室のみながら全く退屈することがない。公安局警部補のウオルター・マッソーのキャラクターも、どこか“刑事コロンボ”風ではあるけれど、相手(犯罪者)の特徴を鋭く掴んだりして、ラストの“くしゃみ”に対する“ある習慣”を巧妙に生かしたオチにしている点など、実に鮮やかであります。 9点(2000-10-01 20:54:55) |
23. 最終絶叫計画
ベースとなっているのは「スクリーム」で、他の人気映画をもパロったつもり(?)の作品。でもそのパロディーもほとんど何の意味も無く、ただ“便宜上使用しているだけ”といったもので、ここには“絶叫”も無ければ“笑い”も無い(ただ下ネタの場面では笑ったような記憶があります)。日本人にはほとんど気づかないようなネタが、アメリカ人には大ウケなんでしょうねっ(“全米No1ヒット”も、もういい加減にしろよっ!)。ただSFX、いや“仕掛け”だけははなかなか凝ってます。 4点(2000-09-18 00:15:58) |
24. サイダーハウス・ルール
牧歌的で心温まる作風の中に過激できわどい部分を内包している、このJ・アーヴィングの作品世界をラッセ・ハレストレム監督が見事な映像化に成功している。彼にとってまさにうってつけの題材だと思う。キャスティングも見事だし、なんといっても子供たちが素晴らしい。まさに本年度ベストワンの風格をそなえている。 9点(2000-07-09 23:38:29) |