1. 21グラム
《ネタバレ》 言いたいことがあれもこれもある映画だった。そうですね、「神様の領域にずかずかと足を踏み入れた人たちの物語」というのがいちばんの感想です。臓器移植に人工授精に中絶、集中治療室で生命維持装置をつけられた患者たちがずらっと並んでいる光景は違和感と矛盾だらけだった。移植した心臓がダメになりかければ、違うのを移植すると当然のように言い放つ医者にも驚愕した。 最初のほうに出てきたシーンでクリスティーナも人工的に二人の子供を産んだことがわかる。昔馴染みに電話一本して、いとも簡単にクスリを入手するクリスティーナの過去ってどうなのよ? そしてここにジャックである、自分の都合で「神のご意思」と「神への義務」を利用する。神様の領域を無視する人間と利用する人間の話です。 クスリに汚染された体になり本能に正直になったら自分の意志とは関係なくあっさり妊娠し、ひき逃げの加害者と遺族が臓器を提供されたポールを助けるべく必死になるという皮肉。ポールの21グラムが提供されジャックとクリスティーナと自分自身へのケリをつけたということですね、何か因縁めいているとも感じます。 できすぎな感もあるけど、制作者の言いたいことはわかりました。構成と俳優の個性と演技が奥行きをもたせた映画という感じ。 ただ、このキャストの中でシャルロット・ゲンズブールは思いっきり浮いてましたね、それにクスリ漬けの体で妊娠して無事に問題の無い子供が産まれるなんて思えないんですけど。希望を見つけてちょっと穏やかな表情のクリスティーナだったけどこんな状態の体で妊娠して不安じゃないんでしょうか、彼女だけじゃなく出てくる人はみんな愚かなんですよ、所詮人間はこの程度のものなので神様とか信仰が必要になるってことでしょうか?でもジャックのように自分の愚かさを神様のせいにしちゃう人もいるわけですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-07 18:31:25)(良:1票) |
2. ニューヨーク・ストーリー
三話とも特別面白くない。私としてはオープニングに流れるプルコルハルムの「青い影」とコッポラの二作目に登場するジャン・カルロ・ジャンニーニに尽きるかな。「ニューヨーク・ストーリー」というほどNYしてない感じ。スコセッシの一話目はまあ普通に観れるかな?ロザンナ・アークエットが魅力的です。あとの二作はファンタジー。デボラ・ハリーってどこに出てた? [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-02-24 21:57:49) |
3. ニューオーリンズ・トライアル
久しぶりにジョン・グリシャム原作の映画を観ました。陪審員コンサルタントなる職業があることも初めて知りました。ジョン・キューザックはまっとうな正義の人という役柄が少ないからなのか、ラスト近くになるまで善人なのか悪党なのかどっちだと引っ張られましたね。キューザックが出てればお約束通りジェレミー・ピヴェンもいるわけなのですが、ダスティン・ホフマン側のコンサルタント役としてはちょっと影が薄かったのが残念です。キューザックの友人&協力者でもっと絡んでくるのかと思った。なんといってもジーン・ハックマンかなあ、いつもながら凄い存在感です、ダスティン・ホフマンとのキャラの違いを着ているスーツで見せているのがいいわね。テンポもいいし、これはかなり面白いよ。レイチェル・ワイズは強いし。「12人の怒れる男」を彷彿とさせるシーンは盛り上がったなあ、あそこはもっと見たかったです。この数年に観た法廷モノの中では抜群だと思う。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-07-03 10:26:25)(良:1票) |
4. 2001年宇宙の旅
過去に何回か放送された時、所々ちょっとずつ見た経験はあったけど、この度ついに最初から最後まで見てみました。いやはや忍耐力のいる作品でした。睡魔と闘いながら見ること2時間半、映画というよりドキュメンタリー、イメージフィルムといった感じを受けた。モダンアートのような映像がとにかく刺激的。「白」がマットでトロっとした濃厚なミルクみたいな色、それがとても怪しい雰囲気です。モッズ調の衣装がなぜか宇宙とミスマッチでおもしろい。そういえば60年代前半は急速な宇宙開発でスペース・ブームと同時にモッズファッションも流行していたはずだ。全体的にはホラー映画を見ているような感じ。なにか宗教的、哲学的なものを強く感じるけれど、それが何でどんなものかということはわからないし、わかりたいとは思わない。ただね、人間なんて宇宙の中ではかろうじて生かされている、とるに足らない存在。にも関わらず木星調査だのなんだのと、宇宙の神秘を把握しようだなんて身の程知らずだよね、などと思ったのでした。劇場のスクリーンで見てたら頭が痛くなりそうなので、私はテレビで充分でした。 5点(2004-09-11 16:01:33) |
5. ニック・オブ・タイム
ジョニーがこの役ではつまらないというようなご意見が多いようですが、ジョニーファンの私としては短髪、ひげ無しと清潔そのもの、サラリーマン風スーツを着た幼い娘を持つちょっと頼りなげなお父さん役のジョニーが見られる貴重な1本ですわ。この頼りなげというのがジョニーの持ち味だし、ワトソン君を演じるにあたってもポイントのように思う。ウォーケンは最期に「オレの目に狂いはなかった」と言い残してたわよね。作品としてもちょっとヒッチコックを思い出すような感じだし、けっこうハラハラさせられたし一気に観られておもしろかったです。チャールズ・S・ダットンはおいしい役ですよね。これを観て思ったけどジョニーとクリストファー・ウォーケンって相性いいですねえ。この4~5年後に共演した「スリーピー・ホロウ」でもこの二人よかったですよね。ウォーケンはジェネレーションXと呼ばれる俳優たちとの相性がいいのかもしれない。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2004-04-30 00:48:18)(良:1票) |
6. ニューヨークの恋人(2001)
こういうあり得ないことが描かれているお話は突っ込みどころ満載に決まってるし、こっちも承知なのだから突っ込むのはかえって野暮ですね。メグ・ライアンは40才くらいの時にこれに出演したのね。40才には見えないけど40才の女優がケイトを演じるのがちょっと痛々しい。それに痩せすぎじゃないか?ヒュー・ジャックマンはハマってましたねえ。オーストラリア出身だけどキチンと英国貴族に見えました。「高慢と偏見」のコリン・ファース演じるミスター・ダーシーを参考にしたとか。だからなのかメグの秘書はダーシーという役名で、上司のJJはどことなくコリン・ファースに風貌が似てたような気がする。スチュアート役のリーヴ・シュレイバーがこんな役をやってるのを初めて見ました。ひとつだけ突っ込んじゃおう!現代のキャリアウーマンの代表みたいなケイトが19世紀ではたしてやっていけるものなのか?帰りたくなっちゃうんじゃない? 6点(2003-11-30 20:19:55) |