1. バベル
結構評判よくないみたいですが僕はかなり見入ってしまいました。皆さんご指摘の通り、4箇所で展開されるストーリーをライフル1本で(しかも日本人ハンターのもので)つなぎ合わせるというのにはちょっと強引な気がしました。しかし、この話は伝えたいことが伝わらないことの悲しさと、空しさとやるせなさの話ではなく、そうした人間が人間であるが故の障害みたいなものを「愛」などと称されるいわゆる人を思う気持ちによって乗り越えることが出来るというメッセージを込めた、非常に力強い作品だと感じました。それは、兄のために銃を捨てた弟の「愛」であったり、妻を思う夫の「愛」であったり、他人の子供のために必死に車を探しに行くベビーシッターの「愛」であったり、その彼女を抱きしめ、受け止める息子の「愛」であったり、父をかばおうとして刑事に嘘を付いた娘の「愛」であったりするわけです。そうした描写がただただ問題を丸投げするに留まらない、見事なたくましさをこの映画に与えていて、鑑賞後には何故か涙を流してしまいました。ただし、21グラムよりはよくなかったし、前年のアカデミー賞作品賞受賞作「クラッシュ」に似た部分が多々あったことから、やはり作品賞の受賞はありえなかったのではないかと感じました。でも、まぁ駄作「ディパーテッド」よりはかなりいい作品であることは確かです。それにしても、菊池凛子の演技がそれほどまでに素晴しいとは思えなかったのは気のせいでしょうか??確かにブラット・ピットを食っていましたけれども、それはあくまでも役柄の強烈さに由来するものであるのではないかと思いました。ということで、彼女の助演女優賞受賞がかなわなかったのも納得でした。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-08 02:28:37) |
2. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
キューブリックがこんなブラックコメディーを作るなんて意外でしたが、かなり楽しめました。最後のオチは最高ですね。やはりこの監督はとんでもないセンスの持ち主だとおもいました。随所に見せる冴えはこの後にもっと才覚あふれる作品を作る巨匠らしさに満ちていますね。見所満載黒色喜劇。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-11 02:13:36) |
3. 二十日鼠と人間(1992)
悲しい。ひたすらに悲しい。どうしようもないやるせなさを感じる映画。見終わった後に、しばらくこの映画について考えてまうほど奥が深い映画です。この映画は、人が問題を解決するのに使う道徳や倫理観の範疇を超えた非常に微妙で繊細なテーマを盛り込んでいるために、やるせなく感じるのでしょう。さすがスタインベック。こんな気持ちにさせてくれる映画なかなかないですね。主演の二人の熱演も見事。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-04 00:46:03) |
4. パルプ・フィクション
この映画だめな人にはだめなんでしょうね。セリフは長いし、画面を無駄に広く使っているし、感情移入していたトラボルタがあっさり死ぬし、、、。欠点を上げたらきりがない。しかしこの映画、僕は非常に面白く見させてもらいました。意外に複雑なことを、実にうまくやっているし、個々のストーリーにクセがあり、多少過剰すぎる会話のやり取りも嫌いじゃないです。さすがタランティーノ! [DVD(字幕)] 7点(2005-11-04 00:23:32) |
5. パンチドランク・ラブ
映像がこっていてなかなか楽しめた。しかし凄く変な話の連続だし、終始主人公の危ない性格についていけなかったのが少々残念だった。ここまでダメな主人公の行動を90分見るのには、それなりの心理描写がなされているべきだったと思う。まぁこの主人公の心の中を垣間見ることはどんなに頑張って心理描写したところで理解できないような気もしますが、、、。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-16 19:05:02) |