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Qfwfqさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 170
性別 男性
年齢 43歳
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1.  マッチポイント
やたらと顔を出す現代絵画とオペラ、そして変則的「罪と罰」といった小賢しさや、登場する人物も含めたこの映画を形作る浅くて薄っぺらなオブジェが、ストーリー以前に映画のいかがわしい雰囲気を見事に成立させている。ロンドンを底とした鋳型にはめ込まれる典型的なブルジョワ家族、魅力的な女優志望の女、そして元テニスプレーヤーで野心に満ちた(そうでもないか)主人公、彼らは自分の役柄を逸脱する事はない。観客を試すようないやらしい面を持っているとも言えるが、冴え渡った演出の巧みさに唸らされること間違いなし。スカーレット・ヨハンソンのファーストショットは堪らないでございますよ。
[映画館(字幕)] 8点(2006-10-25 11:16:07)
2.  マルホランド・ドライブ
この映画に出てくるファミレスとそっくりな場所が東京の登戸周辺にあるらしい。まあ、そんなことはどうでもいい。私はこの映画が大好きである。ただ、大好きといいながら最初は意味がよく分からなかった。前半と後半でナオミ・ワッツが同一人物だとは思わなかった。それでも意味不明では済まない高密度な展開を目の前にして思わず戦慄した。何度か鑑賞の後、ストーリーを理解した時はリンチの虚実感覚に確かに驚いたが、それよりもこの悲しすぎるラブストーリーの濃度がこの映画のキモなのだと確信した。リンチはどう考えてもヒューマニストだ。その意味不明な映像の連続とフリークス達に、まず目がいってしまうが、彼の映画の本質は社会からはみ出てしまった人間たちを「ありのまま」描くことにある。トラウマ体験間違いなしの「イレイザーヘッド」ですらそれが見て取れる。おそらく彼にとって、むき出しの人間をそのまま描くのは顔が赤くなるぐらい恥ずかしい事でもあるんだろう。リンチは社会から見えない異形を映し出す「ラーのかがみ」になる。そして登場人物達に「遠回しの愛情」を注ぐ。それがまた魅力的なのだ。前半の、ありえないぐらいキラキラしていてポジティブ、それでいてエロさを併せ持つベティはまさにハリウッド的異形。発端だけ提供される幾つかのストーリーは次第に消えて一本の筋が見えてくる。それは一本の張り裂けそうな欲求だった。そしてデビッド・リンチの冷徹な視線はそんなベティの妄想を打ち砕く。夢は破れてしまった。映画は一気に破局を迎える。ベティ(ダイアン)とリタ(カミーラ)の蜜月がオーバーラップされ、最後の「シレンシオール」。うーん、切ない!ダイアンの衝動は「ノー、アイ、バンダ!!」のシーンに集約されるのだと思うと泣けてくる。
[映画館(字幕)] 9点(2005-03-14 09:49:37)
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