441. ブルージーン・コップ
ディラン・サラフィアンって、確かリチャード・サラフィアン監督(『バニシング・ポイント』の人。『クライシス2050』は忘れてあげましょう)の息子さんでしたっけ? 押しのつよい演出は親父さんよりずっと優秀ですなあ。まだ元気いっぱいのヴァン・ダムも、文字通り美しい回し蹴りをこれでもか! ってくらいに披露してくれるし。シンシア・ギブも、下着姿なんか見せてくれちゃって、オジサン(見た当時はオレも若かったけど…)はたまりません! 8点(2003-05-16 17:37:29) |
442. ディレイルド/暴走超特急
実現するには、最低でも5千万ドル以上はかかるだろう脚本を、どう見たって5百万ドル程度で作っちゃいましたってな、トホホな代物。実際、あのチャチな列車やヘリコプターの模型がよろよろと画面を横切った日にゃ…(涙)。小生はヴァン・ダムを深く愛する者ではあるが、そして最近のB級路線への回帰(まあ、落ちぶれて戻らざるを得なかったと、世間じゃ見るんでしょうが…)は、個人的に歓迎だったのだけど、今回は風呂敷を広げすぎた。カエルが牛の真似して腹を膨らませても、所詮は破裂して果てるだけなのだよ。 4点(2003-05-16 14:37:59) |
443. ザ・コア
小生の周囲じゃイマイチ評判が悪く、事実アメリカでも批評・興行的にコケたとか。…か、悲しい。でも、往年の我が東宝SF映画(『妖星ゴラス』とかね)を想いださせる良い意味でのノーテンキさとか、人類の危機だってのに何か軽~い雰囲気が、個人的にはマルです。特に、会話のウイットに富んだセンスが、実に、実によろしい。あのすべてに野暮の極致といった『アルマゲドン』とは、どうぞ一緒になさらぬよう。逆に、あの映画が好きな皆さんはご遠慮された方が賢明でしょう。 ただ、こういう往年のハリウッド映画が持っていた「粋」なスマートさを、観客の側がもっと理解しつつ楽しめるという風潮が、最近どんどん失われているように感じる…日本でも、たぶんアメリカでも。別に映画マニア風に見ろというんじゃないけれど、映画にもかれこれ100年以上の「歴史」があるということ、その“重み”の上に成立している面白さがあるということに、ちょっとでも思い巡らせると映画ってもっともっと「楽しい」と思いますよ。……なんて、ナマイキでしたかね。スミマセンね。 8点(2003-05-16 14:09:24) |
444. X-MEN2
うーん、前作よりかは派手めな展開と見せ場の数々は認める。が、自身ゲイであるブライアン・シンガー監督てば、このシリーズをどうしても「隠れクィア-映画(!)」にしたいと思ってて、一方でスタジオ側が要請する娯楽超大作としても成立するような作品にしたい…と。問題は、彼にそんな大それた野心を実現できるだけの演出力がまだ備わってないってことなんじゃあるまいか。今回も、ミュータント学校の生徒たちが関わるシーンはなかなか良いんだけど、肝心のXーメンたちの活躍が冴えず。やはりシンガーには、独創的な小品、というスタンスがお似合いじゃないですか。唯一、あのミスティーク(役も演じる女優サンも!)大活躍にはニッコリだけど。 5点(2003-05-16 13:52:03) |
445. ブロンドの標的
《ネタバレ》 ブロンドさんが標的にしているのが、「切手(!)」という結末に、ギャフン(死語)。パッツィ嬢は結構イイお歳なのにロリロリな肢体さらけだしての熱演だが、何でこんな程度の映画で? という不憫さが最後まで拭えません。まあ、我が愛しのジェニファー・ルービン様が、この下手クソなC級スリラーをひとりで救っております。最初に彼女が登場するシーンから、さり気なくボ-ルドウィン君と親密になっていくあたりのシーンは、際立って良かったもの(いや、ヒイキめ抜きで)。ああ、ル-ビン嬢とあんな“関係”に一度でもなれるんなら、ぼくだって破滅したっていい! なんなら妻子も棄てるっ! (…ウソ)。彼女の存在だけでも、小生には忘れ難い1本。 3点(2003-05-16 12:11:53) |
446. ダリアン
まあ、言わばティーンエイジ版『危険な情事』といったシロモノでしょうか。アリシア・シルバーストーン嬢の小生意気そうな鼻っぱしらが実に役柄とマッチしているものの、未成年ポルノに厳しいアメリカらしい中途半端さがイライラ。おまけにケーリー・エルウェスがどう見てもアリシア嬢が邪念を燃やすような教師には見えんのが致命的じゃあ! ただ、彼の恋人役がジェニファー・ルービン!! いつも悪女やキレた役ばかりの彼女が、珍しく”善い人”やってて、ファンとしてはうれしいようなこそばゆいような…《追記》あらためて再見したら、まあ小ぢんまりとまとまっていて、悪くなかったです。特に、ダリアンがクロ-ゼット内に身を潜めるあたりなど、室内シーンの撮影がなかなかに見事。このあたり、イーストウッドの『恐怖のメロディ』に通じる撮影監督ブルース・サーティーズの功績大とみた。よって点数4→7に変更! もちろん、客観的に見てたいした映画じゃないのは確かだろうけど、ひとつだけでも惹かれるものがあれば、それは十分「愛」の対象になり得るもんです。映画も、人も。 [映画館(字幕)] 7点(2003-05-16 11:47:43) |
447. ダブル・インパクト
ちなみに、個人的評価は8点。単に他人にはおいそれと奨めるつもりがないから「4」ということで。だってお互い、イヤな思いしたくないっしょ。でもさ、撮影監督リチャード・クラインならではの夜間場面の素晴らしさや、ほとんどジーン・ケリーのようなヴァン・ダムのアクションの美しさを、どうして誰も見てあげようとしないのですか? …とまれ、小生的にはこの本作と、『ボディ・ターゲット』、『マキシマム・リスク』がヴァン・ダム映画のベスト! 《追記》皆さんのレビューを拝見していてあまりに悲しくなった(笑)ので、やっぱり8点献上! B級映画は、作り手にヤル気があるかないかを評価の基準にしたい。なければ単なるクズだし、予算がないなりに一生懸命あれこれ工夫を凝らしていれば、ヘタなA級大作なんぞよりよっぽど「映画的」な充実感をもたらしてくれる。だって、映画とは本来そういった作り手の顔や熱意が透けて見えるところに感動があるものじゃないか。いくらカネをかけて、最新のSFXやCGを駆使したスペクタキュラーな映像を繰り広げたとして、その画面のなんて冷ややかで、無感動なことだろう(ex.ジェリー・ブラッカイマーあたりの作るイベントムービー。あれって、映画といえるのか?)。…この頃のヴァン・ダム作品には、間違いなくそういった“熱意”がほとばしっている。 8点(2003-05-16 11:27:26) |
448. 心臓が凍る瞬間(とき)<TVM>
とにかく我が最愛のジェニファー・ルービン様が出演しているだけで、しかもニューロティックなキレまくり演技に感涙。映画も、B級スリラーでありながらどこか『ベティ・ブルー』していて、「精神異常であるのはわかっていても、俺のことを“好き”と言ってくれたのは彼女だけだったんだ。俺はそんなアイツのためなら何だってする!」というディラン・マクダーモットにナミダ…。彼とル-ビン様の「ニューロティックな“ボニーとクライド”ぶり」は、ベネックスのご本家よりもある意味哀しく忘れ難いものがある。ジェニファーと言えばコネリーよりルービンな世の皆様(果たしてどれくらい存在するのか…)なら、彼女の出演作のなかでも最高傑作のひとつという小生にきっとご賛同いただけるハズ! どなたか、「JR友の会(って、何か鉄道マニアの会みたいだな…)」を創りませんか? 《追記》久しぶりにビデオで再見。やっぱりこれ、低予算のTV映画風でありながら実に良くできた小さな“大傑作”だと再確認しました。ジェニファー・ルービンの“壊れっぷり”と、それゆえの倒錯的美しさにウットリ・・・。誰もあまり見てくれない(というか、コメント書いてくれない)んで、ええいっ! と、点数を「8」から「10」にしちゃいます。個人的には当然の満点映画なんで。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-05-15 16:47:56) |