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81.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
これが噂のパイレーツ・ムービー!夏休み映画の中で、洋画としては群を抜く人気と興行成績だとか。「“海賊モノ”は日本では当たらない!」などという記事が、どこかの雑誌に書いてあったが、こういうジャンルは近年ではむしろ珍しいほどで、ほとんど記憶に無いほど最近ではお目にかかったことが無い。だからヒットしたのも、その新鮮さに拠るところ大だが、やはり当代人気俳優J・デップの怪演と、人気急上昇中のO・ブルームの美男子ぶりを忘れてはならない。一見CGとは解からないような、かなり細かい作業の映像表現も素晴らしい効果をあげているが、吸血鬼が太陽光を浴びると消滅してしまうという設定を逆手に取ったような、海賊たちが月光に照らされると骸骨に変身するシーンがやはり凄い見せ場となる。(ただし「ハムナプトラ」以降、かなり使い古された手法といった感は免れないが・・・。)本来ならもっと過激でエグい描写になりそうだが、さすがにG・ヴァービンスキー作品だけあって、抑制の効いた節度ある作劇法はさすがで、バランス感覚の良い登場人物の描写ともども、好感が持てる作品となっている。
8点(2003-09-28 18:31:46)(良:2票)
82.  ローリング・サンダー(1977)
この時期に多く製作された、いわゆる“ベトナム後遺症モノ”の中でも異色中の異色作。主人公は空軍将校。長く苦しい捕虜生活から解放され帰国した彼を待ち受けていたのは、お座なりの歓迎と待っている筈の妻の夫への裏切り。失意の中、やがてならず者に妻子を殺され、自らも右腕を失ってしまう運命に。ベトナムで負け戦を強いられ、帰郷しても生きる気力を無くしかけていた彼が、復讐を果たすことで見せる男としての最後の意地。それは自らのアイデンティティを確かめる闘いでもある。脚本が「タクシー・ドライバー」のP・シュレイダーということもあり、本作もクライマックスの凄まじいバイオレンス・シーンに力点が置かれていて、我慢に我慢を重ねやがて怒りを一気に爆発させるというシチュエーションは、まるで日本の仁侠映画のようであり、かつての戦友(若き日のT・L・ジョーンズ)を従え、売春宿へ弔い合戦に向かう姿などはまさにそれ。軍服に身を包み、義手に銃身を短くカットしたショット・ガンを構えたW・ディベインには強烈なほどの凄味を感じたもので、そういう意味でも彼の代表作だと言える。
8点(2003-09-28 17:29:05)
83.  ファミリービジネス
親子3代が泥棒稼業というお話。ここで言う“Family”とは“家族”と言うよりも、むしろ“一族”もしくは“民族”と解釈したほうが良さそうだ。映画の中の彼らが揃って風貌も考え方もまったく似ていない(いや、敢えて似させていない)のも、明らかにアメリカへ渡ってきた移民の末裔であることを強調したかったからに他ならない。これは多民族国家アメリカの大いなる特徴であり、舞台がニューヨークであるならば、尚更似ていなくとも何ら不思議ではない。大柄でダンディな女好きの祖父ジェシー(=コネリー)に何かと憧れを抱いている典型的なお爺ちゃん子で、泥棒というにはまだヒヨッコの孫アダム(=ブロデリック)。そんな彼らの間に立つヴィトー(=ホフマン)は息子アダムの将来を案じ、何かと反目し合う父ジェシーを警察に売ったりする小男・・・といったアンサンブルが面白く、彼ら名優たちの演技合戦もまた楽しい。泥棒映画としてのサスペンスフルなストーリー性よりも、親子の反撥と和解といったテーマをベースに、民族を大切にしニューヨーカーとして生きてきた彼らの人間ドラマにより重点が置かれた作品だと言える。サイ・コールマンの都会的なスコアが心地よく、劇中で歌われる“♪ダニー・ボーイ”が胸に染みる。
7点(2003-09-28 16:12:14)(良:1票)
84.  エデンより彼方に
舞台はニューイングランドのハートフォードという片田舎。エリートの夫には貞淑な妻であり、子供たちには賢い母親として、何不自由ない暮らしを送る美貌のキャシー。周囲からは憧れの的であり、理想の主婦ともいえる彼女が迎える人生のターニングポイント。これは様々な意味合いを込めて、50年代と言う時代背景を意識した作品だと言える。それはまさに偏見と言うものが、人の生き方をも大きく変えてしまうという哀しい時代。昨日まで仲の良かった親友でさえも、手のひらを返したような排他的な態度。このまやかしの楽園である見せかけの世界に、真の自分というものを失わずに生きていこうとする彼女の姿には、やはり共感せずにはいられない。大メロドラマのスタイルをもったこの作品の魅力は、ストーリー以上に、見事なカメラワークによる色彩の美しさ、この時代の男と女のエレガントさ、女性たちが身に纏うコスチュームの素晴らしさ、そして何よりもヒロインを演ずるJ・ムーアが魅せる眩いほどの美しさ。そう「めぐりあう時間たち」と錯覚するほど、この作品での彼女と酷似しているのは単なる偶然だろうか。そしてこういった役どころは、もはや彼女の独壇場と言っていいかも知れない。夫フランク役のD・クエイドにはこういった役柄はむしろ不似合いな気もする。黒人の庭師レイモンドを演じたD・ヘイスバードは今後の注目株。
8点(2003-09-07 16:46:34)(良:2票)
85.  サラマンダー
終末感漂う近未来の物語ではあるが、舞台は中世ヨーロッパと見紛うほど。その渋くて暗いトーンは、いかにもドラゴンが暴れまわるに相応しい。ただ、核戦争や彗星の衝突の脅威といった作品群が主流を占めているのに対して、世界を滅ぼしたのが何故ドラゴンでなければいけないのか・・・と言った基本的な問題には、やはり引っ掛かざるを得ない。しかも如何にして世界が破壊されていったか・・・といったプロセスが完全に素っ飛ばされている為に、物語としてはまったく説得力を持たないものになってしまっている。さらに、安易な決着の仕方にも盛り上がりが欠ける・・・等々不満を言えばキリが無いが、希少価値といった意味でも、こういった作品世界は決して嫌いではありません。
7点(2003-08-29 23:29:18)
86.  ミニミニ大作戦(2003)
オリジナルのどこか気品があって大らかな作風に対し、新作はいかにもハリウッド製ハードアクション然とした、がさつさが売りのようだ。かなり大胆で大がかりな仕掛け(アイデア賞もの!)は、まさに強奪という言葉がピッタリだが、やはりアクションも今風の味付けが施してあり、かなり荒っぽいものの、水準以上の出来だと思う。C・セロンが久々に適役を得て光彩を放っているだけに、男優陣が少々影が薄いように感じたのは私だけでしょうか。さらにミニクーパーの機動力やその魅力にあまり力点が置かれていない事と、締めくくり方に盛り上がりがなく少々中途半端・・・といったところに不満は残る。
7点(2003-08-29 00:27:02)
87.  トレジャー・プラネット
フルCGによる立体アニメが幅を利かせている昨今、本家ディズニーの最新作は、まさにその伝統からくる自信を誇示した冒険活劇の王道をいく一級品だ。登場する様々なキャラクターたちの魅力も然ることながら、スペクタクルな視覚効果とイマジネーション、そしてスピード感溢れる見せ場の連続など、海賊船などの乗物のデザインにレトロな部分を残しながらも、全体的な創りは今風の味付けが施してあるのは、やはり時代の要求ということだろうか。ただ、今回舞台を海ではなく宇宙にしているのだが、その空間的な広がりをも含めて、宇宙をまったく感じないのは何故だろうか。
8点(2003-08-28 00:27:37)
88.  メカニック(1972)
殺し屋としての殺しの美学と言うよりも、男の行動の美学というものがより顕著に表現された作品だったのではないだろうか。そのテクニックは大掛かりなものから、小手先だけのものといったものまで、多岐にわたる。しかし頭脳明晰で完璧な計画の下、黙々と遂行されるプロセスはスリリングですらある。才能ある若者を一人前の殺し屋に育て上げる事をサイドストーリーにして、殺し屋の世界の非情さを描いてはいるが、カーアクションや銃撃戦、クルーザーの大爆発など、エンターティンメントとしてド派手な見せ場にも事欠かない作品だった。ブロンソンの映画である以上に、やはりこれは監督M・ウィナーの作品だと言っていいのではないだろうか。
8点(2003-08-24 23:06:10)
89.  ネメシス/S.T.X
この“スタトレ”シリーズも時折拝見するが、マニアックな人にしか理解不能な宇宙用語(もしくはスタトレ用語)の濫用と、ストーリーの煩雑さで、“宇宙冒険活劇”でありながら、これほどカタルシスを味わえないシリーズも珍しいのではないだろうか。今回も個々のキャラクターは魅力たっぷりなのだが、垢抜けしないのは相変わらずだし、SFXも驚くような仕掛けや目新しさも感じられない。そして何よりも暗黒の宇宙を舞台にしている事が作品をより単調にしてしまっている。エンターテインメントでありながら、SF映画の命ともいえる視覚的変化が乏しいと、ストーリー以前の問題で、斯くも面白みのない作品が出来上がるという見本。要は工夫とサービス精神が足りないということだが、製作サイドとしては万人受けとしては意識していないのかも。
5点(2003-08-03 16:56:56)
90.  ソラリス
オリジナル版を観ている人にとっては、やはりある種の物足りなさを感じるところだが、決して不出来な作品ではない。S・ソダバーグ監督のジャンルを問わない“何でも屋”精神は大いに買いたいところ。ただ、ラブストーリーに絞って描くのであれば、何も“ソラリス”である必要はないのではないか。つまり、記憶を具現化させるソラリスと人間との拘わりというものが、本作の最も欠落している部分であることから、物語としてはもうひとつ魅力がなく、興味も湧かないのである。独特の音響効果によるCGで表現されたソラリスは陶酔感溢れる美しさだし、宇宙船内部のセットデザインも見事なもの・・・といった、視覚・聴覚的に強く印象に残った作品だったと言える。
6点(2003-07-22 00:12:20)
91.  完全犯罪クラブ
繊細で誰よりも傷つきやすい感受性豊かな知性派と、反社会的な行為もいたってクールな行動派といった二人の学生知能犯と、ある暴力でトラウマとなっている反面、それに強く惹きつけられ、敢えて危険を顧みない行動に出る女捜査官との、ある殺人を巡ってのまさに知恵比べ・根競べ的作品。完全犯罪を狙っても、やはりそこは人間がする事。定石通りの裏切り行為により事件は呆気なく解決するが、女だからといって大人をナメては行けないという、これは子供への教訓なのかも知れない。
6点(2003-07-21 16:22:59)
92.  ザ・コア
昨今流行の“地球を救う的SF映画”には、核の平和的利用あるいは核万能を謳った作品が目立つが、本作も核が全てを解決してくれるという基本的なパターンは同じで、まさに“核には核を”なんて洒落のような設定に、企画の安直さが漂う。だいたい地球の中心部に核を爆発させたら、もっと他に大変な事態が生じるのではないかと、素人は考えるのだが・・・。まぁそれはそれとして、この作品、視覚的にどのような見せ場を作ってくれるのかと大いに期待していたのだが、結果的には実に残念な作品だったと言える。目的地がまったく変化の乏しい地球の中心部という事もあって、視覚的には単調にならざるを得ないのは当然で、それを頼みのCGで再現してみても、その地底世界はまるでアニメのような実に重量感の無い薄っぺらなものとしてしか映像化しきれていない。地上での様々なパニックがリアルで出来が良いだけに、肝心の核の部分での表現の貧困さが余計に際立ってしまったという、実に皮肉な結果となった。
6点(2003-07-07 00:37:43)
93.  アウトランド
一見、SF映画の形を借りてはいるが、これは明らかに西部劇を意識した作品。保安官然としたS・コネリーに歩調を合わせるかの如く、SFXもすこぶる渋くて実にリアル。宇宙船での孤立無援の戦いを強いられる主人公だが、さすがにP・ハイアムズ監督だけあって、アクションの冴えは地球を飛び出しても健在で、船内を所狭しとカメラが追いかけ回すスピード感溢れる“定番映像”も、すこぶる快調。作品傾向がある種の軽快さを身上としている人だけに、全体的に少々重厚になり過ぎたきらいはあるが、アクション映画としては水準以上の出来で、まずは楽しめる一篇。
7点(2003-06-15 17:15:15)
94.  X-MEN2
原作のコミックに描かれている(らしい)人種差別問題がベースにあるという事だが、本作を見る限りにおいて、そんなものはほとんど感じられない。荒唐無稽のエンターティンメントなのだから、むしろそんな必要性は無いように思う。それにしても、この派手な意匠を持った作品が、大したヒットにもならないのは何故なのだろうか。一部のマニアにはウケるという、あくまでも地方区的なヒットで、全国区的なヒットとは言い難い。それは「スタートレック」シリーズに似ているようにも思えるが、奇しくも両作品に出演しているのが、P・スチュアート。表層的な印象に比べ、何と存在感の薄い俳優なことか!かつて、H・フォードが出演するだけで、その映画の格が上がるとまで言われたことがあったが、この人の場合はまったくその逆のパターンのように思えてならない。だからこの人の出演シーン(特に幻覚に操られるという)になると、設定とは言え、それまでの快調なテンポに乱れが生じてしまい、どうしても全体のリズムがギクシャクすると言う悪循環となってしまう。もうひとつ、ミュータントの超能力があまりにも神がかり的で、超能力というカテゴリーから大きく逸脱しているように思う。竜巻を起こしたり、決壊したダムの洪水を体で止めたり・・・。(あんたらは、モーゼかっ!)
6点(2003-06-07 18:18:54)
95.  アバウト・シュミット
老後を如何に生きていくかと言った今日的なテーマを扱った作品で、私達すべてに当てはまり、実に身に詰まされる物語だといえる。定年退職したシュミットにとって、実績や名声といったものはもはや過去のものとなり、しかも人生の大半を妻任せで暮らしてきた彼にとって、老後を共に生きていく筈の彼女に先立たれるという試練が待ち受けていた。老後の生活設計に大きな狂いが生じて、その遣りきれない惨めさを否応なく実感する一方で、ある種の開放感を味わってもいる様子。このあたり、まさにシュミットが可愛げのある男性の典型そのもののように描かれている。経済的には困っていなくても、精神的な支えを無くした彼が、生甲斐を見つける為、自分探しの旅を始めるのが映画の後半部分。娘の元へと辿る道中記は、彼の心象風景そのものだが、このごくごく平凡で無邪気な初老の男を、J・ニコルソンが珍しく等身大の人間として見事に演じきっている。特に、泣き顔というよりはむしろ喜びを押し殺しているというラストの表情などは絶品だ。
8点(2003-06-07 17:15:19)(良:1票)
96.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
仲間たちの目指す旅の目的は同じなのに、計らずも三組に分かれた事により、エピソードのバリエーションが増幅され、前作以上の面白さを引き出すことに成功している。個々のシチュエーションが明確に色分けされていて、ボリュームたっぷりで濃密な映像が繰り出されていくが、CG表現を含めて、些かの手抜きも無ければ破綻も無く、ある一定のリズムで展開されていく物語には、澱みというものすら無い。だからこそ長編でありながら途中でダレることもなく、最後まで飽きさせないで観れるということなのだろう。ただ、血沸き肉踊る最大の山場である戦闘シーンは、あらゆる映像表現が可能というCGの“軽さ”が裏目に出たのか、思ったほどの盛り上がりと迫力に欠けるという恨みが残る。同時に、“二つの塔”そのものの意味合いが、視覚的な部分も含めて、あまり巧く生かされていないという事も感じた。それでも、卓抜した創造力で誕生したニューキャラクター「ゴラム」の演技はまさしく“驚異”であり、これから先も続く旅の“脅威”ともなりうる存在として、本シリーズのみならず映画史においても、特異な存在として君臨し続けることだろう。
9点(2003-05-23 23:25:09)(良:1票)
97.  リップスティック
レイプという今日的な問題を扱った作品ではあったが、娯楽性が強いという事もあって、当時としてもそれ程の問題作という印象はなかったように記憶している。ただ音楽教師としては、作曲する音楽そのものからして異常性が感じられ、この時期もっとも個性的な俳優C・サランドンの変質者ぶりが、強烈なインパクトとして残っている。マーゴ・ヘミングウェイ演ずるファッションモデルが彼にレイプされる生々しいシーンから、一転、裁判モノに移行する構成となっているが、終始被告に有利に展開するレイプ裁判の難しさというものを、考えさせられたものだった。結局、罪を問う事が出来ず、彼は無罪放免。しかし、再び魔の手が自分の妹にまで及んだときに起こした姉の行動が、クライマックスに用意されている。白いドレスを美しく翻しながら、ライフルの銃口を向ける彼女。我慢に我慢を重ねた末の感情の爆発。まさにカタルシスが最高潮に達した瞬間だが、弾が無くなっても引き金を引き続けていたのは、他でもない、我々自身である。
7点(2003-05-23 11:18:17)(良:1票)
98.  めぐりあう時間たち
言葉ではとても表現できない、感動とは違う何か特別な感情が湧き上がってくる。この作品を見た後の自分の素直な気持ちは、こう言ったところだろうか。これほど濃密なドラマを見たのは久しぶりの感がある。オムニバスともフラッシュバックとも違う、三つの異なった時代を生きる女性たちを交互に描いていく演出方法は、斬新で極めて効果的でもある。本作の彼女たちは何らかの形でリンクしていて、人生そのものが謎めいているという共通項をも併せ持っている。そして、ありのままに生きようとする彼女たちを通して、愛することとは何か。本当の幸せとはいったい何なのか。そして生きていくとはどういう事かといった、人間の根源的な在り様を問いかけてくる。壮絶な生き様を見せつけたE・ハリスの凄味は言わずもがな。さすがに名女優たちの演技も三者三様で上手いが、とりわけJ・ムーアは、個人的には今まであまり買っていなかった女優さんだっただけに、彼女の素晴らしさには目から鱗の思いだ。さらに、心の揺れ動きを要求する演技者に対しては勿論のこと、部屋の隅々にまでも計算され尽くしたS・ダルドリー監督の演出は、品格さえ漂わせて見事と言うしかない。(彼の手に懸かれば、卵さえ演技するのだ!)そして、ヒアリングのお手本になるような英語のセリフの明瞭な美しさは、特筆に価することも付け加えておきたい。
10点(2003-05-23 00:22:25)(良:2票)
99.  マッケンナの黄金
アパッチが隠し持った黄金の眠る渓谷を目指して、保安官や無法者たちが争奪戦を繰り広げると言うお話し。グランドキャニオンを舞台にしていることで、いかにも正統派西部劇といったイメージだが、趣向とすればむしろ秘境アドベンチャーものだろうか。G・ペック、O・シャリフ、T・サバラス、エドワード・G・ロビンソン、A・クエイル等々、実に豪華な顔ぶれが並んだ作品だが、捕われの身となり道先案内人になってしまうという、保安官としては何とも情けない設定からして、ペック以下多彩な共演陣のキャラが、あまり生かされていなかったように記憶している。要は、この作品の目的はすべてクライマックスにあるということ。インディアンの呪いがかかっていた黄金を手にした瞬間から、周囲の巨大な岩壁が次々と崩落。襲いかかる岩盤をかわしながら馬を走らせ脱出を計るスリル。当時のシネラマの大画面に展開されたこの大スペクタクル・ショーは、まさに圧巻のひと言に尽きる。本作が、後の「インディ・ジョーンズ」や「ハムナプトラ」シリーズに、少なからず影響を及ぼしていることは間違いはない。
8点(2003-05-22 11:22:55)(良:1票)
100.  ヘルファイター
これは珍しいJ・ウエインの数少ない現代劇。映画は、火柱を上げる油田にニトロを仕掛け、その爆風で一瞬に鎮火させるという、油田火災専門の男たちの活躍を描いたもの。現代劇とはいえ主な舞台がテキサスということもあって、しかもカウボーイハットで登場するJ・ウエインとくれば、やはりお定まりの酒場での乱闘シーンに代表されるように、作品のトーンは西部劇そのもの。危険を顧みない夫への妻の不信感や、娘と部下との結婚話などといったサイドストーリーもあるが、あくまでも添え物で、後半、ヴェネズエラ革命で生じた油田火災に急行し、戦闘に巻き込まれながらも消火にあたるクライマックスが、やはり最大の見所となっている。全編、チャチな特撮はほとんどなく、まさに本物のスペクタクル映像が大画面に展開され、アンドリュー・V・マクラグレン監督らしい豪快な演出と相俟って、圧倒的なスケールを感じさせられた作品であった。
7点(2003-05-22 01:02:14)
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