1. 100挺のライフル
《ネタバレ》 一言で評するならば「当時の”ブラック・パワー”に便乗した比較的予算多めのハリウッド製マカロニ」って感じ…かな。本場ハリウッドとしても席巻するマカロニ・ウエスタンに対抗すべく色々な策を弄して新味を出そうとしているが、安いスペインロケとか輪をかけたような残酷描写とか余計なマカロニ風味まで逆輸入してしまっているので残念ながら西部劇の復権には至らず。それと、主演の黒人俳優ジム・ブラウンは元アメフトの大スター選手だったのかもしれないが、現役時のスーパースターぶりを一切知らない私には「ガタイがイイだけで演技力にも魅力にも乏しい大根役者」としか映らない。それでも6点をつけているのは本作が「ラクエル・ウェルチという女優を実に正しく活用している」から。最大の見せ場は何といっても線路脇の給水タンクの下で生足剥き出しの裸ワイシャツ姿のままシャワーを浴びるシーン!だろう。当然スッパにはならないが、濡れて服が透けるため彼女のナイスバディが堪能できる。しかも悩殺された敵軍の列車をまんまと足止めさせた上で、振り向きざまに構えたショットガンで敵兵を次々に射殺するワイルドさ!コレに匹敵する正しい活用例は「恐竜100万年」での”ロアナの皮ビキニ”くらいじゃないか?しかし、クライマックスでは何の活躍場面も無いまま戦い済んだらいつの間にか彼女は戦死してました!と土壇場で詰めを誤っているのが惜しい。ブラウンとのベッドシーンもさほど魅力にはなっていないし(人種差別的な話題にはなったらしいが)。4点マイナスてことで。 [DVD(字幕)] 6点(2012-01-28 02:33:07) |
2. フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
《ネタバレ》 前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」の姉妹編?的ポジションだが、前作よりも完成度が高い稀有な一例。成功の要因は幾つか有るが、何と言っても本多監督自身が馬淵薫と共に書き上げた渾身のシナリオであろう。とにかく極力ムダを省いた抜群のテンポで一気呵成にラストまで見せる物凄い馬力に圧倒される。第2にサンダとガイラを俳優に演じさせる愚を繰り返さず、(成田亨デザイン・利光貞三造形の)着ぐるみにしたこと!殊にガイラはスーツアクター中島春雄のパワフルな演技により出色の出来映え。海を目指して疾走する姿は従来の鈍重にノッソリ歩く東宝モンスターとは完全に一線を画していた。第3に皆さんご指摘のメーサー殺獣光線車による抜群の視覚効果。漲るハイテンションのL作戦シーンは伊福部昭の勇壮な「L作戦マーチ」の音響効果と相俟って屈指の名場面に仕上がっている。難点は…強いて挙げれば「ビアガーデンの女性歌手が歌うシーンの冗長さ」、「ラス・タンブリンのスチュワートがやや木偶の坊」と「終盤の海底火山噴火が唐突で不自然」辺りか。しかし満足度の高さで8点進呈。怪獣映画かくあるべし! [DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 02:48:27) |
3. 300 <スリーハンドレッド>
基本的に鑑賞前には余計な予備知識は入れないようにする主義が今回ばかりは裏目に出た。「R-15指定の歴史モノってコトは…テレンス・ヤングの『アマゾネス』ばりにエッチ場面てんこもりかぁぁ!」というイヤらしい中年の期待は、ムサいマッチョのグロてんこもりの前に敢え無く(あたかも本作のレオニダス王の如く)玉砕…!しっかしハリウッド製史劇映画も地に墜ちたナァ~。役者に貫禄というか、オーラが全く漂っていないので登場人物が多いワリにちーともキャラが立ってないし、有無を言わさず画面に引き込むアトラクティブな魅力が絶望的に欠けている。こいつに比べりゃ20世紀FOXの壮大な失敗作であるリズの『クレオパトラ』の方がまだ見応えがあった。ま、自業自得と言えばそれまでなんだけど、本作に逆恨みして6点マイナスぅぅ!!さーて『ロッキー・ザ・ファイナル』でも観て口直ししよっと。 [DVD(字幕)] 4点(2008-03-17 04:12:26)(良:1票) |
4. キング・コング(2005)
《ネタバレ》 1933年オリジナル版を未見の方なら更に2~3点UPするかもしれないけど、生憎とこちとらウィリス・H・オブライエン渾身のクリーチャー・アニメーションに刮目させられまくった身なもんで。先ず本作の最も駄目ダメな点は、他の方も御指摘の通り「アン・ダロウがコングを恐れなくなった上にあまつさえ同情する」という悪しき1976年ギラーミン&ラウレンティス版の改悪点を踏襲したこと!何考えてんだ?ピーター・ジャクソン!ナオミ・ワッツに気を遣ったのか?それともお涙頂戴でハートフルにってか?33年版をリスペクトしていると標榜するのなら絶対にやってはならないミスだろ?お蔭で見る者のコングへの恐怖が80%ダウンだ!「アンと間違えて女性を掴み上げ人違いと分かるやポイ」の場面も路上でやっちゃあ台無し!アレは高層ビルの途中でわざわざ就寝している女性を掴み、違うとばかりポイと放り投げられた女性が転落死するショッキングさによってコングの自己中な身勝手さと得体の知れぬ怖さが際立つ名場面なんだろうが…!もう一つ、大事な点だが本作は大筋で33年版をリメイクしているという点。つまり、劇中で如何にアンやドリスコルやデナムがジェットローラーコースターの如く危機また危機に見舞われようと”絶対に死なない”ことが旧作知ってる観客にはモロバレということだ。それだけに首長竜スタンピード(大暴走)場面にも、T-REX団体さんで3匹登場にも、谷底のクモガニ襲撃場面にもスリル以前にくどさと生理的不快感が増幅され「大概にせんかい!」と言いたくなる。特に首長竜スタンピード場面は一頭ならともかくあれだけの数が暴走しているのに巻き込まれたデナムとドリスコルが絶対に踏まれない辺りはやり過ぎ、ワザとらし杉!しかもあんなヤバい局面で同時にラプトルが襲ってくる?絶対ありえねー。もうね、ハラハラするどころか一気に醒めた。あと、微妙にスパイダーマン入ったコングの動きもヒヒかクモザルみたいで軽々しく重量感に欠ける。巨大生物同士の闘いが取り入れられた分だけ76年版よりゃナンボかマシではあるが、それ以上でもそれ以下でもない。もしもオブライエンの消したい過去「コングの復讐」までリメイクしたら、アンタを本物のオブライエン・フリークだと信じてやるよ、ピーター・ジャクソン! [DVD(字幕)] 5点(2006-12-10 02:04:52)(良:3票) |
5. エクソシスト ビギニング
《ネタバレ》 主人公にメリンを据えての前日譚と聞いただけで「こりゃシナリオと監督に余程の力量が無いとウ●コ映画確定だな…」と大方の予想がつく。蓋を開けてみれば、何と監督はフリーフォールの勢いで評判が急速落下中のレニー・ハーリンじゃん。ダメだこりゃ。しかも第1作以来の謎「全く管轄外であるはずの古代バビロニアの悪魔パズスに対して何故カトリックの古式に則った悪魔祓いをするのか?」への回答は今作でも一切ナッシング!何かヒントでも(後付けでイイから)出しておけば、少しはマシだったものを…。あと、メリン役のおっさん(名前は知らん)がマックス・フォン・シドーのようなインテリジェンスを感じさせず只のブルーカラー肉体労働者みたいな風体であり、主人公たるオーラを全く一切てんでちっともコレっぽっちも放っておらず、何より「全っっっ然シドーに似ていない」のが痛い、痛過ぎる。何だかフリードキンが巨匠みたいに思えてくる確定ウ●コ映画に3点進呈。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2006-11-15 03:37:52)(良:1票) |
6. ヘルボーイ
70年代アニメやウルトラマン、仮面ライダーで子供時代を謳歌した世代としては、如何せんアチラのむさ苦しくマッチョでダーク入ったアメコミヒーローには何の魅力も見出せない。ヒーローはもっと颯爽として、しかも「強い!」とビジュアルで納得させる圧倒的なパワーが無きゃダメっしょ?まぁ敵側に一人こういうキャラがいれば、少しは変わった味が出てイイのかもしれないけど、流石に出突っ張りの主役となると画面を最後まで見届けるのは相当にツライ。しかも弱い…。悪いけど「デアデビル」やら「バットマン」やら「X-MEN」やらのアメコミ実写映画を見る度に「よくぞ日本に生まれけり」と心底から実感する。生憎と現在の日本のアニメ界や特撮界にはさして興味は無いが、幼稚園~中学にかけて熱狂しながらTVに齧りついて見た特撮・アニメは、個人的に珠玉のラインナップだったのだなぁ(詠嘆)と往時を偲ぶ懐古ロマン派の私には本作は5点が精一杯…だな。悪しからず。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-10-27 03:06:12) |
7. バラキ
《ネタバレ》 まず最初にハッキリしておきたいのは、本作は”実話を基にした”フィクションなのではなく、「登場人物は全て(マランツァーノもルチアーノもジェノヴェーゼも)実名であり実在の人物である」「描かれた出来事は全てバラキの告白に裏打ちされた歴史的事実である」というコト。この辺をキチンと踏まえて観ないと、本作がコッポラの「ゴッドファーザー」や深作の「仁義なき戦い」の亜流みたいな勘違いをされかねないので敢えて無粋な注釈をした次第。テレンス・ヤングは凄くムラっ気のある監督だが、本作では随所に持ち味のパンチの効いた演出を見せ実に手堅い。数少ないアタリとみて間違いなかろう。ヒゲなしブロンソンの男臭さと裏切りの苦悩を滲ませる演技も天晴れ!いわゆる「マフィア」が俗称であり、組織の正式名称が「コーザ・ノストラ」であることも私は本作から教わった。尋問を担当していた連邦捜査官と互いに利用された悲しさを共有し合うラストも余韻を感じさせて良し。8点。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-10 23:46:57) |
8. 華氏911
何よりも先ず最初に言いたいのは…このタイトルが不快!!ブラッドベリの傑作SFを汚すが如きムーアのセンスの悪さにムカムカした。中身も当時の大統領選に照準を絞ってブッシュ”バッシング”に特化し(過ぎ)ており、客観性もヘッタクレも無い余りの大人気(おとなげ)無さに辟易。正直言って個人的にはブッシュを弁護するつもりも支持するつもりも一切Nothingではあるが、ドキュメンタリーというノンフィクション映像を駆使して世論を動かしたいのなら、レネの「夜と霧」や亀井文夫の「戦ふ兵隊」レベルの成熟した語り口を見せないとまるで説得力に欠けるし観る者の心には響かないと思う。まぁ近年のカンヌは選考基準から何から何処かピントが呆け気味なんで、例えコレがパルムドールに輝こうが個人的評価は一向に高まりはしないが。「別にブッシュがクリーンで非の打ち所の無い人間とは思わないが、だからといってこんな稚拙なプロパガンダもどきに好い様に踊らされる程こっちも馬鹿じゃないんでねw」という合衆国の良識派は意外と多かったのであろう。本作が結局はブッシュ再選を阻止できなかった、という苦い事実が何より雄弁に裏打ちしている。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2006-05-26 05:20:47) |
9. ロング・エンゲージメント
《ネタバレ》 ジュネってあの奇を衒う作風が妙にハナについて今イチ好きになれない監督なんだが、コレはジャプリゾの原作を下敷きにしているだけあって意外と見応えがあった。恋人の生還を信じ続けるヒロイン・マチルド(オドレイ・トトゥ)が事有る毎に「~だったら彼は生きて帰る!」とトリビアルな賭けを心中で唱えるトコロは微笑ましさと共に彼女の直向(ひたむき)な願いが伝わってきて観る者の心を打つ。ただただ座して待つのを潔しとせず、積極果敢に手掛かりを求めて行動するアクティブさで徐々に真相へ肉薄していくミステリとしての醍醐味とロマンスとの巧妙な融合もなかなか魅力的。セピアの画調が第1次大戦のムードを非常によく醸し出しており、殊にヒロインの家にやって来る郵便配達夫の人間味溢れる描写は出色である。ラストも(ジュネ作品にしては珍しい)ハッピー・エンドで心地よく締め括られ後味さわやかだしね。惜しむらくは…違和感バリバリなティナのSMぽいグロ復讐シーンとジョディ・フォスターのSUPER無駄遣い(あんな種付けシーンのためにわざわざ彼女を使わんでも…)。なので遺憾ながら3点マイナース。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-25 01:05:06)(良:1票) |
10. 硫黄島の砂
《ネタバレ》 ジョン・ウェインが泣く子も黙るマリーン(海兵隊)の鬼軍曹という設定なんですが、どう見ても「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹の足元にも及ばないヌルさにガッカリ。いくら元・上官の息子でも、面と向かって”I don't like you !"なんて言わせちゃダメっしょ?トーマスが弾薬補充から戻る途中、ついコーヒーブレイクと洒落込んだばっかりに弾薬尽きた同僚がむざむざ殺されてしまう場面は「プライベートライアン」の「アパーーーム!」をチョット連想させるヤな後味かも。当時の記録フィルムと新撮部分とのツギハギ感がチト(いやかなり)目立ち過ぎるのもNG!有名な星条旗を立てるラストシーンはてっきりジョン・ウェインもその中に混じってゴキゲンな表情でENDかと思いきや、ナント何と!ホッとして一服しようとするトコロを塹壕に潜んだ敵から狙撃され呆気なく即死!こんなに見せ場も盛り上がりもなく無様にアッサリ死ぬジョン・ウェイン主演映画は初めて見た~!というサプライズのみに5点。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-14 01:32:22) |
11. エレクトラ(2005)
《ネタバレ》 タイトルロールのヒロインたるエレクトラに全然ちーーーとも一切てんでからっきしコレっぽっちも魅力が無い!のが余りに痛過ぎる致命傷。アクションに取り立ててキレがあるでなし、フェロモン全開ナ~イスバディって程でもなし、若さでピチピチ弾けるワケでもなし…。「ガスの充満した部屋に引火させて敵をまとめて吹き飛ばす」なんてありきたり且つお手軽な描写でお茶を濁さずに、(百人組手っぽく)襲いかかる追っ手を次から次へと華麗にKOして最後にセクスィ~な決めポーズでも披露して見せろっての!凄腕の女暗殺者ってキャラ設定の割に、マッケーブを置いて自分らだけ逃げる辺りも何だかナァ…。師匠のテレンス・スタンプも結局ラストバトル時は全く助けてくれないし、頼りになるんだかならないんだか。そもそも’サイ’なんてマニアックな武器なんぞ使わずに”素手で”ビシバシ敵を叩きのめす痛快アクション!にでも仕立て上げてれば、中途ハンパなサイキックバトルもどきをスパッとオミットしてガチ格闘戦に特化させてれば…少しはマシだったやも。7点マァァイナスゥゥゥゥ!! [DVD(字幕)] 3点(2006-05-12 01:56:04) |
12. 白昼の決闘
《ネタバレ》 稀代の制作者セルズニックが愛妻(当時)ジェニファー・ジョーンズの魅力を伝えようと一大プレゼンテーションを敢行、当時にして破格の600万ドルの巨費を投じて作られた大河ドラマ風ウェスタンがコレ。度重なる監督交代やシナリオ変更におけるセルズニックの異常なまでの拘りは「風と共に去りぬ」を意識したからとか。尤も「風と~」が制作時のゴタゴタした舞台裏なぞ微塵も感じさせぬ圧倒的な完成度なのに対し、コレはその混乱ぶりがストーリー展開にも如実に滲み出てしまっている。物語の運びに観る者を完全に置き去りにしてしまう唐突さが隠せない分、些か評価を下げざるをえない。主にヒロインたるパールの心情描写が何とも舌足らずで、アレでは単なる尻軽かつ移り気なアバズレにしか見えない。殊にサムを射殺したルートとあっさりヨリを戻し、彼を追っ手から匿うくだりのパールの言動はどうにも理解に苦しむ。ラストのルートとの決闘も、彼女の(デューク東郷もビクーリな)超絶スナイパーぶりへの伏線が全く無いので強引に過ぎる感が拭えない。まぁ相討ちに終わり愛憎ない混ぜの内に寄り添って死に行く二人の姿は、その後ゴダールが「映画史」の中でも繰り返し引用したくらいパセティック(情熱的)かつデスペレート(絶望的)なムードが横溢して圧巻ではあるが。重厚な脇役の好演(ライオネル・バリモアとリリアン・ギッシュ最高!)と贅沢極まる3人の名カメラマンによる強烈な色彩のカメラワークと時代を先取りした異色のドラマに…7点。 [DVD(字幕)] 7点(2006-05-04 01:06:27) |
13. 遠い空の向こうに
《ネタバレ》 いやぁ見直したよ、ジョー・ジョンストン。「ロケッティア」とか「ジュマンジ」とか「ジュラシック・パークⅢ」とかSFX絡みの凡作ムービー御用達職人かとばかり思っていたら、こういう作品も撮れるのね。売れっ子俳優に頼らず、実力派のシブいキャストの魅力をよく引き出してノスタルジックかつハートウォーミングな佳作に仕上げた手腕はお見事。山火事の濡れ衣を晴らすロケットの軌道計算シーンは出色。ラストの打ち上げ場面でとうとう頑固一徹親父(クリス・クーパーのジョン・ウェインを彷彿とさせる名演技!)と和解する辺りもイイ。ただ…個人的にどうも気になったのが、打ち上げ実験中に何度か見られたロケットが迷走(暴走)するシーン。一歩間違えば親父の言う通り、炭鉱夫たちや見物客もしくは自分らに直撃して大怪我(下手すりゃ死亡)してたかもしれず、安全管理面でのロケットボーイズの余りの杜撰さ・危なっかしさには手放しで「若者が夢を追いかけるコトは素晴らしい」と感心してばかりもいられない希ガス。むろん無事故で終わったからこそホーマーもNASAのエンジニアになれたんだろうが…。理科実験授業での爆発騒ぎといい、最初の打ち上げ実験で自宅の柵をフッ飛ばしてしまう件といい、もし彼らの打ち上げ実験が映画の通りの顛末だったのなら、彼らは単に「異常に運が良かった」もしくは「悪運が強かった」だけなのかも。ライリー先生、生徒を焚きつけるだけじゃなくって責任持って大人が監督してあげないと!ってコトで悪いけど3点マイナス。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-28 03:22:16) |
14. ワイルドシングス
《ネタバレ》 ぶっちゃけて言えば、いくらIQ200(!)あっても所詮は小娘なんだからさぁ。最初にサム・ロンバードを脅迫した時点で自分が消される可能性を想定できなかったのか?俺がサムなら最後まであんな小娘の言いなりになったりせずに隙を見て殺すねマジで。よってあんな無理矢理つーか理不尽つーか不条理な結末には絶対になりえない。そもそも脚本(ホン)が観客のウラをかくコトにのめり込み過ぎて練り込み不足にも程が有るから、碌な伏線も張らずに見た目インパクト重視の出たとこ勝負になるんだよ。それに登場人物がどいつもこいつも胡散臭くてヤなヤツばっかで誰にも感情移入できないから、いくら二転三転してもこっちの集中力がそこまで持たない。つーかどーでもよくなるw。「BODY」やら「レインディア・ゲーム」とかにも通じる90年代特有のエロまで欲張った荒唐無稽サスペンスに…5点。 [DVD(字幕)] 5点(2006-04-16 02:02:31)(良:1票) |
15. ジャイアンツ
《ネタバレ》 本作でジョージ・スティーヴンスが見せる悠々たる大河ドラマ演出に、昨今の●HK大河ドラマ制作スタッフは括目せよ!と声を大にして言いたい。二流の大根アクターに過ぎないロック・ハドソンが(ジョーダン役で)かくも輝きえたのはスティーヴンスの非凡なディレクションの賜物である。彼(ハドソン)が後にAIDS感染をカミングアウトして死去するまで本作以外コレといった代表作も名作も無いのが何よりの証拠!レズリー役のリズ・孤独な牧童ジェット役のジミーとも持ち味を遺憾無くフルに発揮しており、キャストのアンサンブルも(前半は)ほぼ完璧と言えよう。難点は…強いて挙げるとすれば、後半の主役3人は(チャチい)老けメイクではなくて年齢相応な熟年俳優でダブルキャスティングにしてくれてたならなぁ。文句無し10点満点だったんだけど。あと、ジェットの当て馬にされるキーパーソンにしてはラズ二世役にキャロル・ベイカーじゃチト弱いってか荷が重い。2点マイナス。余談ながら個人的に作中で最も印象的な場面は、幼いラズ二世がペドロと名付け可愛がっていた七面鳥がクリスマスで丸焼きターキーと変わり果てたのを見て「これがペドロ?」と泣きじゃくるトコロ。ジェットがオイルにまみれながら石油を掘り当てるシーンとか他にも名場面には事欠かない本作で何故選りに選ってそのどうでもいいシーン??とお思いでしょうが、本人にも何故かはよく分からない。とにかく強烈に印象に残ってしまったんだから仕方ないとですw。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-15 01:53:33) |
16. 宇宙戦争(2005)
《ネタバレ》 何と言っても落雷~トライポッド出現~逃げ惑う群衆ジェノサイドの一連のシークエンスが圧巻。フェリー渡し場でのスペクタクルも凄い!が、矢張りウェルズ原作に忠実たらんとしたスピルバーグ版の”トライポッド”よりも映画的にアレンジされたバイロン・ハスキン版の”ウォーマシン”にロマンを感じるし、チャレンジャー魂が込められているように私は思う。だってさ、原作版の挿絵をそのまんま最新CGで「ね、凄いっしょ?」とでも言わんばかりに再現されても「へー、あっそ」としか…。万物の霊長として地球上に君臨してきた人類が成す術なく滅亡の淵に追いやられる絶体絶命の危機を取るに足らぬバクテリアが救うという何ともアイロニカルな原作のオチは、余りに有名かつ発想の秀抜さ(1898年出版だよ?)から言ってもコレを超えるアレンジなんぞ絶対にありえない(断言!)。「インデペンデンス・デイ」の”コンピュータ・ウィルス”みたいな寒いアレンジで失笑を買うリスクを避けたスピルバーグの判断は(チキンっぽいけど)一応正解と言える。主人公一家の祖父母役に53年版のジーン・バリーとアン・ロビンソンを配している辺りにはジョージ・パルへのリスペクトも感じないではないが、何だか取って付けたような感じでワザとらすぃ。あれこれプラスマイナスして6点進呈。トムとダコタの父娘ドラマが何ら点数に貢献していない(むしろマイナス効果)のはコノ手のジャンルのお約束ってもんですw。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-18 04:44:18)(良:1票) |
17. ラスト サムライ
《ネタバレ》 何より腹立たしく痛恨なのは「未亡人たかが亭主の仇オールグレンに接吻なんてフツーありえなくね?」とか「ヲイヲイ明治時代にニンジャ?」とか「村の入り口に鳥居?」とか「なぜオールグレンにはガトリング銃が当らないのか?」とか「官軍兵士一同なぜラストで土下座?」とか(皆さんの今までのレビューで散々ガイシュツだしキリがないので割愛!)そういう些細なツッコミ処では断じてなく、こんな陳腐かつ薄っぺらい「日本&武士道」勘違い映画をお耽美に撮るしか能がないエドワード・ズウィック如きに渡辺謙をオスカー(助演男優賞)へノミネートせしむるだけの力量を見せつけられたコトだ!珍妙な日本の風俗描写に辟易かつ失笑したヒトらも、勝元の画面における存在感には目を見張り、合戦場面のスペクタクルには思わず息を呑んだハズ。つまりそういうコトだ。要するに我が邦画界は”役者のポテンシャルを十全に引き出し増幅させる”という点に絞っても「ブラックレイン」のリドリー・スコットや本作のエドワード・ズウィックといったハリウッド二流作品及び監督にさえ完敗を喫している、という屈辱的な苦い”事実”を認めざるをえないのが現状なのである。取り敢えず日本人監督による(ジブリアニメ以外の)映画で逆にハリウッドをぎゃふん(死語?)と言わしたるくらいに奮起していただきたい!! [DVD(字幕)] 5点(2006-02-14 02:59:44)(良:2票) |
18. テキサス・チェーンソー
《ネタバレ》 なぜヒロインを眠り薬で拉致した後すぐに殺さない?節穴から覗いてガキが逃がそうとするのに気付き、慌てて取って付けたようにチェーンソーで追い回すくらいなら眠っている間に殺しとけばイイものを…。冒頭の拳銃自殺する少女といい、フックに引っ掛けられた男がヒロインに刺し殺される場面といい、レザーフェイスの素顔見せや片腕チョンパといい、余計なアレンジのせいで全くありきたりのグロいスプラッタに成り下がってしまっている…。コレで完全オリジナルならまぁ5~6点くらいかな?とは思うが、生憎と「悪魔のいけにえ」ネームバリューを思いっきり利用した商魂逞しい不肖のリメイクときては問答無用で一刀両断!7点割り引きも止むを得まい。オリジナル未見の方が結構たくさんいらっしゃるみたいだけど、見比べてフーパー版の薄汚れた空気とイッちまってヤヴァ杉な狂気の沙汰が本作でどれだけ見事にアク抜きされてしまっているかを確認なさるのも一興かと。コイツに限らず有名作品のリメイクにとってオリジナルとの比較は言わば不可避の運命。オリジンに対する愛情も越えんとする高い志も持たずソロバン勘定で安易にリメイクする昨今のハリウッド製作陣の風潮に対してはこちらも厳しい態度で臨むのが映画ファンとしての矜持ではあるまいかと愚考する次第。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2006-02-04 03:21:21)(良:2票) |
19. ウエスタン
《ネタバレ》 え~と、私の頭が悪いせいだとは思うんですが…。モートンにそそのかされてフランクを襲った手下共が返り討ちにされた後、フランクがリベンジせんと列車に戻るとゴロゴロ死体が転がっててモートンが水溜りの縁で這いつくばっていた状況が全く理解不能なんですけど…。ハーモニカかシャイアンの仕業ってコトなんすか?それとも仲間割れの同士討ち??もしやアルジェント先生がシナリオ(原案)を書いたのってこの辺なのかなぁ。だったらナットク(いやハナシとしては全然つながらないし不条理でちーとも納得できないんだけど)w。それとヤッパ165分は些か冗長っす。4点マイナスてコトで悪しからず。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-01-31 01:58:35) |
20. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
《ネタバレ》 かつてジョージ・ルーカスという男はキチンと「人間ドラマ」を描く力量をも備えていた映画監督だった事を我々は「アメリカン・グラフィティ」という作品の存在によって確認できる。が、しかし!こやつは「スターウォーズ」第1作の商業的な大成功を契機に監督修行を怠り、製作総指揮やら作品原案やらラクしてオイシイとこ取りを狙ったプロデュース的なポジションに収まるのを好むようになる。磨かれなければいくら才能があろうと花開くこともなく錆びついてしまうコトに彼は気付かなかったのか?案の定、十数年後にCGブリバリでSWシリーズを復活させた彼には上質な「人間ドラマ」を描く力は全く残っていなかった。で、その総決算が本作というワケ。「クローンの攻撃」に7点つけといて何故コレが5点なのか?ソレは前作の方がジェダイたちがまだ颯爽として勧善懲悪的にカタルシスを感じられたから。本作での旧三部作への辻褄合せにバタバタ死ぬ陰性かつスカッとしない鬱な展開で締め括られても感動なんぞ到底できない。殊にルーク&レイア出産シーンやパドメ臨終シーンは哀しいどころか失笑モノ!もっと情感を!もっと余韻を!何やってんだ、ルーカスゥ!こういう忙しない見せ場と見せ場のパッチワークしか撮れなくなっちまったのか?SWシリーズの版権使用料で老後も安泰ってか??<追記>歴代のジェダイマスターたちを遥かに凌駕するポテンシャルというアナキンの基本設定に全く説得力が無い。まだガキだった「エピソード1」はともかく、前作でライトセーバー二刀流に開眼したのかと思えばドゥークーに片腕チョンパ。本作でフォースの暗黒面に目覚め、爆発的な力をフルに発揮するのかと思いきやオビ・ワンにも長々チャンバラ演じた末にもう片腕チョンパw。その割にそのオビ・ワンをふっ飛ばして気絶させたドゥークーを序盤でアッサリ首チョンパしてたりして一体強いんだか弱いんだかw。黒幕である暗黒卿シスにしてもメイスにやられそうになってみたりヨーダと互角以上に渡り合ったりと描写がちぐはぐで今イチ強さの度合いが不安定。もっと圧倒的な存在感が欲しかったぞ。とにかくこれらの描写の甘さも含め5点マイナスに変更ナシ! [DVD(字幕)] 5点(2006-01-28 02:16:50)(良:4票) |