1. 大帝国行進曲
《ネタバレ》 1900年から1933年までを描く大河ドラマです。 イングランドを舞台にひとつの家族を中心に据えて各時代のエピソードを綴ったまさに年代記。 時代は移ろい人びとの状況は変化していきます。 メインの家族に関していうと、1900年には少年だった息子ふたりが失われて夫婦に大きく影を落とします。 映像の集積はさながら走馬灯。 長編ですが非常に散文的で、つながりや展開を楽しむ部分はほとんどありません。 基本的な内容が「この年にはこんな出来事がありました」なので見所は要所要所でのエピソード。 リアルタイムの観客には自分や家族と重ね合わせるシーンが必ずあったはずです。 そうした、過去を覗く鏡のような効果が作品の元もとの狙いでもあります。 従ってその時代に生まれてすらいない現在の鑑賞者が価値を見出せるかは疑問。 「蛍の光」の流れるシーンが印象的で、各時代を彩る多彩な音楽も魅力です。 33年作としては撮影技術、フィルム状態ともにハイレベル。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-01-13 10:31:19) |
2. アローン・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 観る前に持っていた印象とはかけ離れた作品ですが、これはこれで楽しめました。 原作ゲームからタイトルとネタだけを借りた、別物と考えるべきでしょう。 ホラー味はほとんど無くグロテスクな部分も少なく、恐怖心を煽られることはありません。むしろ、スピーディーでスムーズな展開でクリーチャーや戦闘の描写がメインでした。 基本的にはモンスター・パニック・ムーヴィーですし、ハリウッド版ゴジラやエイリアン、プレデターなどを踏襲したコンバット物です。ただ、アクションにしては登場人物が多めで人物描写が甘くなってしまい、薄っぺらな感じがします。 久しぶりのへヴィメタ系映画でしたし、エンディングのナイトウィッシュが好みなので評価を高めにします。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-07-29 20:33:18) |
3. ザ・デプス
深海ものではお気に入りです。 密閉空間としての海底基地を上手に描写していて、その点では類似作品より評価しています。 宇宙空間とか、深海、他の惑星等の特殊な舞台設定の作品では観る者の想像力を刺激してうまくだましてくれるのが第一前提。 しっかり雰囲気を出してくれないとげんなりします。 ストーリーやクリーチャーはその世界の邪魔をしなければ十分です。 B級映画ですが個人的には時折観たくなる大事な作品。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-05-11 00:25:34) |
4. スクービー・ドゥー
米ローティーン向け映画。元のアニメも質が低くスナック菓子レベル。 内容が薄く下品でご都合主義ですが、特撮や合成はちゃんとしています。 日本でも中学生なら楽しめます。 レトロで言うなら実写版バットマンTVシリーズあたりのノリに通じる味です。 米文化の資質を知るには格好の作品かも。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-05-10 21:22:16) |
5. ロシア52人虐殺犯/チカチーロ<TVM>
5年以上前に放送された「市民X」をエアチェックして今でも時々見返しています。「ロシア52人虐殺犯/チカチーロ」という異なる邦題があったとは知りませんでした。 まさに隠れた逸品。 ミステリ的な面白さもありますし、ドラマとしての完成度はかなりのものです。ソビエト時代を舞台とした実録刑事ものとしてリアルな描写も満喫できます。地味ですが俳優陣とキャスティングも申し分なく、派手さは無くとも決して退屈しません。 民放の2時間サスペンスに見習ってほしいレベルの高さです。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2006-01-26 20:08:38) |
6. 007/ユア・アイズ・オンリー
シリーズ当初から全作を律儀にほぼ発表順に観てきて、今作に至る数作は苦々しく感じることが多く、評価できる007作品に出会えて喜んだ覚えがあります。映画館で複数回観ましたし、今でも時折思い出して観ています。舞台の選定、ヒロイン設定等、正月映画の王道振りを味わえます。ロジャー・ムーアは緊迫感のある演技が下手でしまりの無い印象ですが、その辺りを気にしないで楽しめるストーリーです。 007は大人の御伽噺。その辺のつぼを押さえて鑑賞する分にはシリーズ中でも上位に入る出来と思います。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-24 14:13:09) |
7. エイリアン
何度か劇場で観て、ビデオでなら今も観ている作品です。最初の劇場鑑賞はギーガーとシド・ミードのデザインを画面で味わいたいというのが第一動機でした。まだホラーに免疫がないときだったので、かなりつらい思いをしました。時期的には「シャイニング」や「遊星からの物体X」と近く、「エクソシスト」「オーメン」と領域を広げてきたホラー映画が更なる展開をしたエポック作品といえるでしょう。 2作目も高く評価しますが、どちらを先に観てもそれほど問題が無く、娯楽アクション嗜好の強いSFファンなら2作目、シリアスSFのファンなら1作目から楽しむことをお勧めします。 [映画館(字幕)] 9点(2005-04-15 12:27:20) |
8. オペラ座の怪人(2004)
アンドリュー・ロイド・ウェバーはイエス・キリスト・スーパースター(アルバムタイトル)のアルバム以来のお気に入りアーティストですし、ロックフィーリングのあるミュージカル系の映画は久しぶりなので期待大でした。 音楽的には上々。キャスティングや映画向けのアレンジも優れています。ミュージカル映画ならではで、続けて何度も観たくなります。音楽がメインの作品を一度観ただけで評価するというのは無理な話で、音楽そのものの出来は勿論、映像との兼ね合い、ドラマ性との関連等を十二分に味わった後に映画としての価値が分かります。 今は鑑賞直後の印象しか書けませんが、ドラマの要素が強く、人物のアップが多用されていました。群舞のシーンを増やして、ミュージカル映画であることを前面に押し出しても良かったように思います。 ドラマとして破綻していませんし、全体のまとまりは良く、映像作品としての完成度は高かったです。 ロックミュージカル映画としてはジーザス・クライスト・スーパースター、トミー、ダウンタウン物語などが思い出されますが、それらとは趣の異なる大人向けのミュージカルとして所持していたい作品です。 [映画館(字幕)] 7点(2005-04-14 23:35:35) |