1. ガルシアの首
《ネタバレ》 どうにも間抜けに生きた男が、最後の最後で見せた自暴自棄ぎりっぎりの散り様は、やっぱり意地なのだろう。うう、かっこいい。 8点(2004-08-09 01:10:26) |
2. タクシードライバー(1976)
己を反省する視野もその上で現状を改善する術も持たず、タクシーという孤独な密室で腐った街を養分に狂気はぬくぬくと育った。この映画に強烈なカタルシスを禁じ得ないのは、やはり自分の中に小さなトラヴィスが潜んでいるからか。 10点(2004-08-09 01:09:41) |
3. クルーエル・インテンションズ
サラの悪女っぷりに二時間ひっぱられてしまいました。 7点(2004-08-09 01:08:23) |
4. ディープ・インパクト(1998)
地球の滅亡っていう絶望的な未来のもと、人間の醜悪な部分が次々と飛び出してきて、だけど誰かを思いやるっていうあったかい気持ちは微かにだけど確実に人間に残されていて、それはやっぱり希望だと思う。 8点(2004-08-09 01:07:27) |
5. 普通の人々
《ネタバレ》 父親と息子が家族としての再生を果たす様には涙した。しかしそれも母親が家を出ることで可能になったのならばどうにもやるせない。ただラストで息子が母親を何気なく抱擁したシーン。母親は思いがけない愛情を示され、今までの己を省みたのだろうか。それまで自己弁護に終始していた母親が、その直後に父親にボロクソ言われても何も言い返さないのであった。母親にとって家を出たことが再生への第一歩となってほしい。 7点(2004-07-03 11:30:01) |
6. ブルー・イン・ザ・フェイス
「スモーク」もめっちゃ好きなんですが、この映画もいいっすね。行きつけの飲み屋に行くような感覚で映画を観てました。別にハラハラドキドキすることはないんだけど、そこには知ってる顔が大勢いて、いつものお喋りがある。その雰囲気が妙に心地いいっていうか。気の合う友達とうまいタバコがありゃ、人生はけっこー楽しいぜっていう映画ですかね。タバコを吸いながら観てましたよ(笑) 8点(2004-06-28 10:18:52) |
7. ブレードランナー
《ネタバレ》 雰囲気を楽しむ映画なのだろうか。描かれていた退廃的な近未来は、ロマンティシズムを感じさせるものでそこそこ楽しめた。しかし如何せん、そんな雰囲気が強すぎたのか、人物の心理や諸々のテーマが心に響いてこなかった。あるいは私が感じ取れなかった。最後のどしゃ降りのシーンは強烈ではある。あの場面のためにこの映画はあったのか。またリベンジします。 7点(2004-06-28 10:16:47) |
8. デッドマン(1995)
《ネタバレ》 死んだ小鹿に頬寄せるジョニー、あんたヤバいよと思いつつも惹かれてしまう俺ははたしてどうなのか。ぼんやりとまるでノーバディのセリフみたいに、この映画がうたう叙事詩は、ある種の心地よさを伴って聴けた。退廃的な雰囲気が好きな人はおもしろく観れるんじゃないでしょうか。二ールヤングがヤバすぎ。ギターが泣くということは、あり得ることなのだと知った。 8点(2004-06-28 10:13:57) |
9. 哀しみの街かど
《ネタバレ》 堕落し続ける二人。見る側に同情の余地を与えないほどの自業自得っぷりが徹底的に描かれていた。ラスト、出所し再開をはたした二人の顔にも、哀しいが希望は見えなかった。 6点(2004-05-28 02:57:38) |
10. ブラウン・バニー
《ネタバレ》 茫洋と疾走するバイク。行くあてはないけど留まることはできない。悲しみに追いつかれてしまうから。若かりし頃、好きだった子に恋人ができたショックに耐えられず、思わず原チャリで家出してしまったことを思い出しました(笑)最後の謎解きで、それまで腑に落ちなかった点の全部が分かり、そういった意味で観終わった後に衝撃が来た。 7点(2004-05-15 05:44:15) |
11. バッファロー'66
《ネタバレ》 トイレでの内省に、ビリーを観る上での重要なポイントがあるのではないか。散々の蛮行のあげくに、彼の口から吐露された懺悔は「生きられない」であった。そうなのだ。彼は今の己がなぜダメであるのか、そしてそこから抜け出すためにはどう努力すべきなのか、そんな健全で当たり前な発想すら浮かばない。思いつくことは、とにかく自分は生きるに値しないのだということのみ。発想が八方ふさがれた彼をとことんダメな奴だと唾棄することは、ちょっとできなかった。「天使」はそこに現れた。そしてビリーは学ぶ。恋人にクッキーをプレゼントしたり、抱擁をしたりするだけで、人生を愛することができるのだと。そして彼は選ぶ。過去の恨みを晴らすことではなく、未来を恋人と築くことを。後ろしか見なかった男が初めて前を向いたのだった。 10点(2004-05-06 21:06:01) |
12. アメリカン・グラフィティ
たった一夜という小さな箱に、しっかりと個性だった四者四様の青春を詰め込んだ、まるで宝石箱のような映画。それぞれのキャラが活きているから、誰に気持ちを投じても楽しめる作品。多くの人に受け入れられる素晴らしい映画だと思います。個人的にはメガネ君に肩入れしちゃったかな。いい格好しようとして嘘ばっかりならべる彼(笑)すっげーわかるーよとニンマリ。そして、それを受け入れてくれる(聞き流しているだけ?)女の子がめちゅくちゃ魅力的でした。ただ、女性との接点が皆無であった高校時代を生きた私にとっては、とても複雑な観後感。青春なんてそんな素敵に描けるもんじゃねえやい。この宝石箱が輝きを増せば増すほど、私の青春時代が切なくなります。(苦笑) 7点(2004-05-06 20:29:04)(良:1票) |
13. キング・オブ・コメディ(1982)
《ネタバレ》 ジェリーの事務所の受付嬢に、再三名前を間違えて呼ばれた主人公。結局、彼は社会に存在を認知してもらえなかった人間なのだ。微かに残る社会性を捨てるためにトラヴィスは頭をモヒカンしたが、彼には最初からその必要はなかった。絶対の孤独。社会との繋がりがないから、他人と自分を比較することもできない。自分がイカれてることすら気づかない。まさしく無自覚な狂気。その意味ではタクシー・ドライバーよりも怖い。誘拐時、慌てて銃を落とすシーンに笑った。あれはアドリブだったのかな? 8点(2004-02-18 13:40:15) |