1. 第9地区
《ネタバレ》 かなりグロテスクだけれど面白い映画。 エイリアンが隔離されて難民扱いというのが変わっているし、冒頭からどんどん話が進んでいくので 興味がつきず飽きることがなかったです。最後まで見てみれば良くある話ですが、インタビュー形式など色々な手法を使ってそれだけの印象で終わらせないところにこの監督(新人さんですか?)の力量を感じました。どこまでも利益を追求する人間よりも、見た目は悪い(人間から見て)けどコミカルな動きのエイリアンの方がまともに思えるのが肝でしょうか。あれだけの武器を持っていてなぜ人間に従順なのか、結局最後はどうなったのか未解決の部分もあるけど、技術的な部分で点数を加えたアバターよりも内容的にはこちらが好き。「坊や」がかわいい。 [映画館(字幕)] 8点(2010-04-14 12:08:58) |
2. 縞模様のパジャマの少年
《ネタバレ》 子供の目線からしかも加害者であるドイツ人の目線からホロコーストを扱った点が斬新で いかに愚かな行為であったかを子供のあまりにも素直な好奇心・台詞を通して思い知らされる。 よく言われる「加害者であるナチスも家庭では普通の人」というのが根底にあるように思え、 父親も姉もその時その場所にいればさもありなんという普通の人、だからこそ怖いということが よくわかる。意図的かもしれないがとてもよく似た子供二人の行く末が特に気になって観ていたが あまりの結末にびっくり。悲惨な題材ながらどこか牧歌的な雰囲気の映像・音楽から想像できない 結末によく言えばびっくり、悪く言えば多少の違和感、しばし絶句しました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-10 22:20:15)(良:1票) |
3. アバター(2009)
《ネタバレ》 IMAX3Dで観ましたが確かにすごい映像。同じ環境で3DCGアニメは何本か観ましたが、リアルが入るのは初めてで極端に言えばもはや「観る」というより「体験する」とも言える感覚。宙に浮く字幕に慣れるのに時間がかかるし、速い動きは追い切れないほどですが、いつのまにかその世界に取り込まれてしまいます。ストーリーはネイティブアメリカンをベースにしたようなシンプルなもので特段良いものだとは思いません(つまらなくはないです)が、企画としての設定が良くて3D技術を満喫できる綺麗で良質な映像の作品だと思います。おそらく今後のハリウッド映画ではこの様な技術が当たり前になるのかもしれませんが、実写をここまで取り込んで成立させた3D作品として記憶されるべき映画になるのかもしれません、異次元体験をするという映画の重要な要素の大きな進化を観たような感じです。ただ、2Dの映画とは演出も異なるだろうし見方も異なるような気がして、今後2Dと3Dがしばらく併存するのでしょうがやがて2Dが今でいうモノクロ、いや無声映画のように古い技術として扱われる時代が来るのかと思うと一抹の寂しさがあります。しかし、この映画を観ながら何度か「この3D技術でスターウォーズが観たい」と思ってしまったのも事実で複雑な心境にさせられた映画でもありました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-12-25 18:54:13) |
4. パブリック・エネミーズ
《ネタバレ》 主人公に深く入り込んで描くような部分が無くかっこいいけど淡泊な印象の映画。なぜ仲間を裏切らないのかとか、なぜ彼女にそれほど惹かれるのかとかがなく、語られるのは「母親が早く死んで父親に殴られながら育った」くらい。後半ではむしろ相手役のクリスチャン・ベイルがいいかと思ったがそれも重い責任を負う刑事の役を表面的にさらりと描いているだけ。銃撃シーンとか特に後半部分でいいところはあったように思うが、どうしても「俺たちに明日はない」が頭にちらついてしまってこの映画を観る意味がいまひとつつかめない感じだった。 [映画館(字幕)] 4点(2009-12-14 17:59:38) |
5. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 想像していたよりは面白かったけど今ひとつと言えば今ひとつ。自分の中で賛否両論。 ハンターとかとても面白いし、相変わらずバタバタと惜しげもなく死んでいくし、タランティーノらしいいいところもあるけれどイマイチ乗り切れない感想を持った。長い会話が随所に出てきて、その一つひとつは面白くて退屈させないけど、これだけ多用すると全体の流れとしてだれるというのが第一印象。ただ2時間30分をそれなりに面白く見せる手腕(ターゲットは狭いと思うけど)はさすがという鑑賞後の感想。レザボアとかパルプとかは観てたけど最近の彼の作品は観ていない。昔ほどの鋭さが無くなったと感じるのはタランティーノの最近の傾向なのか、この作品だけなのか。普通の映画と(基準が曖昧ですが)タランティーノ映画の中庸をいく映画というどこか消化不良の印象をぬぐいきれなかった。 [映画館(字幕)] 6点(2009-12-11 16:49:41)(良:2票) |
6. 私の中のあなた
《ネタバレ》 私も時々ウルウルしたくらいなので周囲はくしゅくしゅと鼻をかむ音ばかり。泣かせる映画ですががいわゆる「お涙ちょうだい」とは少しレベルが違う感じ。入り口は訳ありな出生の妹が臓器提供を拒否して親に対して訴えを起こすという深刻そうなテーマから入りますが、後半は姉を中心としたかなりソフトな方向に振れていきます。冒頭「これはハードな内容か」と身構えた者からするとやや腰砕けの感も否めませんが役者がうまく、演出もうまいのでうまくだまされた感じでそれなりに納得。妹の出生からするとこの様な展開は考えにくいとか、いくら何でもこの母親はおかしいとか思うところはあるのですが難しいことを考えずに素直に観れば感動できる作品。ベッキーみたいな妹と痛々しくも穏やかな姉、意外やキャメロンよりおいしい役まわりのお父さん、悪人が一人も出てこない映画で鑑賞後の印象はさわやか。 [映画館(邦画)] 6点(2009-10-23 18:26:03)(良:1票) |
7. トランスフォーマー/リベンジ
《ネタバレ》 すんごい映像でした。出来たばかりのIMAXで観たのですが、前作よりCGがすごくなっている気がしたのは劇場の違いでしょうか。とにかく細かいところまでよく動いていてそういう意味では飽きません。前作で期待しすぎてがっかりしたので今回割り切って観た分よく思ったのか。ここまでやってくれればストーリーが単純だろうとご都合主義だろうとラストがファンタジー映画っぽくなっていようとそれなりに納得はしました。「マトリックス」なるものがポイントとして出てきますが映画「マトリックス」を彷彿とさせる台詞・場面・展開が目についたのは気のせい? [映画館(字幕)] 5点(2009-06-25 17:26:40) |
8. グラン・トリノ
なにを書いてもネタバレになるので多くは書きませんがいい映画でした。強く心を揺さぶられるという意味では出色かもしれません。エンドロールをもう少しゆっくり観ていたいと思わせるような映画です。音楽も相変わらずいいです。今更かもしれませんがこれからご覧になる方は出来るだけ情報を入れないで観る方が良いと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2009-04-29 10:00:33) |
9. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 良い映画だと思う反面、期待したほどではなかったという気持ちも。後半が少し都合良すぎるのと「お兄さんが死んだのに」という結末に少し納得がいきませんでした。人物の心情がよく分からない部分が結構あって(二人の恋愛感情とか司会者・兄の心情の変化とか)感情移入が今ひとつ出来ない感じ?でも一応ハッピーエンドのストーリーと撮影、編集、音楽の面白さで楽しめたので良かったと思います。確かにラストのダンスは妙に楽しい。 [映画館(字幕)] 6点(2009-04-20 15:50:09) |
10. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
《ネタバレ》 長い。無駄を省いたら一本で出来たのではないかと思うくらいです。前作が思ったより面白かったので期待していたので残念でした。ストーリー展開の重要部分はほとんどパート1で語り尽くしてパート2はほとんど闘いへの準備と闘いそのものに割かれているように思いますが、その準備段階があまりにも長く感じました。パート2を闘いに集中して見せるならもっとテンポ良くする必要があったのではないでしょうか。それにサブストーリーが多くてそこにつっこみどころも多く無理な設定も多いのでますます一本にまとめた方が良かったように思いました。 [映画館(字幕)] 3点(2009-04-17 10:35:22)(良:1票) |
11. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 いい映画でした。他の方も書いてますが私もイーストウッド作品はあまり好きではありません。質は高い映画だと思うのですが自分には今ひとつピンと来ない感じで。しかしこれはいいと思います。凄惨な事件と腐敗した警察がベースという重く暗い内容ですが、それに負けない母親の一途な思いに心を動かされます。結局悲劇に終わった(多分)親子ですが、後に判る子供の行動や、それなりにけじめがつく結末はこの映画をただ重い映画で終わらせていないように思いました。いままでどこかクールでとっつきにくい感じのイーストウッド作品でしたが、押さえた中にも強い感情を感じることの出来る作品だと思います。濃い化粧、涙ぼろぼろ、しわだらけで演技をするアンジェリーナ・ジョリーにはすごみすら感じますが、最後のきっぱりとした笑顔は綺麗でした。 [映画館(字幕)] 8点(2009-02-27 18:05:00) |
12. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 アクションは所々面白いのですが、いかんせんストーリーがよく理解できませんでした。まだ前作の方が良かったような気がします。リアルなボンドの様でいて非現実的な部分が多すぎる様に思います。前作から引きずったわかりにくい相関関係を追っかけるだけでも大変なのに、あまりその部分は重要ではなく、実は話は単純だったみたいな疲労感の残る映画に思えました。 [映画館(字幕)] 4点(2009-02-23 13:31:54) |
13. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 淡々として長い映画ですが不思議と退屈はしません。でも面白いという映画でもありません。ただ時々ジンと来るモノがあります。どう評価したらいいか迷う映画です。年老いて生まれ若くなりながら死んでゆく、ただそれだけの違い、見方の違いで人間や人生を異なった視点で見せる発想はすごいです。そしてそれが普通に生きる私たちに老いの悲しみとか、運命とか、希望を持つ大切さをを実感させます。年老いていくブランシェットも悲しいですが、若返りながらも結局認知症になって死んでゆくブラッド・ピットも悲しいです。「いくつく先は同じ、課程が違うだけ」という言葉が身にしみます。確かにある程度年齢を重ねた人にしかわからない映画かもしれません。でもきれいな映像ですねぇ。 [映画館(字幕)] 5点(2009-02-11 14:57:18) |
14. レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
《ネタバレ》 今ひとつパッとしません。結婚生活が破綻していく夫婦の話ですが、夫婦になるまでの過程があまり描かれていないので感情移入が出来ませんでした。なんで「私たちは特別」と思ったんでしょうか?思いこみだけでこの様な行動をとるならこれはホラー映画に分類するものかもしれません(事実、最後は怖いです)。そもそもこの夫婦の相性の悪さには最初からイライラしており「なんでお前達は結婚したんだ」と思うほどだったので、この様な悲劇的な結末になってもあまり感情が動かされることはありませんでした。またデカプリオとウィンスレットを「タイタニック」とつなげて宣伝していましたが、それにつられて観た人は怒るかもしれません。「タイタニック」以来の共演というのは事実でしょうが、ここまで真逆な内容の映画で「タイタニック」を連想させて客を引っ張るのはいかがなものかと思いました。デートムービーかと思って観たら別れることになります。 [映画館(字幕)] 3点(2009-02-03 18:26:11) |
15. ワールド・オブ・ライズ
《ネタバレ》 わたしも宣伝に影響されてしまいました。すごい裏があるのかと思いこんでいたために肩透かしを食らった感じです。それとも私が気がつかなかっただけでしょうか。私に見えたのはクロウが多少嘘をつくくらいでどんでん返しはなかったように思えます。むしろハニが一番優秀だったという結論のような、、。リドリー・スコット好きだし、丁寧な作りだとは思いますが私としては残念です。 [映画館(字幕)] 3点(2008-12-26 13:32:59) |
16. ウォーリー
《ネタバレ》 いい映画でした。なんともウォーリーとイブが可愛いですね、特にウォーリーの仕草とイブの目。イブの笑った目はとてもかわいい。映画としては地球を舞台としているところ(前半)が良くて、台詞が無い分仕草で表現しなければならず、ものすごく細かい部分まで気を配っていてこれはCGの良さ(全て計算して出来るところ)が出た気がします。ただ、地球を出た後がなんとなく平凡になってしまった様な気がして(特に人間が出てくると)おしいなと。展開するためには仕方がないとしても、地球のパートがすごすぎる分見劣りがしてしまいました。でも最後にはほろりとさせられたし、単純なストーリーであることは否めないとしても充分に楽しい映画でした。 [映画館(字幕)] 7点(2008-12-26 13:24:05)(良:1票) |
17. 地球が静止する日
《ネタバレ》 イマイチな感じです。冒頭からしばらくは緊張感もあって良く、期待させるモノがあったのですが、基地から逃げ出すあたりから雲行きが怪しくなりその後の流れは???が続いてそのまま終わってしまう。他の方も書いてますがキアヌ演じる宇宙人がなぜ人類を助ける気になったかが希薄(長年見てきたというのだから人間の別面くらい知ってるだろうし、しかも地球で暮らしていた仲間(アジア系の老人)もいたのだから)だし、アメリカの対応もいきなり攻撃したりして不可解。最後は明らかに嵐に巻き込まれているのに3人は無事だったり(キアヌも体は人間ですよね)。終始、中途半端でした。そもそも「地球が静止する」というと「地球の自転が止まる」位のスケールかと思っていたのですが見た感じ「文明活動が止まる」だけなんですかね。それも肩すかしでした。 [映画館(字幕)] 2点(2008-12-21 08:46:18) |