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1.  ジョーカー 《ネタバレ》 
「俺の人生は悲劇だ──いや違う、喜劇だ。」  このセリフはこの映画のダイジェストの一つです。 しかし私の考えでは、これは正しくありません。 たしかに人生は、「喜劇みたいに見える」かもしれません。 しかし”実際には”喜劇ではないからです。 どこまで行っても結局、喜劇は”息抜き”でしかありません。 (ここで言う「喜劇」は「ゲーム」という言葉に置き換えても良いかもしれません)  アーサーもそれを薄々気付いてたと思うんです。 しかし自分の犯す凶行や町の暴動を喜劇(ゲーム)と思い込むことで、心の一番奥のソフトな部分を守っていたのではないでしょうか? そう思い込むことで暴動を起こす人々を見てもハッピーだと感じることができたのだと想像します。 アーサーはサイコパスなのではありません。むしろ共感性の高い性格の持ち主だ(った)と思われます。  作品内で頻繁に登場する「マイノリティを笑いものにしたジョーク」に象徴される、誰もが誰もを平気で踏みつけにする社会。 その社会の上層に位置する人々も、他人より多く他人を踏みつけにしたからこそ、その地位を手に入れたとも言えます。  これら、他者を何の躊躇いもなしに、踏みつけにし、笑えるものこそ「サイコパス」なのではないでしょうか?
[映画館(字幕)] 8点(2019-11-13 00:47:46)
2.  ダークナイト(2008)
大富豪なら自らコスプレして戦闘するより私財をなげうち地位を利用して「正義」のためにもっと出来ること、やるべきことがあるでしょうに。
[DVD(字幕)] 3点(2013-10-14 14:42:03)(笑:1票)
3.  砂と霧の家 《ネタバレ》 
映画としては多少マイナス方向のご都合主義(悪い結末になるように登場人物が行動する)を感じた部分はあるものの、特に前中盤はそれぞれの立場の切実さが描写されていてどうなるんだろうとワクワクしながら見ていた。人間ドラマとしておもしろい。 自分としてはベラーニ大佐側に感情移入して見ていた。特にクズの保安官が立場を利用して下衆な脅しをかけてからは圧倒的にそうなった。 バートンはもちろんだが、キャシーも同じぐらい酷い人で、手続きに則らずに勝手に家に近づいて怪我をしたのにもかかわらず、暖かく介抱してくれた一家に対し、盗人呼ばわりし、保安官と良い仲になり私情で動かす。挙句の果てに家族の前で自殺をしてトラウマを残させようとし、それを必死の処置で救ってくれた一家を我が情夫が監禁している事実を知っても助けようとしない。恩を仇で返すとはまさにこのこと。  ベラーニは確かに妻に暴力を振るったが男尊女卑の気が強いであろうイランで育った男性としてはかなり優しいほうなのだろう。元大佐としてのプライドを持ちながらも、家族のために肉体労働や雑貨屋のアルバイトをし、食事はチョコレートバーで我慢しそれすら家計簿につける姿には涙が出た。あの家は正当な手続きで所有したのであり、納得のいく値段でない限り家を返さないという主張は法的に完全に正しい(と思われる)し、欲深いからではなく、息子の進学費用等に是非ともお金が必要だというのだから倫理的にも全く責められるべきではない。  キャシーは家を失った程度で(もっとも弁護士は長引きそうだといっただけで完全に家を失ったのかよく分からない部分は残る)自殺を図るのなら、それよりはるかに自殺にふさわしい理由が3つも増えた以上、エンディングのあと当然自殺したのではないかと想像している。  自分としては息子を殺された後、復讐に走る展開になるのかなと思ったが、そうではなく、静かに死んでいくのはある種の誇り高い行為に思えた。自分達の命であった息子が死んだ以上、もうイラン時代の亡霊である自分達には生きる意味はないと思ったのだろう。(自殺は悪いことであることに変わりはないが。)
[DVD(字幕)] 7点(2013-07-07 19:45:12)
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