1. ハクソー・リッジ
《ネタバレ》 非常に満足度の高い作品。 衛生兵として圧倒的な信頼を得たあと、あれだけデズモンドを邪魔もの扱いしていた上官が、「彼なしには戦えない」と、デズモンドの祈りが終わるまで待つシーンは何か崇高ですらあった。 味方であろうと敵であろうと救える命はすべて救いたいという迷いのなさが観る者の心を打つし、日本人としても救われる思いがした。 戦闘シーンも目を背けたくなるほど完成度が高く、「プライベート・ライアン」にも引けを取らない迫真性があり、出兵に至るまでのドラマも長すぎず、バランスが取れている。 メル・ギブソンは名監督の評判が高いが、本作は引くところは引いて、ゴリ押しせずにまとめられていると感じた。いや、いい映画。 [DVD(字幕)] 7点(2025-01-16 10:27:11) |
2. バッド・バディ!私とカレの暗殺デート
《ネタバレ》 予告編を観てこれは面白そう!と思って鑑賞。 まあそもそもアナ・ケンドリックが嫌いじゃない上に、「ジョジョラビット」でサム・ロックウェルにも好感を抱いているので、配役は申し分なし。 殺し屋稼業も改心して依頼主を抹殺、という負のスパイラルを止めようとする設定はかなり無理があるものの、ラブコメなんだから許せる範囲。そして味方なんだか敵なんだかよくわからないティム・ロスもいて安定感も加味。ラスト近くからアナがその殺し屋としての適性を存分に発揮するのも面白い。ラストも爽快。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-01-14 14:42:20) |
3. ラザロ・エフェクト
《ネタバレ》 ラザロ血清を注入すれば、ゾンビ化せずに生き返るという夢のような発明。 狭い研究室の中に舞台を限定したのはわかりやすい。予算の関係でそうなったんだろうけど、血清の注入器がそれほんとに大丈夫?って感じだったけど、残りの計器類はそれなりにそれっぽく見えていたかな。 生き返った女性が生前持っていたトラウマが、実は自分が原因だったというのはなかなサスペンスフルで良かったんだけど、それならその設定をラストで結実させて欲しかった。 ハッピーエンドはないとしても、ラザロ復活者を量産してその後どうなる?ということにあんまり興味は湧かない。 しかしながら、最初に死亡するかと思われたエヴァがラストまで生き残ったのは嬉しい誤算。 彼女のキュートさに加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-01-14 14:00:05) |
4. ハプニング
《ネタバレ》 「シックスセンス」を撮った監督だからって、同じような展開や結末を求めてしまうのは、観る側のエゴだとは思うが、当の監督本人が同じテイストで作ろうとしているんだから、それはもう自業自得かと。 ミツバチの失踪と植物による人間淘汰は全くの別物で、そこに新味は感じられなかった。観ている者を驚かせようとする仕掛けが大掛かりになり過ぎて、収拾がつかなくなった感じかな。そもそも植物に攻撃されのかされないのかの線引きが曖昧過ぎて、緊迫感が逆になくなってしまった のはかなり残念なポイントで、広げた風呂敷の責任はちゃんと取ってもらいたかった。 なんでもありじゃあやっぱり駄目なんだよ。それなりに納得感がないと。 そんな映画の中でも光り輝くズーイー・デシャネルに加点。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-01-06 15:07:16) |
5. シビル・ウォー アメリカ最後の日
《ネタバレ》 アメリカの内戦かどうかはさておき、問題なのは、この映画のような状況が現在起こってもさほど不思議ではない情勢に世界が傾いている、ということじゃないかな。 極右にしろ極左にしろ、自国第一主義の政党が民衆の支持を得ているのをニュースで見ることが増えた気がする。味方なのか敵なのか、どちらかを選ぶことを強いられる世界。 世界の有り様の分岐点にさしかかった現代にふさわしい映画かもしれない。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-01-05 11:54:51) |
6. トランス・ワールド
みなさんと同様、タイムパラドクスもの、という予備知識だけで鑑賞。 冒頭はほんとにB級感を漂わせるんだけど、「え?そうなの?」と登場人物だけでなく、観ているこちらまで戸惑わせる抜群の筋立て。 これは拾い物。 観て損はない逸品だけど、最初は我慢が必要かも。ぜひ楽しんでください。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-01-05 11:36:08) |
7. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 これ実話なんだ。 それを知らずに今まで観るのを何となく敬遠してきたんだけど、観たらやっぱり面白かった。 だってスピルバーグにトム・ハンクスだもんね。間違いないよ、そりゃ。 この度胸満点のいかさま詐欺師が十代とは、恐れ入り谷の鬼子母神ってつい言っちゃうよね。 パイロットの詐欺師っぷりは堂にいっていたが、やはり小児科医ってのはそりゃ無理があるよね。治療なんてそもそもできないし、早々に弁護士に変わったのは卓見。 相手役のエイミー・アダムスも初々しくてキュートで良かった。彼女には本気で惚れたのかな。 まあ実際は十代の子どもなんだから、あんなにストレートに迫られたら好きになってしまうだろうな。 そこそこの所で満足せず、とことん金と地位と名声を得ようとするところはやはり子供。やりたい放題やってりゃいつかは捕まるし、だいち既にFBIに目をつけられてるんだから大人しくしてりゃいいのに、やっぱり荒稼ぎ。人をだますことに関しては超一流みたいだけど、頃合いとか潮時の見極めができないのは詐欺師としては致命的な気がするが、そこが彼の魅力だったのかもしれない。捜査官のカールも、彼のそういう子供っぽいところが実は気に入っていたんじゃないかな。 ちょっと現実味に欠けてふわふわしてるシーンもあったけど、ずっと緊張感と驚きが続いて面白い映画だった。 若き日のエイミー・アダムスに加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-10-22 13:59:28) |
8. search サーチ
《ネタバレ》 パソコン画面を延々と観続けるのは少々つらかったが、アイデアとしては現代風。 ラスト近くまでいったいどうなるんだろうと思いながら観ていたのだが、ちょっと待って。 え?担当の刑事が?そんなことある? パソコンの画面に負けず劣らず、狭い世界での犯人逮捕にちょっと鼻白んでしまったよ。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-10-12 17:06:04) |
9. 355
《ネタバレ》 正直に言ってしまうと、ジェシカ・チャスティンとダイアン・クルーガーの共演が観たくて鑑賞。典型的なアメリカンと典型的なドイツ人って感じでキャスティングとしては最高。しかも劇中なんか反目し合ってて、そこもポイント高い。 しかし、他のレビュアーの方も書いておられたが、キレキレアクション満載のスカッとする映画を期待していただけに、中盤で挟まれる人質殺戮シーンで一気に気持ちが重たくなってしまった。その後の弔い合戦(しかも重めの)的な流れも、恋人に裏切られる展開も重たさ倍増で予想外。 女性版「エクスペンダブルズ」が観たかったのだよ、私は。 まあこれは私の身勝手な希望なんだけども。 しかし、今回のようなちょっと蓮っ葉な役もできるし、王室の高貴な女性も演じられるしで、ダイアン・クルーガーでつくづく魅力的な女優だなあ。そこに加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-12 15:53:47) |
10. ドラキュラ デメテル号最期の航海
《ネタバレ》 まずタイトルが素晴らしい。 「デメテル号最期の航海」なんて、ゴシックホラー感満載で、観たくなること請け合い。 しかも謎の積荷である木箱の存在と、そこに刻まれた紋章…とくれば、ワクワクがとまらないはずなんだけど。 まあそもそも観ている側に「ドラキュラ」とは何ぞやという予備知識があり過ぎるために、ドラキュラを未知の存在として楽しむことができない、というジレンマがあるんだわな。ただ今回の「ドラキュラ」は、吸血鬼というよりもコウモリのお化けという感じで、その点には新鮮味が感じられたのだが、やはり登場人物と同じようには「ドラキュラ」という存在に恐怖を覚えることができなかったのは残念。 トランシルヴァニアの村の住民を食い尽くし、新たな血を求めてロンドンに渡る、そのための犠牲者を積んでる、ということが徐々にわかっていく展開は、「ジェーン・ドウの解剖」と同じように恐怖が増幅していく感じがしてゾッとして良かった。 この時代にドラキュラ映画を撮る難しさを考えさせられる映画。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-12 15:26:05) |
11. ツイスターズ
《ネタバレ》 まあね。前作「ツイスター」が名作だっただけに、比べられてしまうよね。 ヘレン・ハント信者の私には、今回のヒロインと比べるつもりは毛頭ないんだけど、全然悪くなかった。いや、むしろ好きだ。 しかも、「ドロシー」が出てるじゃん! 私にはそれだけでノスタルジーを刺激されて大満足な一本だったし、もちろんスペクタクル感満載の満足度の高い映画。 [映画館(字幕)] 7点(2024-10-10 17:40:08) |
12. エイリアン:ロムルス
《ネタバレ》 「…トロモ」の残骸を見せるシーンで、「エイリアン」の続編としてのっけから期待度大。 アッシュと同型のアンドロイドは出てくるし、コンピュータは今時の鮮明な画面ではないカタカタ動く旧式。これがエイリアンの世界観なんだよなあとどっぷり浸かりつつの鑑賞。 いや、それにしても。 小学校4年に映画館で観た映画の続編を、五十を超えてから観ることができるなんて、なんたる至福。そして、何年経っても色あせることのないエイリアンの造形の妙。HRギーガーのデザインのなんと素晴らしいことか。そんなエイリアンをこよなく愛する自分にとっても、この映画は非常に満足度の高い作品だったと思う。 無重力で強酸性の血液で宇宙船が傷つかないようにするなんて、ありそうでなかった発想だし、最後の最後まで期待を裏切らない危機の連続。いや、面白かった。何よりレインが新たなヒロインとして輝いていて魅力的だった。 ただ。 ただ、だよ。 あの人間とエイリアンが合体した新種の醜悪さは、ちょっと許せなかった。 あんなデザイン、子どもでもできるし、何より美しさが微塵も感じられない。ギーガーに対する冒涜ではないかとさえ思ってしまった。。 そこだけはやはり気になったというか、もの申したい。 リドリーもそこは許しちゃだめだよなあ、と思いつつ2回鑑賞。 エイリアン、もう完全にサーガだね。 [映画館(字幕)] 8点(2024-09-24 14:56:18) |
13. アビゲイル
《ネタバレ》 誘拐した少女が実はヴァンパイアだったなんて、予告編だけで観たくなること請け合いの筋立て。 しかし、誘拐犯たちを返り討ちにしたところでよくあるホラー映画になってしまうので、そこはいろいろと仕掛けが設けてあって、最後までけっこう退屈せず面白く観ることができた。そもそもホラー映画なんだから、あんまり小難しいこと言わないで、怖がらせてくれたらいいのだ。 誘拐犯たちを集めたのは実は少女自身だったり、凶悪に思える少女にも実は弱い部分があったり、予想外の展開につぐ展開だし、誰が先に殺されるのかもなかなか見えなくて興味深いし、盛大に血しぶきが上がるしで、ホラー映画としても満足の一本。 [映画館(字幕)] 7点(2024-09-24 14:27:29) |
14. 地球が静止する日
《ネタバレ》 リメイク版なんだけど、前作を観ていない。 これちょっと元の映画観てみたいな。地球の危機を同じように描いてるなら、先見の明ありだよね。 本作はもう言い古されていることを改めて突き付けられる感じ。 我々は目を瞑ってるけど、このままじゃまずいよな、とはやはり感じているのだが、まあ描き方がちょっと古い。 キアヌも好きだし、ジェニファー・コネリーが出ている時点で加点なんだけど、ちょっとキアヌの聖人キャラに頼り過ぎかな。 あのなんだかわだけにからない虫に世界が侵食されていく感じは、意外にリアリティがあって嫌いじゃなかった。…だけにちょっと残念。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-09-16 12:03:55) |
15. マッドマックス:フュリオサ
前日譚とはいえ、もう前作の内容をあんまり覚えていないのだが、シャーリーズ・セロン役をやるなら、アニャは適任ではないかと思う。なにせあの鋭い眼光は只者ではない。 自ら爆弾となるボーイズとか、相変わらず狂気に振ったキャストは異世界の設定として迫力充分。これはもう一度「怒りのデス・ロード」を観たくなる。…でも多分観ないけど。 「マッド・マックス」と冠する必要はもはやない気がするので、そこんとこはちょっと異議あり。 [映画館(字幕)] 6点(2024-09-16 11:56:56) |
16. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
《ネタバレ》 いや面白かった。 今更実は月に行ってませんでしたなんて映画は作るはずがないから、「カプリコン1」的なシリアスさは求めてなかったんだけど。 アポロ計画で散っていった宇宙飛行士たちに対する敬意が随所に散りばめられていて、アポロ計画の成功がアメリカ人の魂を作っているのだということを改めて考えさせられた。その点で実直なイメージのチャニング・テイタムは派手じゃないけどはまり役。 予算を獲得するために格闘するくだりも面白かったし、ラストの猫のシーンには思わず手に汗握ってしまった。 私にはそれほど恋愛要素が強い映画とも思えず、終始興味深く楽しんで観ることができた。今年観た映画の中ではかなり上位の佳作だと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2024-08-12 10:40:51) |
17. エクスペンダブルズ ニューブラッド
《ネタバレ》 え、待てよ。スタローンもう出番終わり?映画館に観に行かなくて良かった~って思ったらまさかのフェイク。 しかしスタローンの出番が最初と最後の数分だけだったことに変わりはなく、やっぱりエクスペンダブルズはスタローンとステイサムのコンビあっての映画だと再確認した次第。 アクションもストーリーもちょっと適当過ぎるぜ、しかし。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-08-12 10:32:25) |
18. FALL/フォール
《ネタバレ》 そうか。緩衝材はもう靴ではなく、友人の体なんだね。 彼女が誘ったんだから、それは仕方ない。 どうやって降りるか、ではなく、どうやって救助を呼ぶか、という所に話がいってしまったのがちょっと早くて、もう少し何か考えて欲しかったな、というのが残念なポイントの一つ目。そしてもう一つは、登山の悲しみや恐怖から脱却するには、鉄塔登りじゃなく登山では?というのは、映画の設定自体がそうなのでまあ仕方ないよね。 しかしながら、高所の恐怖感は十二分に味わえる、今までにはなかった映画。 ジェフリー・ディーン・モーガンは、ウォーキング・デッドの悪役を完全に払拭できた感じで、彼が出ていることで映画が引き締まった感が強い。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-07-14 08:18:49) |
19. アス
《ネタバレ》 そもそも人の言葉を話せるのは例の彼女だけなんだろうか。 残りのいったい何億人いるのかわからない人たちが言葉を話せないとしたら、そもそもどうやってこの決起を成功させることができたのか。 まさかテレパシー? で、これはアメリカだけの話なのか全世界的なことなのかも判然せず、なんだか感情移入できないままハサミで殺戮、という痛いシーンを観ることになってしまった。 仲良しの家族役、いけすかない人たちだったけど、あの妻は透明人間に出てた女優さんだったのかな。なんてことを考えたり、主役のニョンゴさんはアクションホラーに引っ張りだこだなあなんてことを考えながらの鑑賞。 でもね、例の偽?一家が家を狙うシーンはけっこうな恐怖感だった。やっぱり種明かしはあんまりはっきりしない方がホラー映画としては成功するのかもなあ。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-14 08:09:31) |
20. ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2
《ネタバレ》 前作の「ジーパーズ・クリーパーズ」には、心の奥底がぞわぞわっとするような得体のしれない恐怖感があった(前半だけだけど…)。 が、この二作目は、クリーチャー退治がメイン。 底知れぬ恐怖、という点ので大きく前作に及ばない感じ。 ただ、クリーチャー復活がどういう形になるのか、続きが観たくなる点では大いに成功。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-09 15:00:41) |