1. 暗い日曜日
《ネタバレ》 ストーリーは違うが「愛と宿命の泉」と通じるものがあるような。因果応報の切ない復讐譚。 毒薬の伏線も効いていて、ラストまで引っ張られる。最後まで見て冒頭の死の意味がようやくわかるサスペンス仕立て。 ハンスは平凡な失恋男だったのに、ナチの手先として権力を握ってからクズ人間の本性を現した。 権力を握ると腐った本性を現わす人間は多いが、まともな検閲機能がなく不正のまかり通る時代や国ならなおさらだろう。 二人の男と付き合う魅惑の美女。男としては当然一人占めしたいところだが、捨てられるのを恐れて半分で我慢している。 良く言えば男にプライドを捨てさせるだけの魅力のある女ということだろうが、天使の顔をした魔性の女だ。 この映画の最大の難点は、人を死にたくさせる魔性の曲を現実には表現しきれないこと。 実際に自殺者が多く出た曲として有名なようだが、それも単に都市伝説っぽく感じられて実感として伝わってはこない。 [DVD(吹替)] 8点(2017-12-08 00:17:48) |
2. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 ハイウェイでの交通事故から、物語が始まる。 複数の話が交錯して、微妙に登場人物が関連している。 偶然が幾つも重なって登場人物が関連しているので、リアリティは感じないが、お話としてはよくできている。 人種のる壷である現代アメリカの抱える問題が垣間見えて興味深い。 人種差別者の警官が黒人女性を自動車事故で救い、その警官を批判していた若い警官がヒッチハイクの黒人を誤解から撃ち殺してしまったのが皮肉。 人間は光と闇、どちらの要素も持っていて、流れや状況次第でどちらにでも転びうるということか。 交錯する話の中では、透明マントのエピソードが良かった。 女の子が撃たれたのに、傷一つなくて、急にファンタジーストーリーになったのかと思えば、ちゃんとオチをつけてくれる。 脚本が綿密に練られていて、しっかりしているので、観ていて変なストレスは感じない。 [DVD(吹替)] 8点(2012-12-06 18:04:43) |
3. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 ベルリンの壁崩壊を体験した東ドイツ市民の目線が興味深い。 母が意識を失っている間の劇的な東西対立の瓦解。 意識を取り戻した母に息子が突き通そうとする嘘は、大本営のプロパガンダのよう。 ただ、違うのは息子の場合、母を案じるという純粋な愛情で動いているということ。 母も最後は真実に気づいていながら、そんな息子に騙されたふりをする。 テレビ画面ではなく息子を見つめる優しい目が印象的。 母は父を裏切って西側に後を追っていかなかったくせに、子供たちに父を祖国を裏切った浮気者に仕立てあげていたのは最低の所業だ。 それでも母を責めずに労わり続ける主人公の優しさと家族愛が胸に迫る。 その一方で、父との関係は消化不良。 父も新しい家族を作って、解放後も息子や娘の消息をたずねようとしなかったし。 メインではないが主人公をサポートしたロシア女性ララが魅力的だった。 重苦しくなりがちな設定やテーマだが、映画オタクの捏造ニュースなどコミカルなシーンを交えて描いているので楽しめた。 [DVD(吹替)] 7点(2014-09-27 14:42:35)(良:1票) |
4. グランド・ブダペスト・ホテル
《ネタバレ》 何人も殺されて生首シーンなんかもあるんだけど、軽妙なタッチでユーモラスに描かれるので陰惨さは感じない。独特の不思議な味わい。遺産相続を巡っての連続殺人、冤罪事件なので、演出によってはハードなサスペンスにもなりうるストーリーなのに、全体的にほんわかしていてユーモアとペーソスがある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-08 01:51:41)(良:1票) |
5. クラウド アトラス
《ネタバレ》 時代の異なる六つのストーリーが並行して描かれるが、輪廻転生をテーマにしながらそれぞれのストーリーに因果応報のような関連性をあまり感じない。 なので、見終ってすっきりした感じはなく、一人何役もやっていることもあって混乱してしまった。 解説サイトを参照して整理がついたが、見直さないと一度きりでは六つのストーリーを全部把握するのは難しい。 奴隷解放に尽力した夫婦が、違う時代でもクローン解放に関わって恋愛関係に。 かと思えば、メインキャストのトム・ハンクスの人生は、六つの時代の生まれ変わりに因果関係が認められない。 必ずしも前世の業が影響するわけでもないようで、作品を通しての規則性、法則のようなものが見出せず、「カルマ」がアバウトなものになっている。 ストーリーの整合性よりも、役者の特殊メイクによるアッと驚くような変化に力を入れたせいだろうか。 世界観はおもしろいんだけどやりきれていない感じで、時間も3時間近くあるので疲れる。 とは言え、もう一度見直していろいろ確認してみたくなる映画ではある。 [DVD(吹替)] 5点(2014-02-08 17:59:39) |
6. 黒猫・白猫
映画館で鑑賞したが、少し眠くなった。 ドタバタにぎやかな印象だけで笑いのツボも合わず。 映画のハイテンションとのギャップがはっきりと。 [映画館(字幕)] 4点(2013-01-12 22:55:28) |