1. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 社会主義が崩壊し資本主義に圧倒されていく流れの中では、社会主義に対する風当たりが厳しくなるのは仕方が無い。しかし、社会主義の全てが間違っているわけではないし、その中でそこそこ幸せに生活していた人達がいたわけです。そういった人達にとって変革は必ずしも良いものではなかった。仕事は失うし、かつての労働者の英雄はタクシー運転手になってるし…社会の中でしか人は生きられないが、社会は個人の思いとは関係なく回転し、流れていくようで哀しかったです。けど、映画全体はコメディということもあって、それほど湿っぽくありません。また、西でも東でも禁止されている散骨をするシーンは、西だ、東だ、資本主義だ、社会主義だ、そんなことより大事なことがあると訴えているようで、救われました。 7点(2004-05-09 14:22:33) |
2. 過去のない男
《ネタバレ》 発見した自分の過去に、もう戻る場所が無いとは残酷です…生きてきた自分はなんだったんだ?と疑問を持たずにはいられません。けど未来にはかすかな希望が持てる、過去は大事だけど、過去のみで生きてるわけじゃないんですよね。人生はいつでもやりなおせる、やりなおしができないと思うのはひょっとしたら過去に縛られすぎてるせいかもしれません。いつもながら、カウリスマキ監督の人間に対する眼差しはやさしく暖かい。 7点(2004-05-05 17:07:48) |
3. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
《ネタバレ》 二人のキレっぷりがいい!キレると言うと暴力的なものを連想するけど、そうじゃない。キレてるけど爽やかでせつないんです。このあたりがハリウッドとの違いかな。それに何と言っても微妙なズレがいい!殺し屋は言葉を間違うし、追跡するパトカーは信号で止まるし…そして死をテーマにしているのにどこか軽い、最後にしたいことが女二人を抱きたいって、オイオイお前…な感じなんだけど、この軽さが死を背景にしているせいか、なんか切ない…泣き笑いです。とにかく良い映画でした。 10点(2004-05-04 15:14:19)(笑:1票) |
4. ダンサー・イン・ザ・ダーク
このやりきれない気持ちをどこに持っていったらいいのやら、残された人達(観客も含めて)はどうしたらいいの。彼女はあのようにしか生きられない、どうしようもないです。私は裁判のときに全部喋ってしまう類なので共感はできないけど、セルマを何とかしてあげたいと思いました。けど自分の近くにも彼女のような人がいても、私は気が付いてあげることもできないかもしれません、情けない話ですけど。ドキュメンタリータッチのカメラワークは批判も多いけど、セルマという一人の女性の人生を見せられている感じがして好きです、悲しさ、せつなさも倍増です。 9点(2002-07-15 06:28:46) |