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1.  この自由な世界で
主人公の女性は強烈な意思で自らの人生を切り開いていこうとします。そのエネルギーの大きさに圧倒されます。日本人にはとても真似のできない人生です。同時に描かれる海外からの移住労働者の現状や彼らの怒りは将来の日本が抱える問題でもあります。避けがたい事態ではありますが、これをグローバリゼーションの否定的な一面として捉えず、むしろ相互理解への一歩として捉えてほしいと私は願っています。  
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-15 06:30:01)
2.  ボーン・アルティメイタム
「絶対死なない+不可能なことはない+迫害されている」っていうところがまさにゲームです。場末の映画館で見たんですが画面が全体的にくすんでいてさらに臨場感に溢れていました。 
[映画館(邦画)] 2点(2009-05-15 09:43:55)
3.  クジラの島の少女
ニュージーランド先住民であるマオリ族の少女の物語です。実際にニュージーランドへ行くと白人の勤勉さとマオリ人の無気力が目立ってしまうのですが、この映画ではマオリ人の誇りが描かれています。マオリ人にせよ白人にせよ、ニュージーランドにとってはごくごく近年になって現れた外来種ですが、彼らの生活背景は基本的にまったく異なっています。マオリ人と白人とどちらが正しく、どちらが間違っているとか安易には言えません。いかなる立場に立って発言するかで判断が大きく異なってくることを十分に承知した上で鑑賞すればいいと思います。 
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-11 06:14:21)
4.  マンダレイ
な~んの予備知識もなく見始め、「へ?」とか思いながら、なおかつちょっと居眠りなんかもしながら見ていたのですが、最終章でやられました。いやあ、めちゃくちゃパンチの効いた映画でした。やるなぁ、監督・・・。カラマーゾフの兄弟の大審問官とも通じるものがありますね。 
[DVD(字幕)] 7点(2009-05-05 05:36:15)
5.  やわらかい手 《ネタバレ》 
退屈で安全でそれでいて気を遣う良識的な生活を捨てざるを得なくなった主人公のおばあちゃん。骨の髄まで冷えてきそうな寒くて暗い街角を舞台に、孤立無援のおばあちゃんのハラハラドキドキの新しい旅立ちを描いて、「ああああ、いったいこれからどうなるんだろう。アンハッピーエンドだったらどうしよう・・・」などと思うと心配で心配でたまらなくなってきます。けれども大丈夫! 最後にほっとして、そして「ああああああ、な、なんていい映画なんだ・・・」と心の底から思うことができるすばらしい映画です。彼女の雇い主である風俗店のオーナーのまなざしがとても暖かいです。
[DVD(字幕)] 9点(2009-02-11 04:58:58)(良:1票)
6.  悪いことしましョ!(2000)
ブレンダン・フレイザーとエリザベス・ハーレーが組んだ大爆笑映画です。悪魔と交わした契約書の分厚さにはため息がでますね。いたるところに罠をちりばめ、そのひとつひとつに律儀にはまりこんでしまう主人公はあんまり可哀想で涙が出てしまいますが、私たちは失敗をしながら人生を学んでいくんだということを、笑いの中に暖かく示してくれている映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-07 06:24:51)
7.  善き人のためのソナタ
いかなる社会であれ、模範的であるということはその社会体制に迎合し、それになじめない人々を迫害することでもあります。それは民主主義においても同様です。正義や権利を盾に他人を追求することに生きがいを感じて暮らす人たちがそうした自分の生き方に疑問を感じ始めたとき、私たちは真の意味で自分自身の魂を取り戻すことができるのかもしれません。話は変わりますが、「グッバイ・レーニン」ではこの映画と同じ時代を庶民の側の目で描いています。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-05 06:37:17)
8.  グッバイ、レーニン!
ベルリンの壁の消失がとある一家にもたらすドタバタ劇です。日本人から見ればコメディタッチが笑いを誘いますが、旧東ドイツの人々が見たらたぶんため息の連続になるのでしょう。東ドイツにとって統一とは、「得ること」と同時に「失うこと」でもありました。主人公一家に限らず、巨大なものに依存しきって生きることにひそむ危うさは私たちの日常生活の中にもあまねく存在しています。話は変わりますが、「善き人のためのアリア」ではこの時代を体制側の人間の目で描いています。
[DVD(字幕)] 7点(2009-01-23 06:51:01)(笑:1票)
9.  過去のない男 《ネタバレ》 
第二次大戦中、フィンランドは日本と同じ枢軸国側に立って戦った国です。映画の最後の方の列車の場面で、主人公は箸を使って寿司を食い、日本酒を飲み、バックには演歌が流れています。登場人物にステレオタイプの善人は皆無で、みんな笑うと損だと思っているかのような無表情。唯一善良なのは危険きわまりないとお墨付きの猛犬ハンニバルくらいでしょうか。風景は暗く、うそ寒く、救いようのないという点であまりにもリアルで、デズニー映画の対極にある傑作映画です。後半、救世軍のバンドが炸裂するシーンは今も目に焼き付いて離れません。 
[DVD(字幕)] 10点(2009-01-17 06:59:22)
10.  シカゴ(2002)
日本だったらただちに全否定されてしまいそうな性格の主人公3人。それだけになおさらのこと、彼らのはちきれんばかりのエネルギーがまぶしく思えてきます。どの場面もすてきですが、中でも腹話術のシーンは圧巻です。どれだけのお金を使って作り上げたのかは分かりませんが、屋外の美しい風景などいっさい使わず、あくまでもどぎつく猥雑な劇場空間のみで強引に引っ張っていくことのなんといういさぎよさ。アメリカでしか作れない映画の希有な成功例の一つでしょう。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-04 07:19:36)
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