2. 三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
《ネタバレ》 予想はしていましたが、飛行船が出てきたあたりからどんどん盛り下がっていき、しかもメインキャストのミラとオーランドが山場の手前で退場するという謎の構成でした。 人気原作をマンネリにならず現代風にアレンジしたかったのでしょうが、三銃士なのに主役が飛行船で、最大の見せ場が剣劇でなく砲撃戦なのはやはりミスマッチです。これなら途中でミレディが見破ったように、三銃士の面々の個性を活かした潜入方法を取らせて見せ場を作った方が良かったのでは。 剣劇による乱闘シーンは冒頭に少しだけ、予告で期待させたミレディのアクションはほとんどなし、バッキンガムは飛行船を横取りされてすぐに出番が終わり、なぜか銃士よりキャラが立っている付き人のデブなど、客が見たい要素がここまで裏切られる映画も珍しい。メインのアトスやアラミスのキャストに華がなかったのも絵的にしょぼかったです。 逆にダルタニアン&コンスタンスとルイ&アンヌのカップルはビジュアル・キャラ共に非常に魅力的で、悪役の面々を食ってました。コンスタンスが悲鳴一つ上げず淡々と敵と対峙するあたりはさすがアンダーソン監督。いっそアニメ三銃士みたいにミラをアラミスにした方がよかったんじゃないかと思えます。 美術面では2Dで見たのですが背景セットが安っぽく見え、風景や空気感とのCG合成技術が10年前ぐらいのレベル。戦闘要員の衣装が鮮やかなトリコロールカラーでなく黒レザージャケットで、空を終始曇らせて画面の彩度を下げてるあたり、全体的に低予算な感じがします。 最後にミラとオーランドが興行収入良かったら次回作もあるかもね!みたいなフリを入れてましたが、この監督ならミレディのスピンアウト作品でも作った方が肌に合うんじゃないですかね。 [映画館(字幕)] 5点(2011-10-29 00:04:36) |