1. アンジェラの灰
青く煙る石畳、雨上がりの石畳、人が行き交う石畳・・・とにかく石畳は絵になりますね。照明や美術はかなり丁寧に練り上げられている印象です。物語は、貧困に生きる家族の絆、葛藤を主人公が回想するという形で静かに深く描かれていきます。しかし・・・長い。しかもやたらにカットが切り替わるので、なかなか落ち着きを与えてくれず、見終わって非常に疲れてしまいました。実話、しかも貧しさの中をけなげに希望を失わず、という話であるなら、もう少し長回しのシーンを利用するなどリアリズムが欲しいなー。そうすれば短くても余韻の残る作品に仕上げることができたと思うのですが・・・。そして、フランキーにパーカー自身を投影させたラストの「自由の女神」は、アメリカンドリームに対するパーカーの憧憬そのものですね。「アンジェラの灰」のタイトルの意味についてはアスミック・エースの公式ページに言及がなされております。 6点(2004-06-24 01:01:23) |