1. ミート・オブ・ザ・デッド
まあ期待はしてなかったけど、案の定、「ゾンビ」という既に完成されたシチュエーションのみを間借りしているだけのB級映画。実質的にはB級のさらに劣化コピー映画だけど。 製作者が何も考えていないので、低予算であることを逆手に取ったり、ストーリー展開に工夫を加える発想も無し。低予算のままゾンビ映画として「通り一遍」のことをやってるだけの作品が面白くなるはずがない。悪い意味でチープさのみが際立ってしまっている。 舞台が片田舎なのでゾンビ映画としての規模が小さく、パニック感や終末観に欠けている。場面変化にも乏しい上に、あまりにも展開や演出がありきたりなので中盤以降は、もう飽き飽き。後半の夜の場面も暗すぎて、怖い以前に見づらいだけ。 せめてゾンビ牛の大群を出すくらいの根性を見せてくれ。B級にはB級なりの矜持が無ければ、それこそこんな映画に存在価値は無い。 [DVD(字幕)] 1点(2006-11-04 15:03:16) |
2. フリーズ・フレーム
《ネタバレ》 一見、複雑な「妄想系サスペンス」かと思わせて、実際はかなり単純な内容。 中盤まではまだ事件が主人公の妄想なのか、それとも真犯人が別にいるのかという部分が判然としないので興味を維持して見ていられるが、ラスト20分辺りの展開から急激に失速し始める。 結局、「カメラで撮影してたから何とか冤罪が晴れた」というだけの内容にしかなっておらず、終わって始めて「謎」や「伏線」と呼べるものがほとんど何も出て来なかった作品だと分かるw。 この手の作品にしては珍しく、「主人公が本当に何もやっていなかった」というオチだが、問題はそれでサスペンスとして面白くなっていないコト。要するにカメラで撮影している以外に、主人公に謎を解かせたりするような知的な展開がまったく無いからだろう。 それにメインの謎の真相もショボすぎ。 あれだけ重要視しているビデオカメラの保管庫にあっさり侵入されていたりするというのは、ちょっとご都合主義的すぎるでしょ。 「冤罪防止のためにカメラで自分を撮影し続ける」というアイデアは良かったのに、話の持って行き方や演出の仕方を間違えている感じ。所謂サスペンスミステリーとしての「謎解き」を中心軸に据え、「いったい何が真実なのか」というテーマを描くために上手く伏線を構築する事が出来ていれば断然面白くなったはずなのに残念。 前半8点、後半2点で、平均5点献上。 [DVD(字幕)] 5点(2006-07-24 23:37:46) |
3. ヴェロニカ・ゲリン
これが事実に基づいて作られている以上、私ごときが何か言う資格は無いが、この映画が彼女の行動や理念を誇張・美化する事無く、真摯に事実を伝えている事を願うのみ。 少しでも監督の意図的な脚色が入っていると、彼女の行為とその結果の価値をも変質させる事に繋がるからである。 [ビデオ(吹替)] 7点(2005-04-29 11:21:23) |
4. キング・アーサー(2004)
《ネタバレ》 「トロイ」もそうだったけど、歴史や神話を描いた作品にしては、壮大さやドラマチックな展開に欠ける地味な内容。 より史実に近いように、人間味のあるリアルな物語にしたかったみたいだけど、サクソン人との戦闘シーンなどは、非現実的な部分が多かったりと、なんか中途半端でアンバランスな印象。 凍った湖上での戦いや、城内での戦いにしても、相手がマヌケ過ぎると言うか、弱過ぎると言うか、戦略的な駆け引きのようなものがまるで無く、違和感を感じるほどに大雑把(先に息子の部下を城内に入れた事で罠だと分かったのに、なんで改めてノコノコ真正面から城内に入る?待ち伏せされてるって分かったはずでしょ?しかも頭領が先陣切って突入なんて、あり得ないでしょう)。いくら大昔の話とは言え、あんなに考え無しの戦い方なんてある?そのサクソン人の頭領も卑怯なのか、正々堂々としているのか、頭が良いのか悪いのか、さっぱり分からないキャラ。 アーサー王が主人公でなく、円卓の騎士たちそれぞれが主人公という描き方には好感が持てるけど、各キャラの掘り下げやスポットライトの当て方が中途半端なので、人間ドラマとしても物足りない。 全体的に見るとまるで印象に残るものが無かった。やっぱり神話の世界を描くなら、もっと血沸き肉踊る壮大なロマンが欲しいなあ。 [DVD(字幕)] 4点(2005-04-29 10:07:52) |
5. スウィーニー・トッド<TVM>
《ネタバレ》 切り裂きジャックの別解釈的な内容か?犯人は最初から分かっているし、動機も基本的に金銭目的なので、作品として何の工夫もインパクトも無い。19世紀末のロンドンの不潔で雑多な街の雰囲気はよく出来ているだけに勿体ない。 3点(2003-08-30 07:20:12) |
6. アリス(1988)
ルイスキャロルとシュヴァンクマイエル。これほど相性が良い二人もいないでしょう。まさにシュールレアリズムの極致。特に「不思議の国のアリス」の不条理な世界観には、シュヴァンクマイエルの持つ不安感、強迫観念を内包した作品世界とも共通する部分が多い。グロテスクでありながら、どこかユーモラス、そして残酷な「子供の夢の世界」に遊びながら、自己との対話を果たす、そんな大人のための映画。ただ惜しむらくは、間延びするシーンが多い点。もう少し原作のエピソードを増やし、テンポを良くすれば極上の一品になっただけに残念。 [DVD(字幕)] 9点(2003-08-28 10:18:46) |