1. 砂漠の救出作戦
自分で登録しておきながらナンなのだけど、う~ん、何書いたらいいのやら…(笑) とりあえず、これ、欧米の好き者の間ではカルト化している(らしい)『ジャングルの裸女』という“女ターザンもの”の続編です。でもって、日本じゃ劇場未公開。小生もテレビ放映で見ました。 映画が始まると、タイトルも出ないうちにいきなりアフリカ奥地の村落で、トップレス姿の黒人娘(オバサンも、少々)たちがドンドコ踊っています。と、そこにふんどし一丁の白人少女が現れ、激しく、妖しく踊りだす! 長い金髪で胸を隠しているものの、ちょっと見はすっぽんぽん!1950年代にこの大胆さはさすが旧・西ドイツじゃわい…と、もうこの時点で大満足(…もっとも、よく見ると白人少女は、乳首のところに飾り物つけているんですけどね。アフリカの現地女性たちは丸見えだってのに、このあたり、昔の“エセ秘境もの”記録映画で、原住民の秘部ならボカシなしで公開していたニッポン国に通じる「差別観」がモロ)。主役のマリオン・ミハエル嬢は、まだ10代だったそうな。 踊りの最後、彼女はトランス状態になって大股開き(!)で倒れ、キャメラはそれを真正面から捉えます。ウ~ン、なんてスケベなアングルなんだっ! と、その頃にゃもうすっかり小生の視線は、キャメラと同化(笑)しておりました。 その後も、このストリップ…もとい、ダンス場面は、物語とはまるで関係なく2、3回登場し、マリオン嬢は、たとえ街の場面で普通の服に着替えていても、お股に食い込む短パン姿で、通りを行くオトコたち(と、小生)の眼差しにさらされまくり。いやぁ~、もうたまりまへんです。 …そりゃあ、『シーナ』のタニア・ロバーツや『類人猿ターザン』のボー・デレクの方が、文字通りの“裸女”だったけどサ。この映画のマリオン嬢って、実に天真爛漫というか、無垢というか、イノセントな“処女性”に輝いているのね。だからイイんですっ!。それは、前作が実のところ「ターザン」というより「アルプスの少女ハイジ」的な展開だった(すみません、未見です)ことを考えると、作り手の意識が決してスケベ心だけじゃなく、彼女を通して「アフリカ」という“処女地”に対する西欧人のロマンチックな憧れを描きたかったということなのかも。 でもやっぱり、これはマリオン嬢を鑑賞するため(だけ)の映画ですけどネ。 6点(2004-11-20 17:18:07) |
2. シェルブールの雨傘
恥ずかしながら、最近になってようやく(ビデオで…)見ました。何でもっと早くに、劇場でリバイバルしていた時に見ておかなかったんだろうと、激しく後悔させられましたです(ジャック・ドミィって、『ロシュフールの恋人たち]と『ベルサイユのばら』で敬遠していたもんで…)。いやあ、こんなにも甘くて、洒落ていて、可憐で、でも切なくて、残酷で、心にしみる映画だったなんて! 男の純情と、女の心変わりが、一度でも「恋」したことのある諸兄諸姉ならきっと、ある痛みをともなって胸に迫るはず。それを全編ミシェル・ルグランの華麗なナンバーが彩り、エモーションをかき立てるあたり、もう涙、ナミダ。間違いなく、映画史上最も美しい作品のひとつでしょう。 10点(2003-10-17 15:27:21)(良:1票) |
3. ストーカー(1979)
本当に、思わずひれ伏したくなる圧倒的素晴らしさ。わけぁりな男たちが、奇妙な森と廃虚を延々と彷徨うだけの展開のなかに、当時の社会主義政権下では御法度だった「超越者=神」をめぐる神学的主題を繰り広げる。それも、土・水・火・風という四元素による豊かなイメージとともに。…タルコフスキー、なんでアイツやアイツやアイツらよりも早死にしちまったんだ! 10点(2003-08-27 15:55:30) |
4. 追想(1975)
ロミー・シュナイダーが焼き殺される場面のショッキングさは、多感(笑)な頃に見たんで、ほとんどトラウマになりました。でもそれ以上に、冒頭で彼女がパンツ見えるのも気にせず自転車に乗っている場面で、「ああ、フランスじゃきれいな女性でも、堂々とパンツ見せて自転車に乗るんだ」といたく感動したことでした。その2点だけで、あとはまったく印象に残っておりません。すみませんです。 6点(2003-08-12 18:23:20) |
5. 合衆国最後の日
こういう作品をきちんと評価する皆さんに、敬意を表します。初公開時、まだガキだったにもかかわらず男たちの葛藤劇の厳しさに息をのみ、核弾頭ミサイル発射のサスペンスに手に汗にぎったことを、今もありありと思い出す。あのマルチスクリーン処理は、テレビで見ても迫力半減だろうなあ。バート・ランカスター以下、硬派な激渋スターが揃うなか、いつもながら世を斜に見たスネ者バート・ヤングが、絶品。ちなみに、原作の主人公はあんな愛国者でもなんでもない、ただの軍人くずれの小悪党でした。 8点(2003-07-23 17:11:26) |
6. ルートヴィヒ(1972)
初公開時、滅茶苦茶な再編集短縮版と知らずに見てガッカリし、その後、4時間の「完全版」を見たもののやっぱり納得いかなかった…。美術も、カメラも、役者も、すべてに超一流であることは認めるものの、物語の叙述ばかりに追われた豪華絢爛たる紙芝居のような印象。見終わった後の空虚感は、ちょっと忘れられるもんじゃない。それが、ヘルム-ト.バ-ガ-扮するあの”狂王”の生涯の不毛ぶりと妙にシンクロするあたり、狙ってたのか…とも思わされるけれど。やっぱりこの映画におけるヴィスコンティは、衰弱している。残念だけど。 5点(2003-06-11 14:06:30)(良:1票) |
7. まわり道
人生の目的なんてあるのか…という問いそのものを抱えて彷徨する主人公の”さすらい”ぶりと、その屈折感が画面から切々と伝わってくる。少しでも挫折を知る人間にとっては、何よりも共感と後ろめたさ(あれは自分自身だ…と、主人公の姿にどうしても自己を重ねてしまうから)を感じさせる、そういった意味で実に”重い”映画。青臭くってかなわん、とおっしゃる向きがあるだろうけれど、生きること自体がそもそもいつまでも青臭く、みっともないことの連続でしょ? 少女時代のナタキンが重要な役で登場し、真正ロリータぶりで見る者を狂わせてくれます。 9点(2003-06-06 13:33:42) |