1. 薔薇の名前
数年前にやり込んでいたテレビゲームの世界観そのものだった。そのゲームは、プレイヤーの恐怖心を煽りながら謎を解かせるという内容のものだが、不気味な登場人物や仕掛けだらけの建物など、この映画を手本にして作られたのではないかと思ってしまったほどだ。逆にその手のゲームをもとにして作られた映画といえば、『バイオハザード』や『サイレン』あたりが思い浮かぶ。どちらともゲームの世界観を骨抜きにし、それ以外のもので勝負しようとしていたようだが、それが正解だったとは言いがたい。喚起される恐怖心が場所にまつわるものでなければ、逃げようにも逃げられないという感じが出てこないのだ。それに比べ、この映画は、徹底的に場所というものにこだわっていて、観客の心を完璧に教会の中に閉じ込めてしまうという点で優れている。それだけにショーン・コネリーのお気楽な雰囲気が残念に思えた。 [DVD(字幕)] 7点(2007-08-18 10:19:57) |