1. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 「名作」とあちこちで紹介されているこの作品。序盤はあまりのスローなテンポに不安になった。しかし、ブレンダがジャスミンに心を開き始めるあたりから物語は俄然面白くなる。まったりした雰囲気の中、頭のネジが外れたような連中が交錯していく様は、もはやコメディと言っていいと思う。ブーメランやポロリなど、理解不能な演出もなんだか微笑ましかった。ジャスミンが現れたことによって、ブレンダをはじめ「バグダッド・カフェ」に集う人々に変化が表れていくが、ジャスミン自身も知らない土地で心が洗われ、別人のように生まれ変わったのだと思う。最初の登場ではジャスミンは真っ黒の服を着ているが、終盤でブレンダと再会した時には真っ白のドレスに身を包んでいた。黒から純白へ、彼女自身の心も変化していったということだろう。2人が満面の笑みを浮かべながら抱き合うシーンはこれまで観た映画の中でも屈指の美しいシーンだった。「あぁ、いい映画を観たなぁ」と素直に思える、そんな映画でした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-04-11 12:48:12) |