1. 家へ帰ろう
《ネタバレ》 設定だけでも十分なドラマの重さを感じさせるので、素直に作ればつまらない作品にはならないのだが、それでもちょっとコンパクトにまとまりすぎというか、エピソードを連ねただけ感は否めない。3人のキーパーソンがいずれも性格良さそうな美女(1人目はちょっとクセありましたが)というのも、何か逃げちゃってると思う。逆に、娘との再会こそ、短時間でももっと何か膨らませられなかったのだろうか。年代的にどう見ても合ってないのも気になった。 [DVD(字幕)] 6点(2021-07-23 23:59:48) |
2. ネルーダ 大いなる愛の逃亡者
《ネタバレ》 チリの詩人にして政治リーダー、パブロ・ネルーダの伝記作品です。さてはどんなにドラマチックでかつ文学的な人生が、と思っていたら、全然そうはなりませんでした。政治的な活動のあれこれに彼が作った詩をかぶせる、というのが趣向のようなのですが、ほとんどはひたすら逃げている描写と、それを割とのんびり追いかけている警官の描写で、結局何をしていたのかよく分かりません。また、詩というかそれっぽいナレーションについても、いろんな人が発言して視点がぶれぶれなのは、途中までずっと自分の見間違いかと思っていました。やはり、文芸人の描写は、その創作がどこからどのように湧いて出たのかという難易度の高さに挑まないと、ただ表層をなぞっただけになってしまうのですよ。 [DVD(字幕)] 4点(2021-02-10 01:35:30) |
3. NINE QUEENS 華麗なる詐欺師たち
《ネタバレ》 詐欺師といいながら妙に一般人的で小心者的な主人公コンビはなかなか面白いのですが、全体の演出が何となく緩くて単調で、今ひとつ緊張感がありません。この内容でこの尺は長すぎです。ラストも、結局それ?という感じですし・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2019-03-08 01:25:10) |
4. ウィスキー
地味に淡々と進むかと思いきや、その中にいろんなことが盛り込まれているから油断ならない。普通ならこの先で本腰入れて盛り上げるだろう、というところで説明をシャットアウトしてあとは想像に委ねる。ちょっとした描写でさりげなく登場人物の思考の背景を表す。私は、「逆さ言葉遊び」のこの話における位置づけに思い至ってぞくっとしました。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-20 01:57:23) |
5. 瞳の奥の秘密
サスペンスの部分とロマンスの部分が高濃度でブレンドされて相互に上手く作用し合っている、なかなか稀有な作品。南米版「刑事ジョン・ブック」と言ったら褒めすぎか。内容を的確に象徴した原題および邦題も優れていると思う。 [映画館(字幕)] 7点(2010-09-26 22:15:19) |
6. ボンボン
《ネタバレ》 音楽が昔のクロード・チアリみたいで、映像も派手な色を抑えたいい感じで、期待したのですが・・・展開があまりにも適当で、入り込めませんでした。結局、犬の存在に大きく寄りかかってしまった感じ。それでは主人公の再生を示すことはできません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-04 03:10:04) |
7. モーターサイクル・ダイアリーズ
《ネタバレ》 素材としての目のつけどころは良いのですが、もっと良い作品になったのでは?という感じ。マチュピチュ遺跡とかチュキカマタ銅山などの美味しいところを回っていながら、ほとんど「ただ行っただけ」であっさりすまされている一方、ハンセン病診療所到着以降はえらくペースダウンしているのが気になりました。また、単なるロードムービーではない、後の革命家としての素養の発現という部分ももっと見たかった気がします(多少は描かれてるけど)。ただし、アルゼンチンのパンパやアタカマ砂漠なども含めた南米の各地の風景のショットはやはり強烈だったのと、ラストの「祭りの後」のほのかな倦怠感と虚脱感を滲ませた締め方は印象が良かったので+1点。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-04 01:57:47) |
8. ある日、突然。
冴えない女の子が、レスビアンのカップルとめぐり会って、いきなり脅迫同然に同行を要求されて、そのまま旅に出る、という奇想天外で大いに興味を引く出だしなのだが、その後は淡々と旅の風景と目的地での行動が続くだけで、特段の盛り上がりは存在しない。全体的に、撮り方や美術関係も含めて、かなりの自主制作っぽさ、素人っぽさが漂っている。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-13 01:37:44) |