1. 八月のクリスマス(1998)
普通の男女の普通の恋愛遍歴の内の一つを、普通に切り取った「春の日は過ぎゆく」は新鮮に観れたんですけど、こっちは今一。お互い好き合ってるのにもう一歩が踏み出せないという、リアルで優柔不断な恋愛表現は「春の~」にも通じるものがありますが、そこに私の嫌いな「不治の病」を絡めてしまった為、水を差されてしまいました。死にゆく男の描写にも余りリアリティが感じられない。伝説のシム・ウナは今回初めて見たんですけど、特別な美女って訳ではなかったんですね(少し年齢不詳風に感じました)。ところで、何でタイトルが「八月のクリスマス」なの? 5点献上。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-07-28 00:07:27) |
2. 春の日は過ぎゆく
極一般的な恋愛遍歴の1エピソードをそのまま切り取った、切ないラヴ・ストーリー。胸焦がす大熱愛でも運命の大悲恋でもないラヴ・ストーリーが、果たして面白いかどうかは別として、少なくとも本作は、これまでに私が観た恋愛映画の中では断トツにリアル。他愛ない恋愛感情の浮き沈みは、多くの男女の共感を呼ぶ筈(若い人には解らないかな)。特にイ・ヨンエの年相応の老け方と言うか、やつれ方と言うか、盛りを過ぎた等身大の容姿と、リアルに気まぐれな人物造形は秀逸。こういう女性は男の方からキッパリと別れないとダメ。美人なだけに性質が悪い。こうして女の車に傷を付けてた馬鹿な子供も、やがて男になっていくのです(このシーン、私にとっては余りにも予想外の行動だったので、大笑いしてしまった)、7点献上。 7点(2004-11-03 12:35:29) |
3. パイラン
これは浅田次郎原作の映画化と言うより、1998年製作の邦画「ラブ・レター」のリメイクという意味合いの方が強いと思う。残念ながら私は原作もオリジナルも知らないのですが、掃き溜めに舞い降りた純真無垢な聖女が涙腺を攻撃してくる展開は、「天国までの百マイル」(私が知ってる唯一の浅田原作映画)と同じ反則技(しかもこっちは、大竹しのぶじゃなくってセシリア・チャンです!)。しかし本作も、「天国~」に同じく映画としての出来は決して良くない。カンジェとパイランの物語が乖離してしまっていて、チェ・ミンシクの熱演空しく、一本の映画としては非常にバランスの悪い仕上がりになってます。これは編集構成をほんの少し変えるだけで解決すると思うので、非常に勿体ない。そんな訳で、本作の天使・セシリアに5点献上。 5点(2004-10-22 00:06:51) |
4. 反則王
銀行員が悪役プロレスラーになるという奇想天外なコメディ…ではなく、うだつの上がらないサラリーマンが自分の殻を破ろうともがきながらも、なかなか殻を破れないもどかしさを描く、悲哀に満ちた山田洋次のような喜劇。主人公をいびるヘッドロック上司が単なる嫌なヤツではなく、最後はもの凄くカッコ良く描かれているのが良かった(きっと仕事も出来るのでしょう)。それにしても血が噴き出し過ぎで、ちょっとしたスプラッタ映画にもなってます。でも、この血の吹き出し具合に、例によって韓国映画の勢いを感じました。そういうことで、5点献上。 5点(2002-12-01 22:42:24) |