2. 殺人の追憶
《ネタバレ》 物語自体はフィクションとは言え、実際に起きた殺人事件を元にしているため、映画には重苦しい雰囲気と並々ならぬ恐ろしいまでの緊張感がある。幾度となく浮かび上がる重要な証言や物証があるにも関わらず、結局それらは何の意味も成さず、犯人は刑事たちの前から煙のように消えていく・・・。近年の刑事ドラマの中ではやはり秀作・佳作の部類に入る作品なのでしょうが、不満点もあります。まず犯人がどうこう以前に警察が無能すぎ。目撃者の保護や現場保存すらまともに出来ないのでは、犯人逮捕など到底無理なのでは?と思えてしまう。ただ都会から来たあれほどまでに優秀だった刑事が、最終的には地元警察と同じように感情的行動に走ってしまったことを思えば、それほど異常性のある事件だったのだろうというのもまた事実。今もこの事件の犯人が我々と同じ空の下に生き、もしかしたらこの映画を観ているのかもしれないと思うとゾッとする。いくつか不満点はあるものの、それらを差し引いても充分に見応えのある作品であることは確か。 7点(2004-09-01 12:43:46)(良:2票) |