1. マルチュク青春通り
《ネタバレ》 「25年目のキス」を見たときにも思ったのだけど、高校生の世界にはその世界なりの「論理」がある。大人になってから見るとバカバカしい世界だけれど、当人にとってはそこで生きるということはそれは大変なことだ。ヒョンスも、そしてウシクも、最終的に自分にとって大事なもののためにそんなバカバカしい世界を卒業したわけで、それはめでたいことだけれど、彼らが同時に他の何かを諦めたということは大人になるということの寂しさを感じさせ、その独特な感傷がこの映画の素晴らしい点だと思った。俺は決して高校時代に戻りたいなどとは思わんが、でも、当時の自分にはまだ失うものがたくさんあったとのだということを思うと、やはり高校時代を振り返ると切ない思いを感じる。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-16 19:11:38) |
2. Sad movie/サッド・ムービー
往年の月9ドラマを1年間分まとめて、ムリヤリ2時間にダイジェストしました、みたいな。とくに家族とか、会社とか、そういう関係をぶった切って、個別の関係だけを描こうとするところがいかにも月9らしいと思ったのだが、バブルを乗り越えて大人になってしまったおいらにとっては、そんなものはリアリティ皆無のおとぎ話で、世の中そんなに美しいものばっかじゃないだろ!!と、毒づきたくもなった。もっといろいろあるでしょーが、人生。 [映画館(吹替)] 3点(2006-12-05 00:00:41) |
3. 私の頭の中の消しゴム
《ネタバレ》 この先なんの可能性も残されていない人とストーリーを前に、いったいどうしろというのか。映画を見ることでそれを娯楽として楽しもうとしていた自分を、嫌悪すらしてしまった。もし製作者が純粋な感動を与えようとしてこの映画を作っているのだとしたら、製作者はどこか大事なネジがはずれている。 [DVD(字幕)] 2点(2006-05-21 19:34:32) |
4. 春香伝(2000)
《ネタバレ》 あゃ~、若様、お尻丸出しでたいへんなお戯れで・・・というアホ感想はともかくとして、いわゆる古典というものが現代にも語り継がれているのには、そこに時代性を超越した真実が描かれているからなのであって、だとすれば古典はやはり古典として表現されるのが一番正しいのかもしれない。そういう意味では、数多く映像化されてきた中で初めて、パンソリに乗せてそのストーリーを単純に映像化していったこの作品は、前衛的でもあり、同時に古典主義的でもある、非常に意義深い作品だと思った。 [DVD(字幕)] 6点(2006-05-12 23:53:02) |
5. ラブストーリー
「あー、いいねぇ」と、単純にそう思った。戦争のシーンが蛇足だったように思うのと、ちと説明的なセリフが多かったのが気にはなったが、2つの恋の行方をドキドキしながら楽しめた。これをパクった某ドラマを先に見ていなければ映画の最後でもっと驚けたかと思うと、ゴミドラマを作ったテレビ局が恨めしい・・・。話がそれたが、純粋に人を思うこと、人に思われることのすばらしさを思い出させてくれる、佳作だと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2005-06-19 00:54:04) |
6. ブラザーフッド(2004)
《ネタバレ》 あまりに哀しい結末に、すっかり映画にのめりこんだ自分は、久々に映画館で人目をはばからずに涙した。 日本人が太平洋戦争をある種の「傷」として語り継いでいるように、韓国人・朝鮮人にとって朝鮮戦争もある種の「傷」であるのだと、この映画を見て思った。おそらくそれは日本人や韓国人・朝鮮人にとってのみならず、世界中の人にとってそうだろう。人類の歴史の中で戦争の記憶は、常にある種の「傷」として語り継がれている。この映画は、その試みの中でもっとも成功した例であると思った。 戦争映画にとって戦闘シーンは命であるが、俯瞰を一切排して、同じ距離・高さからのみ映し出される独特の映像は、驚くほどの迫力だった。一方で描かれる家族への愛も、二人の主人公の素晴らしい演技から痛いぐらい伝わってきた。迫力ある戦闘の映像とヒューマンドラマを抜群のバランスで織り込んだことによって、戦争が普遍的なものであると同時に、家族に対する愛も普遍的なものであると認識させてくれる、素晴らしい映画だと思う。 9点(2004-06-27 00:59:39) |
7. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 それぞれのキャラクターがはっきりしていて、「いるいるこういうやつ」とか思いながら、なかなか楽しめた。けど、ハッピーエンドに至る「延長戦」の展開では、猟奇的な彼女のキャラクターがどうでもよくなってしまっていて、なんだかなーという感じだった。もったいない。 7点(2004-03-23 18:15:30) |
8. シュリ
んー。確かに北朝鮮によるああいう活動がないとは言い切れないとは思うが、それにしてもリアリティが感じられなかった。特にオープニングの訓練シーン、やりすぎです・・・。主人公の男の気持ちは、けっこう伝わってきたけど。でも正直、「JSA」のほうが数倍面白かったな。 5点(2004-02-09 20:09:28) |