1. うつせみ
《ネタバレ》 ソナが初めて口にする「愛してる」。それは夫に対してじゃなく後ろにいる青年。夫は勘違いしてソナを抱きしめるがソナが口づけを与えて求めているのは見えない青年。夫が仕事に出かけ、ソナはそれを見送ってから青年を探す。青年を捕まえ抱きしめる。二人は抱き合ったまま体重計に乗る。その針はゼロを指している。二人はもうこの世界にはいないのだ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-09 13:25:41) |
2. サマリア
《ネタバレ》 これはギドク監督が援助交際がこういうものであるということを描いてるわけでは無い。援交はただ若い女の子に起こり得る可能性として提出されたのであるだけ。高校生である彼女たちははっきりした売春行為のシーンはないし、体もつつましく隠されている。はっきり彼女たちの裸が見えるのは二人きりでお風呂に入ってキスをする場面なんだから、レズビアンだといわれても無理はないだろうけど、ヨジンとチェヨンの触れ合いに引き込まれたのは事実。エンディングはただただ哀しい。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-09 12:17:18) |
3. 悪い男
《ネタバレ》 悪い男は、ホントに悪い男だった。悪い男はのっけから飛ばしてた。でも、出だしからいきなり引き込まれてしまった。「何なんだ?」 と、思って見てるうちに、どんどん悪い男にハマっていた。あんな形でしか人を愛せない男と、そんな男を憎みながら愛しちゃう女。 凄い。いろんな解釈があると思うが、ハンギは喋れないのではなく、喋らないのだと思う。首の大きな傷がある。あのせいで声のトーンがおかしくなり、彼が一言発する言葉でも分かるように、ヤクザからの風情からは想像もつかないような高い声になってしまったのだ。だからハンギはソナに話しかける事もしない。「好きだ、好きだ」とばかり言う弟分とは対照的なハンギの愛情表現には、理解できない部分もあったが、自分につばを吐いた女が他の男に抱かれている様を覗いている時の表情は苦悶に満ちて、とても復讐を楽しんでいるとは思えない。ソナとハンギが鏡越しでキスするシーンはとても美しい。そして、2人が鏡を破り抱き合うシーンは見ていてとても胸が痛くなった。この時のソナの驚きから愛情に変わる表情の変化がとても素晴らしい。ラストシーンはね、もしかしたらハンギの夢の中の話なのかもしれない。弟分に刺された時点でハンギは死に、ソナとの海のシーンも空想の世界だったのでは、と私は解釈した。ラストシーンの捉え方はさまざまかもしれないが、あのまま2人で幸せでいてほしいと素直に思った。でも、やはりハンギはソナの体を売らせ、最後の最後まで悪い男だった。 韓国映画は、他のどの国にもないリアルさ、衝撃さを追求し、また韓国映画ほどの体を張った女優さんは日本にはいないだろう。 [DVD(字幕)] 9点(2006-11-05 15:38:43) |
4. オアシス
この作品はもう凄いとしか言いようがない。久々にこんなにも衝撃の受ける作品を観た。この映画を作った監督、俳優には感服する。ヒロインのムン・ソリは本当の脳性麻痺の人だと思わせるような演技力。言葉も出なかった。コンジュが「女が一緒に寝たいという意味が分からないの」という場面では、彼女も普通の大人の女性になりたいんだ、と強く思ってるんだなと感じた。ソル・ギョングが木を切るシーンでは涙が止まらない。ラストの「姫へ―」と書いてある手紙の内容が二人のこれからの未来に希望がある感じがして暖かい終わり方だと思う。日本のマスコミの方、韓流韓流と騒ぐなら、このような作品を声高に取り上げて欲しい。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-10-22 11:30:56) |
5. おばあちゃんの家
《ネタバレ》 初めどうもサンウが憎たらしくてしょうがなかった。最後はおばあちゃんの事好きになるんだろうなとは思ってたけど、サンウの行動とかジワジワくるものがあって、おばあちゃんがバスに乗らず歩いて帰って来た時『どうして遅いの?』というシーンで号泣してしまった。またおばあちゃんも優しいのよね。最後の絵葉書のとこなんか一番好きです!自分が街を歩いてる時に腰が曲がりゆっくりと進むおばあちゃんを見ると何故か悲しくなってしまう。おばあちゃんものに弱いのかも。私もメイキングを見ましたが、役柄とは違い元気なおばあちゃんの姿が見れたので少し安心しました。サンウ役の男の子は監督に怒鳴られながらも一生懸命演技している姿に心打たれます。2人の絆は深いんでしょうね。 8点(2004-05-09 13:58:30) |