1. チェイサー (2008)
《ネタバレ》 実話だってこともショックだけど、女性を殺す性癖と邪魔な人間を口封じに殺す青年が、リアルで怖かった。舞台もごく普通の住宅街なのに、誰にも気づかれず大量の殺人が行われていたというのも、現代的な問題だなと思いました。最初は売り子の女性を探すのが目的だったジュンホが、知らないうちに家族として”追撃”していく、変わっていく描写がうまいなぁと感心しました。観るとへこむという感想が多かったので、心して観ましたが、すごくパンチが効いてる作品なのは間違いなし。 [DVD(吹替)] 8点(2009-11-22 12:21:21) |
2. カンナさん大成功です!(2006)
恋愛映画かと思ったら、自己啓発の面もあり、とてもいい映画でした。整形に対するイメージって、良否はあると思うんだけど、整形に踏み切るのは、過去の自分に自信がないからなのは分かる。だから、過去の自分を忘れたいという思いも分からないでもない。この映画でも、カンナはそういう行動をします。でも、整形したからこそ、過去の自分に逃げてはいけない。整形を通じ、自分が変わったことで、失ってしまった”失ってはいけないもの”に気づきます。この映画、整形美容を全面的に否定せず、整形した人間の内面しだいで、整形はいいことなのかどうかを問いかけています。正直でいることって、実際は、とても難しいことだけど、この映画を観て、それは爽やかでとてもすがすがしいものでした。 [DVD(吹替)] 8点(2008-05-15 19:43:25) |
3. グエムル/漢江の怪物
《ネタバレ》 この映画は尖端恐怖症の映画でした。イカの足に始まり、アーチェリーの矢、砕いた道路標識、便利屋の脅し道具、頭に穴を空ける医療機器、そして注射針。尖った物を自分に向けられた時に恐怖を感じるのはもちろん、先が自分に向けられて居ない場合にも恐怖を感じるという病気だそうです。そういう小道具の使い方で、地味に恐怖を煽っていて非常に面白い。この映画、グエムルという異形の怪物はもとより、それが誕生した経緯、混乱する社会生活、色んな分野で恐怖が渦巻いている映画でした。しかしテーマは恐怖に立ち向かう家族愛であり、韓国人に独特の、食事を共にし家族の結束を第一とする点、怒りっぽく泣きっぽい感情の起伏や、お金に細かく、融通が利かない韓国人文化をとっても面白おかしく綴っていたと思う。序盤の葬式のシーン、叔父・叔母が姪のためにあんなに泣けるなんて、日本ではないことだと思う。あれなら死にがいがあるっていうか(笑)。あの怪物に立ち向かう家族が、どこにでもある韓国人の家庭像を分かりやすく伝えてくれていると思います。とりあえず、カニサハムニダをカニハサムニダと言い間違えないように気をつけます。 [DVD(吹替)] 8点(2007-03-07 21:31:59) |
4. 私の頭の中の消しゴム
《ネタバレ》 夫のチョルスがツンデレだったので、ウン?と思ったけど感動しました。韓国人は、喜怒哀楽がはっきりしている国民性があると、よく耳にします。だからこの映画でも感情の抑揚が出ていて惹きこまれました。僕も最近、韓国映画を見直しているのでいつも感嘆させられます。この映画は恋愛というよりも愛情がテーマでした。どんどん加速的に忘れていく妻を、夫が献身的に支えていく。前半は妻が夫を支えていただけに、夫婦の愛情の育みを(典型的と言えども)安心して観ることができました。介護の大変さはもっと過酷なものだとは思います。特に下の世話なんて…。介護の場面を前面に押し出せば、現実により近づいていてもっと良くなったかもしれないです。この映画で微笑ましいのはおじいちゃんたちの存在。あと、あんな可愛いお嫁さんをもらってうらやましい。 [DVD(吹替)] 7点(2006-05-11 16:58:01) |
5. 復讐者に憐れみを
《ネタバレ》 この映画、主人公が聴覚障害者のリュなのか、娘の復讐を誓うドンジンなのか、主人公の判別が難しいです(もしかしたら、それが狙いなのかもしれません)。探すのが大変なくらいBGMというものが流れません。ビシッ!とか、バキッ!とか、そういう効果音の編集もありません。徹底的に、ムダな”音”を排除しています。音が無いということは、観客を聴覚障害者の感覚へと巧みに誘導しています。上手い。それが、殴る、切るなどの渇いた、しかしリアルな生の音を効果的に活かしています。BGMがあると、テクノサウンドなら激しいアクション、コミカルポップならコメディ、クラシックなら重厚さなど、音楽の影響で観ているシーンについて勝手なイメージをもってしまうと思うからです。この映画を作った人、よく考えてます。しかもラスト、ドンジンへの復讐を果たしたのは、リュにもドンジンにもあった、憎しみや苦悩といった感情が全く無い集団。復讐の手引きをしたのはヨンミだったんですが、そこへ導いたのはリュだったのではないか? 謎は尽きません。復讐の螺旋は終わらないという恐怖と憐れみを感じてしまいました。 [DVD(吹替)] 8点(2005-09-15 13:25:52) |
6. 八月のクリスマス(1998)
《ネタバレ》 交際しているわけではないのに、気がついたら惹かれていて、逢えないときになって…、ていうのって、いいですね。ちょっと切なくて。温厚でおとなしく優しいカメラ屋さんが唯一、交番で感情を剥き出しにしたのが印象的でした。死と向かい合いながらも、淡々と毎日をいつも通りにすごすことって、思い切った意思が必要なのかもしれません。淡々としているからこそ、時折見せる、ちょっとした微笑がカメラ屋さんのその時々の心情を分かりやすく伝えてくれています。お金がかかってなくても良いものは良いですね。 [DVD(吹替)] 6点(2005-09-07 17:54:26) |
7. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 ”口は災いの元”ですね。こういうドラマなら日本でも作れるのに先に行き着いた韓国に軍配。復讐してから…が、この映画のテーマなのかもしれない。復讐を果たして何が残るのか? そこから先は? 初見では、バイオレンス描写よりも入り組んだ人間関係にノックアウト(表現古い?)。僕だって、どこで怨みを買ってるか分かりっこないもんなぁ。 ラストのミドの「おじさん」の一言が、唯一の救いでした。 [DVD(吹替)] 7点(2005-07-19 22:36:31) |
8. おばあちゃんの家
《ネタバレ》 自分もどちらかというと、おばあちゃん子だったので、懐かしく感じてしまいました。サンウのわがままぶりが鼻につきますが、おばあちゃんのスローな動きが孫に気に入ってもらいたいとする気持ちを察してしまいます。普段は孫のわがままに甘いおばあちゃんですが、近所のおじいさんのお見舞いに行ったときに、サンウにちゃんと挨拶をするよう、サンウの頭を手で押す場面を観て、改めて、あぁ、おばあちゃんだなぁ、と思いました。最後の絵はがき、文字だけでなく一生懸命に描いたであろう絵も、うるっときちゃいますね。 [DVD(吹替)] 8点(2005-06-17 21:14:00) |
9. ラスト・プレゼント
《ネタバレ》 僕は男なんですが、号泣しちゃダメですか?映画でボロ泣きしたのは、この映画が初めてなんですよ。体の変調を夫に気づかれないように敢えてヨンギに辛く当たるジョンヨン。番組ディレクターの奥様はセレブですが、ジョンヨンは髪も染めない、貧乏芸人の妻。この人物設定の対比。でも、ヨンギの才能を信じて口論になりながらも陰で力強く支えるジョンヨン。・゚・(つД`)・゚・ くぅぅ。同級生との再会の抱き合いでも、ヨンギの両親との○○も号泣してしまいました。ラスト、舞台でヨンギが涙を流して化粧メイクが崩れながらもジョンヨンとの約束を護ろうとして舞台を演じる姿なんて観たら…。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン サギ師2人も良いひとだったので、家族で安心して観ることができる映画です。アスキーアートはラストのヨンギのすがすがしい笑顔に感動して、笑い泣きで終わらせていただきます。 。・゚・(ノ∀`)・゚・。 [DVD(吹替)] 10点(2005-05-25 17:16:49) |