1. インビジブル・ウェーブ
《ネタバレ》 この短編文芸作品的内容をこうもダラダラした描写で2時間近い作品にしてしまう客への配慮一切無視の姿勢はある意味すごい。 半分以上過ぎるまで何の説明もないままダラダラと何やら移動している主人公を見せているだけなんて・・・。 無味乾燥した描写・演出そのものが、彼の内面にある空洞を表現するための手段であったというのなら、何となく納得。ただ、客は退屈でしょうから有効な手段とは思えないですが。 個人的にエンディングは、埠頭に佇むキョウジ。背後からリザードが現れ、彼を殺しに来たのを臭わせる。キョウジはやっと死ぬキッカケができたと笑みを浮かべて自らの銃をこめかみに構える。END、て感じがよかったな~。 まあ、こんな抽象的にみせて語るより彼の人物設定を具体的に掘り下げていれば、この内容でもより深くて、より有意義なテーマを打ち出せたと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2008-01-03 03:49:59) |
2. カンナさん大成功です!(2006)
《ネタバレ》 先ず、初期設定の匠に感心。 このアイデアやシチュエーションは反感を買いそうな要素を多分に含んでいそうなのに、ちゃんと主人公に感情移入できるよう諸々慎重な配慮が施されています。 ですから、前半は感心しきりだったのですが、友人を傷付け、父親を傷付ける(本人は気付いてませんが)という展開をさせながら、あまり相手にせずにメイン・ストーリーを進ませるので、中盤方向性を見失いかける。これらの展開はサンジュンにバレるあたりへ集中させるべき。 プロットは優れていますから、脚本の段階で変な負荷がかかったか、迷いが生まれちゃったんでしょうね。 それにあのライブで彼女が唄う姿をちゃんと見せないのが腑に落ちない。父親と抱きあって終わりは違うでしょう。「自分のために唄う」というのはこの話にとって重要な行動。後日談でカンナとして唄っている場面が少し添えられていますが、あのライブで堂々と唄って、その姿とともにエンドロールという方が美しいのでは。 あと、エンドロールに添えられた友人が整形に臨む後日談は蛇足。 せっかく美容整形の是非とか、見た目の美しい方が得か、という次元ではない話にもっていけてたのに・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2007-12-20 19:57:41)(良:1票) |
3. 私にも妻がいたらいいのに
なんだ、こりゃ。 脈略のない男女の馴れ初めをダラダラみせてるだけじゃん。 [地上波(吹替)] 0点(2007-11-14 21:48:40) |
4. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 結局のところミステリーでしかない内容ですし、真相が示された後は、やりたい放題。 催眠術でしたなんて御法度(御法度の使用でも納得するなら、いくらでも興味を引く展開なんて作れる)。 さらに、それを知った男の反応は理解に苦しむ。 妙な逆恨みをした奴の策略によって催眠術で娘と結ばされた。 あくまでやらされたことですし、セックスしたということでしかないわけだし、娘がそれを知ったところで、やはりやらされたことなので変なことにはならないでしょう・・・。 娘という条件はあるにしてもセックスをそこまで特別視する? 文化の違いがあるのかな? 男の正しい反応は目の前にいる奴に殴り掛かり、殺してしまうって感じでしょ。 それにインパクトのある画を撮りたかったのでしょうが、イメージトレーニングが実践で大活躍なんてのも無謀な設定。 [映画館(字幕)] 3点(2007-11-08 13:37:54)(良:2票) |
5. ラスト・プレゼント
半分ほどの尺でサクッとした短編としてまとめられていればもっと評価できた。 ストレートなお伽話を2時間尺にするなんて無謀(どうにも先行きがみえみえになっちゃってる)。 しかし、人の死を扱ってダラダラと扇情的な演出をするのは下世話だな~。 [地上波(字幕)] 4点(2007-11-03 03:49:17) |
6. 僕の彼女を紹介します
《ネタバレ》 前半を費やす男女の馴れ初めは「猟奇的な彼女」好きに対するサービスとしての意味しか成しておらず、てっきりその内容で双子を使用したプロット展開に向かうのかと思いきや、男の方が死んじゃう別の話へ(双子はホントに何だったんだ?)。 ふたつあった作品をそれぞれ半分に切って、前半と後半を交換して貼り付けたような内容。 「なんじゃ、こりゃ」とある意味大爆笑で観賞できた。 [地上波(吹替)] 0点(2007-10-22 22:58:12) |
7. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 「死んだ人が忘れられない」なんてのを障害にしちゃうと対処のしようがないですから、やはり娯楽作品にはなっていない(「101回目のプロポーズ」はそれでも闘ってたな~)。 結局時間が解決に向かわせるってのをうまく処理したなってことぐらいが評価できる。 思わぬ再会を果たすのにときめく人もいるのでしょうが、作り手目線で見ると楽しただけだし。 [映画館(字幕)] 4点(2007-07-13 01:40:07) |
8. 殺人の追憶
未解決事件を扱うのなら、真っ当な作家はこうするだろうというアプローチ。 ただ、いち刑事が連続殺人という派手な事件だからといって、ラスト付近の描写に至るほど執着していく過程がわからない。 真相に迫っているような内容であれば、固執していく心理も理解できるのだが、どうにも間の抜けた証拠ばかりで、説得力を欠く。 展開自体も間抜けが目立つ。 捏造や半端な確信で尋問している容疑者の扱いは、尋問中に新たな殺人が発生して容疑が晴れる、という展開の方が納得し易いと思うのですが(現実にあった展開に即したのかな)。 [DVD(吹替)] 6点(2007-06-19 18:42:22) |