1. キシュ島の物語
《ネタバレ》 とっても不思議な作品。特段面白いわけではないのに手元に置いておきたくなり、ふと観返したくなる時があります。というわけでDVDも買ってしまいました。 観光当局が作成したようで、実際のキシュはこんなに美しいワケではないらしいのですが、とにかくこれでもかと日本ではお目にかかれない自然が映しだされます。勿論それだけではなく、1話目では神秘と現代文明の対比、2話目では妹に指輪を買うために必死になって働く男を通じ、兄弟愛や暮らしの窮状等、作品のメッセージ性も感じます。ただ3話目のドアの話はちょっと意味が・・・。背負ってるドアと心を開くが何かかかってるのかな??海に入っていきますが、それが現代社会への絶望という意味なのか別の意味があるのか・・・。 それでもヤギと共にドアを背負いながらひたすら砂漠地帯を歩く老人の引きの画は非常に印象的でした。ぼーっとしたい時、映像世界で現実逃避したい時にオススメの一本です。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-03 11:11:33) |
2. カンダハール
《ネタバレ》 この映画を観て最初「退屈だな」と思ってしまった私は、すっかり平和ボケしてるのかもです。でもアフガンの現状や終盤の緊迫の取調べには手に汗握り、思わず見入ってしまいました。パラシュートで落ちてくる義足をめがけて一斉に追いかけるシーンが非常に衝撃的でした。 人形爆弾や・飢餓・強盗・義足、その全てが現実なんだなと思うと、この国に生まれた幸せを噛み締める思いです。宗教を習う場面で、上手くできないハクが一転、主人公のジャーナリストのナビ役で金銭レートも知らないのにひたすらタカリまくってるのが、生きる上の必死を感じました。 映画をあの最も危うい場面で終わらせたのはきっと、監督の意図が、同じ地球で起きていたこの現実を観客がいつまでも忘れないようにしたかった狙いだからでしょうか?ヒューマンタッチではないのがいい。しかし911テロ以前の作品なんですね。面白いとかどうとかでなく、作られて世界に配給された事自体が非常に重要。 [DVD(字幕)] 5点(2009-02-03 10:22:00) |
3. 太陽は、ぼくの瞳
《ネタバレ》 「運動靴と赤い金魚」のような小さな感動を求める映画ではなく、生の厳しさ、残酷さを訴えかけられる作品。最後の物悲しさは何ともやるせない。天に召されるという言葉を聞くといつもこの映画と「汚れなき悪戯」を思い出す。子供の立場で観ると「むごい親だなあ」と思うけど、父親の立場で観ると判らないでもないような不思議な感覚に陥る。しかし双方の感情を決して観る側に押し付けないマジッド・マジディって本当に実力のある凄い監督さんだなあと痛感しました。 [DVD(字幕)] 5点(2006-01-19 12:08:58) |
4. 運動靴と赤い金魚
もし自分にあんなに可愛らしくて無垢な娘がいたら、絶対に嫁に送り出したくないです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-19 11:55:29) |
5. 少女の髪どめ
《ネタバレ》 ちなみに主人公の名前である"バラン"とはペルシャ語で"雨"のことだそうですね。雨のシーンは最後の最後。アフガニスタンへ戻る事になったバランが、ヒロインの女の子が乗ったトラックが去るのを見届けた後に降ってきて映画は終わります。 「運動靴と赤い金魚」は、妹の靴を間違って持ち去られてしまったお兄ちゃんが、運動会の景品の靴を勝ち取るために頑張る話ですが、この「少女の髪どめ」は見つめるだけの無償の愛のお話です。なんせ彼女の身辺がお金が無くて苦しんでいる事を知った彼は、自分のIDを売り、お金に換えてそれを、自分からというのではなく、勤務先の社長からだと言って渡すのです!これをストーカーというのは違うでしょう。彼女がミスをした時には庇い、アフガニスタンの人間を許可無くして雇ってはいけない会社に検問が来たときには自分が庇って彼女を逃がします。これだけ一方的にひたすら「捧げる愛」の形があってもいいのではないかな?と思いました。 ヒロインの女の子は一言も喋りません!そしてラスト。彼女が落としてしまった持ち物を一緒に拾うバランを見つめて微かに微笑む。それだけが彼女が表現した彼への気持として映像に残ります。切ないけどこんな時代ですし、こういった映画もアリですね!「ラブストーリーの1つの形」として観ると結構楽しめるかと思います!! しっかしこの監督の映画は秀作が多いですねー。素晴らしいです。 [DVD(字幕)] 6点(2005-10-12 12:14:55) |