1. 運動靴と赤い金魚
宗教的な理由か、施設の不足が原因か、イランの小学校は男女で授業時間帯が違っているらしい。修理したばかりの妹の靴をなくし、一足の靴を交代で使う兄妹。授業が終わって待っている兄の元にけなげに一生懸命に走る妹。でも、どうしても遅刻して先生に怒られている悲しそうな兄のアリの姿。 アリが庭師の仕事を探して裕福な家の立ち並ぶ町並みを父と自転車で行くシーンでは、イランの貧富の差を実感するが、政治的なメッセージをことさら封じ込めている控えめな表現がかえって現実社会の厳しさを連想させるものとなっている。 一足の靴がどんなに大切なものであるか、私たちが忘れてしまっていることを思い出させてくれた、心に残る映画でした。家族で観たいおすすめ映画です。 10点(2004-05-03 15:42:44) |