Menu
 > レビュワー
 > かっぱ堰 さんの口コミ一覧
かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : ロシア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  グラウンドブレイク 都市壊滅 《ネタバレ》 
1988年のアルメニア大地震を扱った映画である。ソビエト連邦解体の3年前なので、当時まだアルメニア・ソビエト社会主義共和国といっていたわけだが特にソビエト色もなく、かえって時代は変わってきているとの雰囲気を若干出していた。 主なスタッフやプロデューサーはアルメニア出身者が中心で、劇中人物と演者もアルメニア人が多かったようだが、出所した男の一家4人はロシア人だったらしい(演者もロシア出身)。また主人公が助けた女性もロシア人だったようで、劇中の人間関係の変化でアルメニア人とロシア人の融和を表現していたようだった。  地震の被害はほとんど建物の倒壊によるもののようだったが、そもそも設計・施工の面で壊れやすくできた建物だらけだったらしい。ネズミがわずかな予兆になって突然地震が起きて、いきなりそこら中が瓦礫の山になったのは驚きがあったといえなくもない。病院が一瞬で潰れる場面があったが、現実にも病院の倒壊で医療関係者や機器類の被害が大きかったとのことだった。 ドラマとしては、感傷的で軽薄な音楽がうるさいのでTVドラマかと思うところもあるが、震災の悲劇をきっかけとした和解と再出発の物語は一応できている。親を亡くした子どもがいたが、最後のテロップで孤児はみな引き取り手がみつかったという話に結び付けていたのは悪くない。またエンディングで記録写真らしいものと劇中映像を並べて見せていたので、残された記録写真の映像化ということを意識していたかも知れない。  ほか映画のキャッチコピーは「世界を一つにした悲劇」とのことで、この時に支援を寄せた各国に改めて感謝する意図もあったらしい。フランスの犬は実際に来ていたようだが、ただ現実問題としては世界から支援が殺到したため大混乱になり、その後に国際支援のルールが定められるきっかけになったとのことだった。 日本からも国際緊急援助隊が行ったはずだが言及がないのはまあいいとして(タイミングに問題?)、"地震のエネルギーは広島原爆の10倍"という説明にだけ日本が出るのは無神経なようでもある。東日本大震災(2011)後の製作ながら日本人に見せるつもりはなかったようだが、別にそれほど友好国なわけでもなく、どうせあっちの方の国の話だからどうでもいい、と突き放したことを考えていたら、先日2023.2.6に隣国トルコでまた大地震が起きて惨事になっている。やはり災害時にはどこの国とも助け合うのが大事だ(当然だ)。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-02-11 09:44:42)
2.  黒人魚 《ネタバレ》 
邦題は読み方に困るが、原題は「ルサールカ、死者たちの湖」である。 ルサールカとはロシア限定というよりスラブ系民族に広く伝わる水の精だそうで、例えばドヴォルザーク作曲の歌劇「ルサルカ」はチェコを想定して作られたと思われる。その歌劇でのルサルカはアンデルセンの「人魚姫」のような役回りで、それが英題のmermaidや邦題の「人魚」につながっているが、基本はこの映画のような邪悪な存在と思われているようである。 水の精といっても大昔からいたトロールとか河童とかトトロのようなものとも限らず、死者が化けるものという考え方もあるらしい。この映画に関しては、1853年(ニコライ1世の時代、クリミア戦争開戦の年)に死んだ若い女性がその正体ということになっていた。ちなみに魚の格好はしていない。  そのような設定から、ファンタジーホラーというよりは心霊ホラーの印象が強くなっている。湖だけでは舞台が狭まるためか、広く“水”に関わる場所で活動する設定にしたようだが、水と無関係なドッキリもあったのは意外で笑わされた。また櫛や合わせ鏡はロシアでもオカルト的な意味づけがなされているのかどうか。 ホラー演出の面では、意外に邦画ホラーの感覚そのままで見られる映画になっている。まだ始まらないうちからの予兆や不吉感、音や人影で何かが来ている気配を感じさせるといった場面があり、また真相を知る老人を訪ねてから全ての発端になった場所に突撃し、渾身の策が成功したと思ったらそうでもなくて延長戦に入る、といった展開にも馴染みがある。終盤になると普通にモンスターホラーのようになり、映像効果が安っぽいとか弱点の設定が安易だとかいうこともあったが、全体的には少し前の邦画ホラーを真面目に作り直した感じで結構いい印象だった。 個別の場面としては、姉が弟にした思い出話はそれほど怖くはなかったが、今ではもうわけのわからなくなった昔の記憶としてはいい雰囲気を出している。エンドロールの水死者のイラストも素朴で和んだ。ちなみにヒロインは可愛い感じで結構好きだが、ルサールカももっと可愛い顔で出てくればいいがと思った。  [追記] 自分としては単純なホラーとしてしか見なかったが、他のレビューサイトを見ると(人数が多いので全部読んでいないが)人間ドラマの面で非常に参考になる投稿があった。そのように深読みもできる映画だということだ。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-10-03 08:29:13)
3.  ククーシュカ ラップランドの妖精 《ネタバレ》 
ロシア映画だが、舞台になっているのは1944年秋のフィンランド北部である。撮影場所はロシア領コラ半島とのことだがフィンランドに隣接する地域であり、もともとサーミ人が住んでいた場所という意味で大して違いはない。高緯度地方のためその辺にある山の中腹に森林限界が見えていた。  映画のジャンルには「コメディ」とあり、特に序盤は言葉を交わしているようでいて完全にすれ違っているのがけっこう可笑しい。しかし男女関係については言葉がなくても通じるようで、これが結局男2人を人間共通の基盤に置いたということのようである。男連中が素っ裸でいるところに女が来て品定めする顔がいい演出だった。 ただ男女関係に関しても実は態度の違いがあったようで、男にとっては一時の恋愛のようなものだったかも知れないが、女にとっては最初から生殖に直結する問題として捉えていたのではと思われる。出演女優は実際にサーミ人とのことで、この人が監督に、サーミ人は性欲が強いとでも思っているのか、と聞いたとの話だが、そこは自分が見てもそのようには思わなかった(強いというより普通というか)。サーミ人でも何人でも、人間の原点に近い暮らしをしていればこうなるのは変ではないだろう。 特に人口希薄な地域で暮らしていれば次代の生命を常に意識するのは当然であり、そうであってこそ人間という種族がこれからも続いていく。精霊に頼んで待ち構えていたところに来た男2人は餌食にされたような形だが、しかし単なる種馬扱いでもなく、ちゃんと人格を含めて受け入れられたことが納得できる終幕になっている。どっちの子だったかは大して問題でないという気がした。 また終盤の「温もりが欲しい」というあたりも人としての根源的な欲求なのかも知れない。これに応えたロシア人も価値ある恩返しができたのではと思われた。  ほか個別の場面としては、男を黄泉の国から救い出すところを映像化していたのがけっこう感動的で、ここは現代人が失った力を持つ民がうまくやってくれたという印象だった。また細かいところでは、フィンランド人に喧嘩を売ったロシア人が、痛めた手を大事そうにふうふう吹いていたのは笑った。手足がもげるような戦争ではなく、こっちが普通の人間の姿である。
[DVD(字幕)] 8点(2017-12-09 09:58:44)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS