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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  戦争と女の顔 《ネタバレ》 
第二次世界大戦に参加したソビエト連邦の従軍女性の証言集を「原案」としているが、具体的に誰かの証言を題材にしたわけではなく独自の話を作っている。もとの証言集は主に戦争中の話であり、まだ検閲のある時代に発表されたこともあって悪いことばかりが書かれているわけでもないが、この映画では戦後を対象にして負の側面に集中した形になっている。  映画全体としての主張はよくわからない。もとの証言集の題名と映画の邦題の印象からすれば、要は戦争が悪い、戦争を起こす男が悪いと言いたそうではあるが、確かに戦争が原因で多くの人々が苦しんでいるのはわかるとして、少なくとも加害者と被害者を性別で分けているようには見えない。 しかし、両性一組を中心とするのが本来の家族という保守的な考え方を前提にすれば、劇中女性が戦争のせいで本来の家族を実現できなくなったのが不幸だったとはいえる。さらに死んだ負傷兵のように多くの家庭が破壊されたことに関して、要は全部戦争が悪いのだ、という言い方をするなら比較的納得しやすい解釈にはなる。そのように考えれば戦争と女性というより戦争と家族の映画なのかとは思った。爺さん連中も家族を欲していたらしい。  一方で、主人公と戦友の間に同性愛的な関係が見えるのは理解が難しい。主人公の名前が「スミレ」の意味だというのは、現実にスミレが同性愛の女性をイメージさせる花として扱われてきたことが背景にあると思われる。もう一人の主人公である戦友に関しては、もともと上昇志向や支配欲が強く、自ら戦って勝ち取るタイプの人物だったのではないか。いわば主人公が娘役、戦友が男役であって、女性性と男性性の違いを身体的な性別とは別物として描写していたように見える。色ではこれを緑と赤で表現していたのかも知れないが、ただ終盤では逆転していたようでもあって固定的なものではなかったらしい。 最終的な2人の状態は、現代でいえば同性愛カップルが子を迎えて家族を作ろうとする姿のようで、現代の西欧リベラル的な価値観からすればこれ自体は悪いとはいえない。例えば主人公が提案していたように、孤児を養子にすれば家族が作れる希望はあるわけで、その上で身体的な性別にこだわらず、家族内で女性性と男性性の役割分担をすればいい、と提案している映画なのかも知れないが、ラストの場面でそういうことまで見通していたかどうかは何ともいえない。いろいろ難しいことが多いので、自分としてはここまでだということにしておく。  その他雑記として、共同浴場の場面は日本でいえば「夕凪の街 桜の国」の銭湯を思わせた。 また、もとの証言集ではネコがいてこそ「本物の家」だという話があった(岩波現代文庫P435)ので、この映画の2人もまずはネコと同居することから考えればいいのではないか。レニングラードでは犬だけでなくネコも食われていなくなっていたかも知れないが。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-04-29 13:50:25)
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