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1.  父、帰る
12年前失踪したまま音信不通だった男が、ある日突然妻の元へ帰ってくる。戸惑いを隠せない二人の息子。次男は父親を写真でしか見たことがなく、ここで初めて父親という存在を認識することとなる。本作は父親と二人の息子との数日間の出来事を描いたものだが、誰もが疑問に感じる本来語られるべき“父親の事情”には一切触れられないまま ドラマが進行していく。この父親、いきなり食事にワインを飲ませたり、釣りを目的にした旅に出るのも、男としての息子の成長ぶりを確かめたかったのだろう。自らのことは語らず寡黙で野性的な、いかにも男っぽい父親ぶりで、躾としての振る舞いや言動は親としては極めて当然のことでありながら、息子たちには不満や不信感が募るばかりだ。それには、男親がないまま育ってきた子供たちの心情が微妙に作用しているのだが、長男は大人の世界が少しは解りかけている年頃ということもあって、父親を理解しようとするが、母親に溺愛されて育ってきた次男には、理解を超えた単なる威圧的な男にしか見えてこないのだ。このあたりの細やかなエピソードの積み重ねは絶妙で終盤それがボディーブローのように効いてくる。長い間留守にしていた空白を埋めるかの様に息子たちに接する父親だが、父親と母親との愛し方の違いが分からない次男は、やがて反撥を抱くようになり、ドラマはクライマックスへとなだれ込んでいく。結局、子供の成長を見守ってこれなかった男の苦悩と焦燥感は理解できるにしても、何かが欠落していると言わざるを得ない。いかにも古いタイプの父親像と、新しい世代との間に横たわる溝。この国での失われた12年というのは、あまりにも大きく重いという事なのだろう。映画は様々な謎を残したまま悲劇的な結末を迎えるが、この理不尽ながら絶対的な存在である親の重みというものを、息子たちは嫌というほど感じとることとなる。  実に皮肉で見事な幕切れだが、それにしてもなんと後を引く作品だろうか。
9点(2004-10-26 18:37:02)(良:3票)
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